グルメ・おみやげ
愛媛・双海の美しい空と海に映える、日本一有名な無人駅/『JR下灘駅』(愛媛県伊予市双海町)
かつて『日本一海に近い駅』だった下灘駅
下灘駅までは、松山中心部から約30キロ。車だと1時間もかからないけれど「駅に行くならやっぱり列車よね」と、JR松山駅から出発しました。
本当なら、ローカル線(単線&1両編成!)1本で1時間10分ほど。時間が合わず、特急宇和海に乗り、伊予大洲駅で普通列車に乗り換えて、下灘駅へと向かいました。
約2時間弱かかりましたが、この経路だと山から海へと景色がスイッチする感激の瞬間に出合えて、実はオススメ。
電車を降りて後ろを振り返ると、メディアでお馴染みの、この景色。やっぱり、画像より実物に限る!線路はこの駅の向こう側。かつて、『日本一海に近い駅』だった場所はまるで、海の上に駅が立っているみたい。
もっと引いてみてみましょう。
見渡す限りの水平線上に、島々の陰影が凸を描き、どこまでも青く、どこまでも美しい。瀬戸内海は本当に穏やかだから潮騒も生まれない。耳に届くのは、鳥の鳴き声と、ときどきやってくる列車の走行音だけ。
ゆるやかな空気感に包まれながら、青い星に生きているという当たり前だけど、普段忘れている事実がジワジワ胸に迫ってきます。
最高の場所で、最高のコーヒーを。『下灘珈琲』
駅の外に出てみましょう。駅前に、地元で話題のスポットがあるんです。
それがこちら、2017年4月オープンのカフェ『下灘珈琲』。駅を出てこんなキュートなお店があったらテンション上がりますよね。
話題になっているのは、ビジュアルだけではないんです。コーヒーは、注文から豆をひき、一つひとつ丁寧にドリップ。香り豊かで、味わい深く、ツウも納得の美味しさ!
直球のネーミングも二重丸。このショット、『インスタグラム』で最近よく見かけます。
ほんと、海辺で飲むコーヒーは格別。潮風との相性でしょうか。
さてさて、帰りの電車の時刻を確認すると、2時間後。普段、何もないところで2時間過ごすってまあまあの苦痛。だけれど、まったくそう感じないフシギ。
「小さな幸せ見つけた、ウッフッフ」
その間、構内でこんな貼り紙を見つけました。
『下灘駅で私が見つけた私だけの小さな幸せ ウッフッフ 「それはないしょ」 』。そのそばには、何年分もの落書き帳が。国内外から来られた方の、下灘駅への熱い思いが溢れていました。
人生は、巻き戻せない『片道切符』。つらいこと、悲しいこと、苦しいことがあったとき、ここに来たら一歩を踏み出す勇気がもらえそう。もしかしたら、ここを目指す理由のひとつかも。
次は、夕陽を見に来よう。皆さんもぜひ、この空気感を味わってみてくださいね。
瀬戸内Finderフォトライター ハタノエリ
関連地域
愛媛県
愛媛県といえば、みかん。全国的に知名度も高く、近年では穏やかな気候を活かして多くの柑橘類を生産している。また日本最古の温泉「道後温泉」や、城下町として栄えた松山では、ゆったりとした時間を味わえます。愛媛と広島を結ぶ「しまなみ海道」からは、多島美景観だけでなく、大迫力の造船所を眺めることもできます。村上水軍ゆかりの地や、せとうちの海産物を楽しむ島巡りもおすすめ。