重量1,700トンの『大天狗岩』。大坂城へ運んだ石垣の残石群も!/小豆島の大坂城石垣石切丁場跡(香川県小豆郡小豆島町)

瀬戸内海の“石の島”のひとつ・小豆島

小豆島は石材の産出が多く『石の島』としても有名です。
特に江戸時代初期に実施された大坂城の大改築では、石垣用の石として小豆島から多くの巨石が切り出され運ばれました。

小豆島の東岸から拝む朝日。小豆島の東側には播磨灘(はりまなだ)が広がります。
やや北方に家島諸島がありますが、この海域は淡路島までほとんど島もなく、大海原が広がります。
かつて、この穏やかな海を渡って大坂城まで石が運ばれていました。

小豆島東部の海岸沿いに、かつて大坂城の石垣用の石を切り出した石切丁場跡が点在していて、国の『史跡』に指定されています。
その中でも最大規模を誇るのが岩谷地区にある『天狗岩丁場跡(てんぐいわちょうばあと)』です。

海岸のすぐ裏手にある丘陵に遊歩道が整備されていて、竹林の中に続く道を歩いて登っていきます。

5分~10分ほど登ると、森の中にひときわ目立つ巨大な天然石が姿を現します。
これが『大天狗岩』です。

『大天狗岩』は推定重量が約1,700トンといわれ、高さ約17m、幅約8m、奥行き約12mの大きさ。
最近はパワースポットとしても脚光を浴びていますが、その存在感には圧倒されます!

この『大天狗岩』を取り囲むように遊歩道が整備されていて、岩のすぐ脇に続く階段を登っていきます。

周辺は『大天狗岩』のほかにも巨岩がゴロゴロしていて、このように岩のトンネルをくぐる場所もあります。

注目していただきたいのが、写真に赤矢印で示した岩の天井部分に刻まれた点線が続くような跡。
これは石を割るために開けた『矢穴』の跡で、ここが大坂城へ運ぶ石を切り出した採石場だったのです。

古人たちの浪漫が宿る、666個もの残石

周辺には『そげ石』(石垣用の石を切り出した跡)や、何らかの原因で大坂城へは運ばれなかった残石もたくさん見られます。
そうした石の総数は666個も確認されていて、まるで今にも石切りが始まりそうなほど、臨場感にあふれています。

こちらは筑前福岡藩の黒田家の刻印が入った『種石』(石垣用の石を切り出す前の状態の石)。
実はこの石切丁場では黒田長政・忠之父子が採石を担当していたことが明らかになっており、幕末まで同家がここに石番をおいて管理していました。

『天狗岩丁場跡』からやや離れた場所にも複数の石切丁場跡が点在しています。

こちらは『八人石(はちにんいし)丁場跡』にある巨石。石を割っているとき、8人の石工が犠牲になったという言い伝えが残る石です。
この巨石の周辺にも遊歩道が整備されていて、無数の残石群を見学できます。

瀬戸内海の島々は良質な花崗岩などに恵まれ、古くから石の産業が盛んな地域でした。
とりわけ、大坂夏の陣にて灰塵に帰した大坂城の再築に際しては、世界最大級の石垣を築くためにたくさんの石を搬出する必要があり、石の一大文化圏が形成されました。

小豆島東部に残る石切丁場跡は、そうした歴史のロマンを体感できるスポットの一つです!


大坂城石垣石切丁場跡(天狗岩丁場跡)
住所/香川県小豆郡小豆島町岩谷甲435
駐車場/あり(無料)
https://www.my-kagawa.jp/point/486

瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣

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松岡 広宣

松岡 広宣

松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/

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