夕立受山(ゆうだちうけやま)は、岡山県南東部にある標高約210mの山で、その昔、長い日照りで困った農民たちが山頂で雨乞いをしたところ、急に雨雲が広がり夕立が降ってきた、という伝説が名称の由来になっています。
名称に『夕』の文字が付いているから、というわけでもないのでしょうが、夕暮れ時には、山頂から望む美しい夕陽を目当てに訪れる人も多いとか。
そこで今回は、『夕立受山の夕景を撮影する!』というテーマで、瀬戸内Finderのフォトライター松岡が取材をする際の舞台裏も合せてご紹介します!
夕立受山は標高約210mの山ですが、中腹まで車道も通じていて、比較的手軽に登れる山です。駐車場の前が登山口となっていて、案内看板も設置されています。
案内看板を見たら、歩いてすぐに山頂に着きそうに思えるのですが、実際はけっこう急な登り坂がつづら折れに続き、すぐに息が上がります。
疲れたら少し休憩しながら山頂を目指します。
そうして30~40分ほど歩くと山頂に到着します。山頂には休憩小屋や展望台が整備され、心洗われるような風景が広がっています。
瀬戸内海に浮かぶ日生諸島と、奥には小豆島が横たわります。
さて、展望台で少し休憩した後、再び出発します。というのも、実は夕立受山のベストなビューポイントは山頂ではなく、さらに奥に連なる峰の上にあるからです。
山頂からいったん標高50mほど急坂を下り、再び50m登ってビューポイントに至ります。
そのビューポイントの景色はこちら!
片上湾に岡山ブルーラインの片上大橋が架かり、養殖の牡蠣いかだがたくさん浮かんでいます。
実は、上の写真は、別の日の早朝に撮影したものです。
夕立受山は夕景だけでなく、早朝や昼間の時間帯に訪れるのもオススメです。
さて、今回の夕景に戻りますが、ちょっと雲行きが怪しくなってきました・・・
絶景ポイントに着いて、しばらくすると急に雲が広がりだし、まさに伝説通り『夕立』でも降ってきそうな状態です。
今日は夕陽が見られないのか・・・
通常ならば、さっさと下山して温泉にでも浸かりにいくような状況でも、フォトライター松岡は簡単には諦めません。
太陽が沈む方角をよく見ると、わずかに雲の隙間が見えています。地平線近くに雲の隙間があるときは、ドラマチックな夕陽が見られる可能性があるのです。
でも、この場所にいてはいけない!!
このような雲の状態では、太陽の光が放射状に広がり、夕焼けが広範囲におよぶのです。
今いる場所は、絶景ポイントではあるものの、木々に囲まれ視野がちょっと狭いのです。
慌てて三脚とカメラをかかえ、猛ダッシュで来た道を引き返します。再び50m下り、50m登るのですが、いつ太陽が雲の隙間から出てきてもおかしくない状況・・・
来た時のように、ゆっくりと歩いてはいられません!
最後はバテバテで、少し足を引きずりながら、なんとか山頂の展望台へ到着。
夕陽には・・・、間に合いました!!
しばらくすると、雲の隙間から太陽の神々しい光があふれ出し、周囲の空や海を染めてゆきます!
こちらの山頂展望台からは、ブルーラインの橋がちょっと隠れてしまうのですが、片上湾の奥まで見渡せ、視界が広いのです。
バンザーイ!!すぐに諦めて下山しなかったことと、ビューポイントの選択が正解だったことに対する素直な気持ちをポーズにしてみました(笑)
本日の日没の瞬間です。このわずかな雲の隙間があったおかげで、とてもドラマチックな夕景が見られました!
今回のように上手くいくこともあれば、どんなに経験を積んでも読みが外れてしまうこともあります。
『その瞬間に、もっとも適切な場所にいること』
瀬戸内地域の素晴らしさをお伝えするために、フォトライター松岡が日々心がけているスローガンです。
瀬戸内海国立公園 夕立受山
住所/岡山県備前市穂浪2277-9
https://www.okayama-kanko.jp/spot/11050
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣
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この記事を取材したフォトライター
松岡 広宣
松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/
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