【特集|周防大島】初めてなのに懐かしい!「落着きと素朴さを失わない」「平凡な島」だからこそ面白い、民俗旅行に出かけよう♪【PR】

『忘れられた日本人』などの著作で有名な民俗学者・宮本常一。かつてみずからの故郷・周防大島をこう記しました。
「もともと大島というところはこれという見所をもっていない。スカイラインなどというものでもつくれば別であるが、平凡な島である。だから今まであまり人にも知られなかったし、同時に島は落着きと素朴さを失わないできたのであった。」(『私の日本地図9 瀬戸内海Ⅲ 周防大島』)

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(宮本常一記念館 所蔵)

73年の生涯のうち、四分の一を旅に費やし、日本各地の庶民が築いた文化を記録して歩きつづけた宮本。その歩いた距離はなんと地球4周分!16万キロにも及びます。宮本を敬愛してやまなかった作家・司馬遼太郎はこんな言葉を残しています。
「宮本さんは、地面を空気のように動きながら、歩いて、歩き去りました。日本の人と山河をこの人ほどたしかな目で見た人は少ないと思います。」

今回はそんな旅の達人・宮本常一の視点から、「落着きと素朴さを失わない」「平凡な島」のディープな楽しみ方をご紹介します。

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まず訪れたいのが『久賀歴史民俗資料館』です。

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館内に入ると、所せましと並べられた昔の古い道具たち。その数、15,000点以上!
一般家庭の生活用具をはじめ、漁師、農家、石工、鍛冶屋、船大工、桶・樽屋、傘・提灯屋などの職人が使っていたものです。うち、2,707点が国の重要有形文化財に指定されています。

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よく見ると、同じような道具がずらっと並んでいます。不思議に思うかもしれませんが、これがこの資料館の最大の特徴なんです。

「私もはじめは、なんでこんな同じもの集めるんだろうな~と思いました(笑)」
そう話すのは、資料館の管理をしている菊本雅喜さん。じつはこの膨大な民具の収集を指示したのは宮本常一。菊本さんは約40年前、宮本の指示を受け、収集に関わったというのです。仲間と一緒に各家庭を回り、3年もの年月をかけて10,000点におよぶ民具を収集していったと言います。

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「はじめは意味が分からんで集めてたんですが、だんだんと分かるようになってくるんですね。タグ(民具収蔵票)をつけるために、その道具がはたして何の道具なのか、どんな使われ方をしていたのか、土地の詳しい人に聞くんです。そんなことを繰り返していると、なぜこういう形になったのか、その土地の遍歴や職人の考えていることがモノから伝わってくるようになる。不思議なものです。」

ここにあるものは、すべて生活のための道具。その一点一点に島の暮らしが刻まれているのです。そう思いながら、じっくり見て回っていると周防大島の生活が徐々に立ち上がってくる気がします。

次に訪れたいのが『白木山』。宮本が旅する民俗学者になった原点とも言える場所です。

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宮本は幼少期、よく父親に連れられてこの山に薪をとりに行きました。頂上から見える中国・四国の山々、海に浮かぶ島について父から話を聞くのが何よりの楽しみだったとか。

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山頂(標高374m)からは島々を行き交う船や、宮本が育った集落を一望できます。

宮本が島を離れる際、父・善十郎はこんな言葉を贈りました。
「村でも町でも新しくたずねていったところはかならず高いところへ上ってみよ、そして方向を知り、目立ったものを見よ。(中略)山の上で目をひいたものがあったら、そこへかならずいって見ることだ。」

眼下を見おろし、目を引くものがあったら、ぜひ実際に足を運んでみてください。

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どこを歩いても、「落着きと素朴さを失わない」「平凡な島」ならではの懐かしい風景に出会えますよ♪

宮本の父・善十郎はこうも言いました。
「人の見のこしたものを見るようにせよ。その中にいつも大切なものがあるはずだ。あせることはない。自分の選んだ道をしっかり歩いていくことだ。」

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駆け足で観光スポットを見て回るのではなく、土地の匂いを感じ、空気に触れ、ゆっくりと島に宿る文化を発見する。そんな旅、たまにはいかがですか?


「みつけた、周防大島。」
●久賀歴史民俗資料館(八幡生涯学習のむら内)
周防大島が生んだ宮本常一の指導により収集された諸職用具、歴史文化財15,000点(内2,707点重要有形民俗文化財)を展示しています。
所在地/山口県大島郡周防大島町大字久賀1095-1
開館時間/9:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日/毎週月曜日(祝祭日の場合は翌日)、年末年始(12月28日~1月3日)
入館料/一般400円 小中学生200円(15人以上団体1割引き 30人以上団体2割引)
TEL/0820-72-2601
HP/www.kuka1102-1.sakura.ne.jp

●宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)
宮本の著作や約2万点の蔵書、そして日本全国を歩いて撮影した10万点にもおよぶ写真などが収蔵されています。

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所在地/山口県大島郡周防大島町平野417-11
開館時間/9:30~18:00
休館日/毎週水曜日(祝祭日の場合は翌日)、年末年始(12月28日~1月3日)
展示室観覧料/高校生以上300円・小中学生150円(※団体割引もあります)
TEL/0820-78-2514
HP/www.towatown.jp/koryu-center/koryu.html

瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史

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藤本 雅史

藤本 雅史

藤本 雅史/フォトライター 東京の広告会社と編集プロダクションを経て、3.11をきっかけにルーツである山口県に移住。 はじめは地域おこしと意気込むも、人口約100人の島のばあちゃんから聞いた「無人島になっても、それが自然なことならええ。またいつか人が住みつくときが来ようね」の一言に感銘を受け、肩の力が抜ける。 以来、雑誌や広告の企画・編集・執筆と少しの農業を生業としながら、大きなスケールの小さな声を求めて瀬戸内をあるく日々を過ごす。

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