山口県の周防大島で古くから親しまれている郷土料理、『茶粥(ちゃがゆ)』と『糂汰(じんだ)味噌』。どちらもシンプルながら飽きのこない、島のエッセンスがぎゅっと詰まった料理です。
今回、レシピを教えていただいたのは宮地直人さん。
2015年、周防大島にIターンして、奥様と一日一組限定の宿『石鍋亭(いしなべてい)』を始められました。もともと釣りが好きで、料理が得意だった宮地さん。周防大島への移住も「釣り好きが高じて」という筋金入り。
そんな宮地さんが「島に来たばかりの頃、近くの集落に住む方から作り方を教わった」という茶粥と糂汰味噌。今では宿泊客の朝食や夜食でも大活躍!子どもからお年寄りまで、世代を問わず大好評だそうです。
作り方も簡単なので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
周防大島の郷土料理レシピ、茶粥の作り方
山が多く平地の少ない島で、米は貴重なものでした。少しでも量を増やして食べられるようにと先人の知恵から生まれた郷土料理です。
<分量 5人分>
・米 1合
・水 13カップ
・豆茶 小さじ2
・小さめのサツマイモ 1本
①まず米を1~2回軽く洗っておきます。
②豆茶を使い捨てのお茶パックに入れ、分量の水をはった鍋に投入して火にかけます。
③お茶が濃い紅茶のような色になるまで強火で煮出します。
④お茶パックを鍋から取り出し、米を加えます。タイマーを18分にセット。
蓋をせず、強火で米が踊るように炊くのがポイント!
⑤タイマーが残り10分のところで、皮のまま輪切りにしたサツマイモを鍋に入れます。
⑥アクを取り除きながら、タイマーが鳴ったら出来上がり!
今回は豆茶(写真)で作りましたが、お茶の種類は集落や家庭ごとに様々。お好きなお茶で作ってみてください!サツマイモの代わりに、ソラマメや小麦粉を練った団子など季節や気分によって具材をかえても楽しめますよ。
周防大島の郷土料理レシピ、糂汰(じんだ)味噌の作り方
こちらは魚介の入った味噌です。今回は島でよくとれるメバルを使って教えていただきました。
<作りやすい分量>
・メバル 5匹(頭と内臓を取り、正味200gくらい)
・味噌 200g
・酒 大さじ2
①はじめにメバルの鱗と内臓を取ります。そして皮の表面に焦げ目がつく(骨までしっかり火が通る)くらいまで、しっかり焼きます。
②骨と身を分け、骨は包丁で細かく刻みます。
③すり鉢に細かくした骨とほぐした身、さらに酒を入れのばしながら、すりこぎですりつぶします。
これが結構大変!骨が残る場合はフードプロセッサーを使ってもOK!
④最後にすり身と同量の味噌を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がりです。
このまま白ご飯にちょこっとのせても、ネギを散らしお茶漬けにしても、コクがあって美味しいです!
糂汰味噌は島の集落や季節によって使う魚介が変わるそうです。スズメダイや牡蠣で作るご家庭もあるそうなので、色んな魚介で試してみるのも面白いですね。
と、ここまで読んでいただいた方へ、最後にとっておきの技をご紹介♪
メバルの内臓の取り方
※閲覧注意!内蔵が飛び出てきます。
まず菜箸を魚の口から入れ、エラの外側をくぐらせて…
お腹の中ほどまで箸を2本とも入れます。そしてエラをはさむようにして持ち、回転させながら引き抜きます。
うわ~っ!でてきました。
糂汰味噌を作るときは魚はほぐすので、普通に腹を切って内臓を取り出しても大丈夫!姿を残す煮付けなどの下ごしらえにお試しください。
【おいでませ!山口】
●石鍋亭
島の一日一組限定の宿。宿名の由来である石鍋で炊いたご飯に、周防大島でとれる旬の魚と有機無農薬の米や野菜など食材にこだわった絶品料理が味わえる。湯船から眺める、美しい夕暮れの海も自慢!
[住所]山口県大島郡周防大島町横見139
[料金]一泊二食 12,000円/人(税別)
[ご予約・お問合せ]
TEL:070-2354-1478 ※電話での受付は営業日の10時~17時まで
メール:contact@ishinabetei.com
瀬戸内Finder編集部
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