島の路地裏で珈琲を焙煎する。弓削島の“日常”は、私にとって“非日常”の体験でした。/上島町体験プログラム『Feel! KAMIJIMA』(愛媛県越智郡上島町)【PR】

瀬戸内海のほぼ中央に位置する上島町は、25の島からなる離島の町です。ここに今、じわじわと移住者が増えはじめているのをご存知でしょうか?
島の暮らしにとけ込み、すぐそれとは気づかない移住者の皆さんを全10回にわたってご紹介する上島町特集!そのラストを飾るのは、『Kitchen 313 Kamiyuge』の宮畑夫妻です。

弓削島の路地裏で珈琲焙煎!?

今回の旅の伴侶は、広島市在住の石原さん。その隣りに座るのは『Kitchen 313 Kamiyuge(以下、313)』の看板猫、ココ。
「僕からは逃げるんですが、お客さんにはどうしてかすぐに懐くんです(笑)」
そう話すのは、『313』のご主人・宮畑周平さん。キッチンで何やらゴソゴソしはじめました。

大きな茶袋から飛び出てきたのは珈琲の生豆。真剣なまなざしで選別をはじめる周平さん。
そう、今日は珈琲焙煎を体験させてくれるというのです!それも石原さんのために!!これじつは特別なことではないんです(理由はのちほど)!

こちらが、その焙煎道具。
「銀杏を炒るやつです。今でも金物屋さんで売ってると思います」(周平さん)

これで焙煎するの?なんかイメージが違うな〜と思ったあなた!驚くなかれ、周平さんは『313』オープン前の約2年間、これで毎日焙煎していたんです!!
「これ本当に勉強になるんですよ。焙煎って静かなイメージがあると思うんですが、実際は音や煙、色などの変化があってダイナミック。その過程も面白いですし、何より豆に愛着が湧いてくるんです」

どうやって煎るんだろう?怪訝そうに見つめる石原さんに、優しくレクチャーしていく周平さん。島の路地裏で突如はじまった珈琲焙煎。なんて、のどかな光景なんだろう。

宮畑さんが弓削島に移住した理由!?

「焙煎のとき、何を考えてるんですか?」と尋ねる石原さんに、「うーん、何も考えてないですね。豆のことを考えてます(笑)」と周平さん。島での暮らしを尋ねながら、フリフリフリフリ!
「ここは築100年の古民家の蔵を1年がかりで改装したんです。もともと東京で建築関係の本を作っていたので、こういう風にしたらいいだろな〜というのはありました。ここは、伝統的な木組みと土壁の建物で、もともとモノとしてのチカラがとてもあったんですけど、ヘンに手を加えられていて。そこで『元の姿に戻すこと』を合言葉に改装しました。この島には、都会にはもうほとんどなくなってしまった『いいもの』がたくさん残ってますからね」

そうこうしている内に、みるみる豆の色が変化していきます。
「もうすぐハゼる頃ですね」(周平さん)
「ハゼる?」(石原さん)
「生豆の焙煎が進むと生じる現象です。1ハゼ、2ハゼとあって、1回目はちょっと大きな音を立てて激しくハゼますので、驚かないで下さいね」(周平さん)

パチパチ、パチ、バチン、バチッ、バチン……「キャー、きたー!」

石原さんが楽しそうにはしゃぐ一方で、周平さんが豆の状況を冷静に判断します。
「まだまだ見た目情けない感じですね(笑) ようやく半人前です。まだシワシワですが、これから豆の張りが出てきます。続けましょう。自分の好みの味に合わせて、どのタイミングで焙煎を止めるか決められるのが自家焙煎の面白いところです」

周平さんが「そろそろいい頃でしょう」と、サッと網へうつします。
ご覧ください。焙煎したての珈琲豆の美しさ!ツヤツヤです。このままカリッと食べられます。しばらく余韻に浸っていたいところですが、このままだと豆に残った熱で焙煎が進んでしまうため、ウチワでせっせと煽いで冷します。
さあ、出来上がり!……ではありません。

島に息づくものをシェアできる場所に

「せっかくなんで、最後までやってみませんか?」(周平さん)
ということで、珈琲ミルでガリガリゴリゴリ……芳ばしいいい香りが漂ってきます。

仕上げは周平さんが丁寧にドリップ!ぷくっぷくっと珈琲豆が呼吸しているようです。
「わ、生きてるみたい」(石原さん)
「豆に含まれたガスが抜けているんです。これがいい香りのもと。古い豆では、こうはいきません。実際にやってみるといろいろ発見があって面白いでしょう」(周平さん)

最後に、奥様の真紀さんも加わり、路地裏コーヒータイム♪
「お店をはじめたのは、私自身食べることが好きで(笑)、地区行事にケーキを作って持っていったりしていたんです。それがだんだん頼まれて作るようになり、いろんなご縁が重なって……よし!という感じで。弓削島は私の父の故郷なんです。移住して7年目になりますが、島の暮らしはほんとうに素朴でシンプル。お店をするにあたって、そうした島に息づくものだったり、ありのままの営みをシェアできる場所になれたらなと思っています」(真紀さん)

島の路地裏で、自分で焙煎してミルした世界に一つだけの珈琲をいただく。美味しくないはずがありません。
じつはこれ「島の暮らしを体験してもらおう」と上島町が取り組む『Feel! KAMIJIMA』という体験プログラムの一環。島の人が、旅の人にそれぞれの上島を味わってもらうなら、と考えたもの。宮畑夫妻が考え抜いた体験プランが、珈琲豆の焙煎だったのです。

帰り際、周平さんから『ISHIHARA COFFEE』と書かれた茶袋のプレゼント。中には、ドリップに使用しなかった珈琲豆。
「いいんですか?」と目を輝かせる石原さんに、「これは石原さんのものです」と微笑む周平さん。その瞬間、弓削島の暮らしがふわっと香った気がしたのでした。


●Kitchen 313 Kamiyuge(キッチンサンイチサンカミユゲ)
所在地/愛媛県越智郡上島町弓削上弓削313
営業時間/11:00~15:30
営業日/火、木、土曜
電話/0897-72-9075
P/近隣に無料駐車場有(4台)
http://313.strikingly.com/
https://www.facebook.com/kitchen313Kamiyuge/

※『Feel! KAMIJIMA』体験プログラムの詳細については以下をご覧ください。
https://www.town.kamijima.lg.jp/site/kanko/9786.html

瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史

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藤本 雅史

藤本 雅史

藤本 雅史/フォトライター 東京の広告会社と編集プロダクションを経て、3.11をきっかけにルーツである山口県に移住。 はじめは地域おこしと意気込むも、人口約100人の島のばあちゃんから聞いた「無人島になっても、それが自然なことならええ。またいつか人が住みつくときが来ようね」の一言に感銘を受け、肩の力が抜ける。 以来、雑誌や広告の企画・編集・執筆と少しの農業を生業としながら、大きなスケールの小さな声を求めて瀬戸内をあるく日々を過ごす。

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