瀬戸内海には、沢山の伝説があります。
数々の伝説を巡りながら旅をするのもオススメ。
今回は、皆が知っている、おとぎ話『桃太郎』です。
『桃太郎』は、桃から生まれた桃太郎が、大きくなって鬼ヶ島に鬼を退治しに行くお話ですね。
そんな桃太郎の縁の地は全国にあります。その中でも有力説の一つが、岡山県岡山市にある吉備津神社(きびつじんじゃ)に伝わる『吉備津宮縁起』の中に書かれた温羅(うら)伝説です。
このお話は、今から2000年以上も前のものですが、その中に出てくるさまざまな場面が今も伝説の地として現存しています。
きびだんごを持って、伝説の地を巡ってみましょう。
桃太郎と言えば、鬼。
ここでの鬼は、なんと遠く外国からやってきた温羅という名の王子のこと。
目は虎や狼のように光り、髪は燃えるような赤、力は人並外れていて、とても凶悪。
ほんとの鬼みたいですね。
そんな王子が居城を構えていた所。それが、ここ岡山県の新山(にいやま)、現在の総社市鬼城山(きのじょうざん)の『鬼ノ城(きのじょう)』です。
伝説では、ここに古代の山城があったとされます。
現在はこのように遺構を復元されています。
なんだか日本じゃないみたいですね。
次の神社は、皇子・吉備津彦命(きびつひこのみこと)が温羅を退治するために、陣を置いたとされる所。
現在は吉備津彦命をお祀りする、備中国一宮吉備津神社があります。
この写真に写っている本殿は、室町時代に足利義満造営とされ、拝殿とともに国宝に指定されています。
この大きな石がある所は、『矢喰宮(やぐいのみや)』と言って、お互いの打った矢が、空中で噛み合い落ちた所だとされます。
もう一説には、吉備津彦命の矢と温羅の投げた石が当たって落ちた所で、この巨石はその投げた石だとされます。
夕日が綺麗な神社『鯉喰宮(こいくいぐう)』
ここは、吉備津彦命が打った矢があたり左目を負傷した温羅が、鯉に姿を変えて川に入って姿を隠したところ、吉備津彦命が鵜(う)となって鯉を噛みあげたとされる所。とうとうここで捕まってしまったんですね。
そして吉備津彦命は温羅の頭をはねて串し刺しにしてしまいました。
温羅が死んでも首はうなり声をあげ続け、犬に食わせて骸骨にしてもうなり続け、御釜殿の下に埋葬してもなおうなり続けました。
ちょっと怖いお話ですが、続きがあります。
吉備津彦命の夢に温羅が現れ、温羅の妻、阿曽媛(あそめ)に神様にお供えするお米を炊かせたら、吉備津彦命の使いとなって、吉凶を告げようとと言ったことが元となり、神事が始まったとされます。
これが吉備津神社の『鳴釜神事』です。
また、吉備津神社には、吉備津彦命と温羅の戦いの時、射る矢を置いたとされる岩、もう『矢置岩(やおきいわ)』があります。
誰もが知っている桃太郎伝説。
温羅伝説は、桃太郎とは少し違うお話ですが、これが元となっているとも言われます。
昔話って実は、こうした神社や地域に残る伝説が元となってできています。
それがだんだん変化して今のお話になったのです。
瀬戸内海地域にはこうした伝説が数多く残っています。
何も知らなかったら通り過ぎてしまうような場所にこうして残る伝説。
歴史の浪漫を感じながら、こうして伝説の旅をしてみてはいかがでしょうか。
吉備津神社
所在地:岡山市北区吉備津931
TEL:086-287-4111
鬼ノ城
所在地:岡山県総社市奥坂
TEL:0866-92-8277
矢喰宮
所在地:岡山市北区高塚
TEL:086-803-1332 (岡山市観光コンベンション推進課)
鯉喰宮
所在地:倉敷市矢部109
TEL:086-426-3851 (倉敷市教育委員会文化財保護課)
参考ホームページ
http://okayama-kanko.net/sightseeing/special.php?f=info_special_6
瀬戸内Finderフォトライター 大橋麻輝
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瀬戸内Finder 編集部
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