西日本最高峰、石鎚山の麓に位置する、愛媛県西条市。
西条市は、2004年に(旧)西条市、東予市、周桑郡小松町、同丹原町の4市町が合併され誕生しました。
現在の市の東に位置した旧西条市は、地下から湧き出る自噴水があちこちから出る「水の都」として知られ、古くから人々の喉を潤してきました。
この地域では、鉄のパイプを15mから30mほど打ち込むだけで良質な地下水が湧き出てくるのです。
これを「うちぬき」といいます。
市内にはこのうちぬきが約2,000本あるといわれています。
旧西条市の水は、日本名水百選にも選ばれた水で、連日、地元はもとより遠くから水を汲みにくる人々が後をたちません。
一日の自噴量は約9万㎥に及ぶといわれ、生活用水、農業用水、工業用水など広く利用されています。
豊かな水資源をもつ西条市。
美しい川が流れ、水を使ったまちづくりが行われています。
西条駅からすぐにある総合文化会館の西側、アクアトピア水系の噴水の近くにあるうちぬき水。
このような光景を、あちこちで見かけます。
絶え間なく流れる美しい水。
また西条市には、うちぬき水だけでなく湧水が出るところがあり、このアクアトピア水系の源泉「観音水」もその一つです。
こちらは、陣屋跡のお堀。
旧西条市は、1636年(江戸時代)伊勢神戸の城主である一柳氏が西条藩主となり、二代直重が陣屋を築造し城下町が開かれました。
その後1670年、松平頼純(徳川家康の孫)が藩主となり、約200年間、三万石の城下町として栄えました。
その跡が残るお堀は、今も住民の憩いの場所です。
弘法大師の水にまつわる伝説は数多くありますが、ここにもひとつ、海の中から湧き出る清水の話があります。
「昔、弘法大師が四国を巡礼している時のこと。石に座り休憩している時、老婆が水を抱えて通りかかりました。大師は喉が乾いていたので老婆から水をもらったのですが、その水は老婆が遥か遠くから汲み取ってきたと知り、大師は錫杖の先で大地を数回突きました。するとそこから綺麗な水が湧き出てきました」
これが弘法水の始まりだとされています。
いたるところから湧き出る水。
そんなこの地域ならではの光景を見つけました。
畑で育てた野菜を出荷する前に、この豊富な水で野菜を洗う「野菜洗い場」です。
早朝と夕刻に集まってくる農業者。
「うちぬきの冷たい水が、野菜の味を引き締め鮮度を保つ」と話していました。
西日本最高峰、霊峰石鎚山の恩恵を受け、水が枯れることなく湧き続ける西条市。
ここを訪れると、人は自然と繋がって生きていることを実感します。
こんなにも、綺麗でおいしい水を私たちに与えてくれている自然。
都会に暮らしていると、水と命、水と自然の繋がりを、なかなか感じることができません。
ここは、私たちに水の大切さ教えてくれる地域でもあるかもしれません。
水の都、西条市。ぜひ、一度足を運んでみませんか。
西条市観光情報ページ-うちぬき
URL/http://www.city.saijo.ehime.jp/kankou/utinuki1.htm
水の歴史館
URL/http://www.city.saijo.ehime.jp/mizunorekishikan/index.htm
瀬戸内Finder フォトライター大橋麻輝
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瀬戸内Finder 編集部
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