山口県下関市の東部に位置する長府。古代からこの地方の政治の中心であった城下町です。
そんな長府での歴史散歩の休憩におすすめなのが『長府毛利邸』。長府毛利家十四代当主の毛利元敏公によって、明治36年に建てられました。
見どころたっぷりの邸宅内
右側の入り口を抜けると、現れるのが素敵なアプローチです。生けてあるのは『ヤナギハナガサ』という夏の花。母屋の各所に飾られた野の花は、スタッフの方々により手入れされています。中には、地元の方のご好意で持ち込まれた花もあり、来る人の目を楽しませてくれます。
こちらは当時来客用として使われていた玄関です。襖絵は幕末・明治初期の日本画家である川端玉章によって描かれました。築100年以上経っても、色あせることなく美しく保存されています。さらに奥へ進んでいくと、素晴らしい景色が!
涼を感じる日本庭園
美しく手入れされた日本庭園。この日も多くの方が縁側に座り、暑さを忘れて癒しのひとときを過ごされていました。観光客だけではなく、地元の方も休憩に立ち寄られるそうです。
この緑を眺めながらいただきたいのが、お抹茶です。夏の間は冷やし抹茶も選べます。ほんのりとした抹茶の苦味と、和菓子のやわらかな甘さ。涼しい縁側の心地よさは一度座ったら、もう立ち上がれません!しばし時が過ぎるのを忘れて、一息。
全22部屋ある邸宅内を探検!
天井の高い書院の間。天気のよい日には、邸宅内のすべての戸が開け放たれます。部屋の両側に縁側があるので、どこにいても涼しい風が通り抜けます。クーラーでは味わえない、自然の風の心地よさと言ったら!ふと見上げると、こんなものを見つけました。
空を飛ぶ鶴が彫られた欄間です。それぞれの部屋ごとに竹、梅、川を流れる紅葉など、違った趣の欄間があり、細やかな装飾は見ているだけでも楽しめます。
明治天皇が御宿泊されたという『千鳥の間』には菊の花が。こちらは『釘かくし』と呼ばれる、建築時の釘を隠すための装飾です。長府毛利邸では、この他にも御当主の間や奥様の部屋、子供部屋などが公開されています。
庭園には様々な植物が手入れされています。夏の間、黄色い花を咲かせるコウホネの池には、美しく鳴くシュレーゲルアオガエルも生息しています。一部の場所を除き、庭園は降りて散策することができるので、是非近くで季節の植物を愛でてくださいね。
【おいでませ!山口】
●長府毛利邸
明治36年に毛利元敏公によって建てられた邸宅。四季折々で姿を変える美しい日本庭園が楽しめる。季節ごとに草木染めや絵付け体験、歴史を学べる講座など様々なイベントが開催されており、観光客だけでなく地域の方にも愛される人気スポット。
所在地/山口県下関市長府惣社町4-10(城下町長府バス停より徒歩10分)
開館時間/9:00~17:00(最終入場は16:40まで)
定休日/12月28日~1月4日
電話・FAX/083-245-8090
入場料/大人200円、小・中学生100円、団体料金(20名以上)大人160円、小・中学生80円
お抹茶/400円〜500円(時期によりお茶菓子が変わります)※無料でいただけるセルフサービスの緑茶も有り。
ホームページ/http://s-kanrikousha.com/mouriteitop.html
Facebook/https://www.facebook.com/長府毛利邸-515809811917602/
瀬戸内Finderフォトライター 武井奈々
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