篠山市今田町立杭は、約800年の伝統を受け継ぐ丹波焼のふるさと。この小さな集落には、約60軒もの窯元が集まり、のどかな里山の風景の中にやきものの郷らしい独特の風情を漂わせています。
窯元巡りのスタートはまずはここから。丹波焼のランドマーク的施設である丹波伝統工芸公園 立杭 陶の郷へ。
訪れる人に一番人気という、窯元横丁から見て回るのがおすすめです。窯元横丁には、54軒の窯元の作品がブース別に、それぞれギャラリー風に展示してあり、たくさんの窯元の作品に一度に触れることができ、気に入ったものを購入することもできます。
レトロで懐かしい雰囲気の空間に、まるで匠の技が競い合っているかのよう。好みの窯元を見つけてチェックしておくと、窯元散策でお気に入りの窯元を探す楽しみも味わえますよ。
ゆっくり回りながら、気になるうつわがあればそっと手にとって、その存在感を手のひらで感じてみましょう。
俊彦窯のブースで、白地に淡いブルーグレーのグラデーションが印象的なコーヒーカップを見つけました。土そのものの特徴を生かした素朴で味わい深い焼締めのコーヒーカップは、陶芸家・清水剛さんによる作品。使い込むほどに愛着が増していきそうです。
窯元路地歩きに向かう前に時間があれば、陶の郷のすぐ近くにある兵庫陶芸美術館にもぜひ立ち寄ってみてください。展望テラスからはこれから訪れる窯元群が一望できます。火入れが行われていれば、煙突から煙が立ち上っているのを目にすることができるかもしれません。
丹波焼の名品をはじめ、現代陶芸の代表作を所蔵する森の中の静かな美術館は、漆喰壁の白が木々の緑に溶け込んで、心洗われるような景観美。展示だけでなく、建物や景観も訪れる人を惹きつける魅力のひとつとなっています。
お待ちかねの窯元散策へ。看板があちこちに立てられている路地を歩きます。陶器のオブジェが並び、薪が積みあげられた工房に面した路地は、畦道のように細く迷路のようになっているところも。
坂道を登ったり下りたりしながら、小さな工房をのぞいてみるとやきものの里の日常に触れることができます。ギャラリーが併設されている窯元もあり、自由に中に入って見学し、お気に入りを探すのも楽しいものです。
先ほど窯元横丁で買い求めた、コーヒーカップの窯元、俊彦窯を発見! 幸運なことに作陶中だった作者の清水剛さんにもお会いできました。作り手の方と話す機会に恵まれたら、手に入れたうつわにもますます愛着がわいてきます。
タイミングが良ければ工房で陶芸家がろくろを回したり、釉薬をかけたりしている作陶風景を見せてもらえることもあります。
4月〜5月と、10月〜11月の土曜日・日曜日・祝祭日には、地元ボランティアガイドによる『窯元路地歩き』が行われます。なかなか一人では入れない窯元さんの工房にも案内してもらうことができるので、初めての方にはこうしたガイドツアーへの参加もおすすめです。(問合せは立杭 陶の郷まで)※新型コロナウイルス感染防止のため当面受付を休止しております
陶芸家の数だけ作風があるといわれる丹波焼。そして、昔から変わらない里山で自然と調和しながら、土とともに生きる陶芸家たち。作家の息吹を感じながら、暮らしを彩るお気に入りのうつわ探しに出かけてみませんか?
丹波伝統工芸公園 立杭 陶の郷
住所/兵庫県篠山市今田町上立杭3
電話/079-597-2034
入園料/一般200円、小中学生50円
開館時間/10:00~17:00
休館日/火曜日(祝日は営業)、12月29日〜1月1日
https://tanbayaki.com
兵庫陶芸美術館
住所/兵庫県篠山市今田町上立杭4
電話/079-597-3961
入園料/展覧会により異なる
開館時間/10:00~18:00(7〜8月の土日は9:30〜)※入館は17:30まで
休館日/月曜日(祝日の場合は翌平日)・年末年始(12月31日と1月1日)
https://www.mcart.jp
俊彦窯
住所/兵庫県篠山市今田町上立杭396
電話/079-597-2647
https://toshihikogama.com
瀬戸内Finder編集部
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