児島といえば、国産ジーンズ発祥の地。ですが実は、古くから製塩業が栄えた地でもあるんです。
明治のころ、児島のまちに夢を求めて移り住んだのが、『塩尻喜月堂』の初代でした。
「アメやまんじゅうを作っていたんだけど、名前が塩尻で地元の特産が塩。塩を使ったお菓子を作ろうと考案したんですよ」と、三代目塩尻一喜さん(写真中央)。
大正生まれの『塩羊羹』。
日本銘菓大賞など数々の表彰を受けた佳品は、
素材にこだわり、生のにがりを含ませた地元産の塩と北海道産小豆などを使用。
普通、甘味に入れる塩は甘さを引き立てる程度。
でもこの塩羊羹は後を引くほど塩がきいているので、お茶請けはもちろん、「ワインのお供にもいい」(一喜さん)のだそう!
約100年間、当初のレシピを守り、いまは息子さんの公明さんが四代目を継いでいます。
なじみの装いは、児島のまちが描かれたこちら。
店舗は、地元のジーンズメーカーの直営店などが並ぶ『児島ジーンズストリート』の一角にあります。
観光客も多く、デニムの袋に入った一口サイズの『塩羊羹』が人気。
お店をリニューアルした昭和44年、店内に喫茶『エイト』も作りました。
岡山の老舗焙煎所の豆を愛用し、丁寧にドリップしたコーヒーは深く、まろやか。
羊羹を買ってここで食べるのがオススメ。
ほのかな苦味を持つコーヒーとの相性もバツグンです!
この店にはもう一つの、隠れ名物が。
それは、昭和初期のレトロかわいさを備えたランプなどの調度品です。
「お店の写真を撮らせてと頼む観光客の方も多いのよ」と一喜さんの妻 智恵子さん。
お店が繁盛した当時の話も聞きながら、港町のゆったりした時間が流れていきます。
郷土の歴史をまとう銘菓は、その地で食べると一段と深い味わいがあります。
ジーンズストリートにお越しの際はぜひ、立ち寄ってみてくださいね。
塩尻喜月堂
所在地/岡山県倉敷市児島味野2-3-19
定休日/月曜
営業時間/9:00-17:00
電話/086-472-2535
URL/http://www.shio-k.jp/
瀬戸内finderフォトライター ハタノエリ
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この記事を取材したフォトライター
ハタノ エリ
1978年宮崎県生まれ。愛媛県松山市在住。 新聞記者のちフリーライター。 日常にも、おもてなしの心があふれる愛媛。2年前、この地を離れても忘れられず、2017年春、戻ってきました!訪れたらきっと、大好きになる。そんな確信があるからこそ、誰かの「愛媛行き」を、グッと後押しする記事を書いていきたい。
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by 瀬戸内Finder 編集部