海・自然
世界最大級のニホンアワサンゴ群生地/周防大島(山口県)
地元では当時、ビッグニュース!てんやわんやの大騒ぎ。
しかも2013年2月、すばらしい水中景観と多様な生物が生息していることから、瀬戸内海初となる「海域公園」に指定されたのです!
主な生息エリアは沖家室島の近く。ですが、岸から眺めてもニホンアワサンゴを拝むことはできません。
一方、海の下にはこんな世界が広がっています。
間近で実物が見てみたいという方は、ここから車で15分の「なぎさ水族館」にお出かけください。
ここではニホンアワサンゴの生態を調査研究しています。
赤ちゃんサンゴを見ることもできるんですよ。
余談ですが、じつは10年ほど前からその存在に気づいている人がいました。地元の漁師さんたちです。ただまさかニホンアワサンゴが生息しているとは思わず、「へんな海藻があるな~」とほったらかしにしていたそうです。
その10年の間にみるみる繁殖エリアを広げ、世界最大規模にまで成長。もし発見当初からニホンアワサンゴと気づいていたら、「海域公園」に指定されるまでの群生地になっていただろうか?そう考えると漁師さんには感謝したい気持ちが湧いてきます。
現在は、現地のNPO団体によりモニターツアーが行われているほか、行政もビジターセンターの建設に向けて動き始めています。
海域公園指定を記念してニホンアワサンゴ切手が発売されたところ、あっという間に完売という人気ぶり。
今後の動きに目が離せません。
瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史
※本記事に使用しているニホンアワサンゴの写真は、ニホンアワサンゴの調査、保護活動を続ける地元の「NPO法人自然と釣りのネットワーク」からお借りしました。
関連地域
山口県
本州と九州を繋ぐ要の場所、山口県。城下町として栄えた地域も多く、日本の近代化にあたっては数多くの歴史や偉人がこの場所から生まれました。春は桜、夏は花火と季節毎に違った表情を魅せる錦帯橋、風情ある町並み、美しい庭園に寺社仏閣。またTVコマーシャルのロケ地としても有名になった角島大橋や、雄大なカルスト台、鍾乳洞はまさに絶景。ぜひカメラを片手に旅をしてみてください。