海に沈みゆく夕陽をバックに鉄道橋を渡る列車のフォトジェニックな写真を見つけたのは夏の終わりのこと。
それが山口県阿武町にある『惣郷鉄橋』こと惣郷川橋梁であることを突き止め、その美しい姿を写真におさめるべく、1泊2日の取材旅行に行ってまいりました!
美しさに感動!青空に映える惣郷鉄橋
広島から山陽自動車道を通って一路山口県へ。
国道191号線から県道343号線に向かって車をしばらく走らせると…見えてきました!
全長約189m。JR山陰本線の須佐駅と宇田郷駅の間にある白須川河口に架かる『惣郷鉄橋』です。
その規模と美しさは想像以上!
はやる気持ちを抑えながら、まずは14時11分頃に通過する列車を撮影することに。
惣郷鉄橋を列車が通過するのは、上りと下りをあわせても1時間に1~2本だけ。
待つこと十数分。
ゴーっという音とともに、レトロな朱色の単行列車が姿を現しました。
写真で見た通りの、高い鉄道橋の上を走る姿に思わず大興奮!
これはすごい。絶対、夕陽とのコラボ写真を撮らなくては!
この場所以外にもおすすめの撮影スポットがいくつかあると聞き、さっそくチェックすることに。
こちらは須佐駅寄りの山腹にある県道343号線の撮影スポット。
ここは線路までの距離がとにかく近いんです!
そして列車が走っていなくても絵になってしまう、この美しさ。
ここでも素敵な写真が撮れるに違いありませんが…
惣郷鉄橋×列車×海×夕陽の絶景コラボ
選んだ場所は、その向かいの山すそにある宇田郷駅寄りの撮影スポット。
ここなら夕陽に染まる海面や手前の川面も撮影できそうです。
日没時間と列車の時刻表をにらめっこしながら、待つこと約1時間。
波の音と虫の鳴く声だけが響く静寂の中、かすかにゴーっという音が…。
来る、来る、来る……キターーーッ!!!
夢中でシャッターを切り続けます。
オレンジ色に輝く夕陽と重なる列車と鉄道橋のシルエットはまるで影絵のよう。
せっかくならもう1枚、別角度で夕陽の写真を撮りたい!
そこで先ほど確認した須佐駅寄りの撮影ポイントに急いで移動することにしました。
この時点で夕陽はまだ海の上で持ちこたえていました。
しかし!列車が通過したのは夕陽が沈んでしまった後でした。残念!
あの『瑞風』も走るんです!
取材2日目の早朝6時40分。私はまた須佐駅寄りの撮影スポットにいました。
というのも実は阿武町役場から、なんと『トワイライトエクスプレス瑞風』が惣郷鉄橋を通過するとの情報を入手していたのです!
瑞風狙いの鉄道ファンの皆さんと雑談しながら待つこと約1時間半。
ついに姿を現しました!みんな一斉にシャッターを切ります。
乗客の方にこの絶景を見ていただこうという瑞風の計らいでしょうか。
惣郷鉄橋を渡る瑞風のスピードが少しゆっくりしているように感じました。
もう1つのフォトジェニックスポット!?
実は惣郷鉄橋のすぐ近くにもう1つ、おすすめの撮影スポットがあります。
この写真をみたらピンとくる方がたくさんいるのでは…?
そう、あの国民的アニメの超有名なシーンを彷彿とさせる『川尻バス停』です。
渾身の演技を披露してくれたのは、今回の取材をアテンドしてくださった阿武町役場の石田さんと阿武町公式インスタグラムの管理人を務めるスイカ農家の梅田さん。
「この海があるから」と阿武町にIターン・Uターンした二人。
わかります。だってこんなに美しいんだもの。私だって帰るその日に「また来たい」って思いました。
皆さんもぜひ惣郷鉄橋に一度訪れてみてください。
鉄道ファンならずとも、きっとこの美しい景色の虜になるはずです。
惣郷鉄橋
所在地/山口県阿武郡阿武町宇田惣郷
最寄り駅/JR山陰本線宇田郷駅から約2km(徒歩で約25分)
http://www.town.abu.lg.jp/
瀬戸内Finderフォトライター イソナガアキコ
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この記事を取材したフォトライター
イソナガ アキコ
約10年のWEBディレクター業ののち、2014年よりフリーライター。 撮影を含む仕事も増える中、カメラ熱も上昇中。 2019年、インディペンデントな本屋さんを応援する「あいだproject」を創立。 本や本屋を起点にしたイベントをあれこれ妄想しては実行中。 URL/https://isonaga.wixsite.com/aidapress
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