キャンピングカー『ソーラーキング号』で日本全国を自由気ままに旅しながら、通算2,000ヶ所以上の観光地を撮影してきた松岡ヒロノブ。とくにお気に入りのシチュエーションは、様々な絶景スポットで出会う感動的な『夕陽』です。
瀬戸内海には美しい夕陽スポットが数多くあるといわれます。本特集は、フォトライター松岡が瀬戸内地域の夕陽名所を発掘し、その時々の季節や気象条件のなかで最適なタイミングを狙って感動的な夕景をものにしていくコーナーです。
人は生涯にいったい何回くらい夕陽を見られるのでしょうか?
そう考えると松岡はいても立ってもいられず、『夕陽ハンター』に変身してしまうのです・・・・・・
ギリシア風の風車が立ち、日本のエーゲ海とも称される『牛窓(うしまど)』の海辺。沿岸にはヨットがたくさん係留されていて、マリンクルーズも楽しめるレジャースポットとなっています。
また、牛窓は『日本の夕陽百選』にも選定されていて、瀬戸内を代表する夕陽名所としても知られています。
こちらは牛窓港のすぐ裏手にある『金比羅宮・荒神社』の境内から望む夕陽。
城山と呼ばれる高台の上に鎮座する神社で、眼下には牛窓の町並み越しに瀬戸内海の美しい多島美が広がっています。
牛窓には他にも小高い丘の上にいくつか寺社があり、例えば『天神社』の境内からも同じような夕景が見られます。
一方でこちらは『牛窓町フェリー乗り場』から見る夕陽。ちょうど日没間際にフェリーがやってきました。
このように牛窓の本土側から見る夕景はどれも素晴らしいものですが、夕陽がもっとも南側の位置に沈む冬季でも、すぐ手前に見えるやや高い陸地に太陽が沈んでいきます。
前年(2014年)の冬に何度か牛窓で夕陽を狙ったフォトライター松岡でしたが、自分が思い描いているような夕景をものにすることはできませんでした・・・
そこで今回は、牛窓港からフェリーに乗ってわずか5分で行ける離島『前島(まえじま)』に渡り、夕陽を狙うことにしました。
極上の夕景を見るためには、フェリー代も惜しまない!それが『夕陽ハンター』のモットーです!
『前島』には、江戸時代初期に大坂城を再築した際に石垣用の石を切り出した跡地がいくつか残っています。
東西に細長い島のほぼ中央に『大阪城築城残石群』の遺構があって、その山頂付近に絶好の夕陽ポイントがあるのです。
山の中腹までは車で行けますが、そこから遊歩道を15分ほど歩かねばなりません。
「もう、ちょっとよ」と書かれた看板に後押しされて、坂道を登っていきます!
そして、標高約130mにある3階建ての『前島展望台』に到着!
はたして『夕陽百選』にふさわしい夕景が見られるポイントでしょうか?
ドキドキしながら階段を登って3階へ。
デッキから日没の方角を見て、素晴らしい夕陽ポイントであることを確信しました!
期待に胸を膨らませながら、太陽が徐々に高度を下げるのを待ちます。
「さあ、今日はどんな素晴らしい夕景が見られるのかな!?」
ワクワクしながら様子を見ていたのですが、下にある雲がかなり分厚くて、太陽があっという間に雲の中に隠れていきます・・・
「え?わざわざフェリーに乗って、山道も歩いてきたのに、もう終了??(涙)」
でも、『夕陽ハンター』は簡単には諦めません!
幸いにも陸地付近には雲の隙間があって、再び太陽が雲の下から現れました!
左側に見える細長い島はアートの島としても有名な『犬島』。
右側には『前島』のすぐ沖に浮かぶ『黒島』が見えています。
冬季にだけ見られるという『犬島』と『黒島』の間に沈む夕陽。
この夕景が見たくて、はるばるここまでやって来たのです!
~ 夕陽ハンターのサンセット豆知識 ~
地上すれすれの低い位置に雲の隙間があった場合は、夕焼けが紅く染まりやすく、幻想的な色彩の夕景になります。
分厚い雲が広がり、今日の夕陽はハズレかと一瞬不安になりましたが、たまたま日没の位置に雲の隙間があってラッキーでした!
「もう少し雲が少なかったらより良かったのに・・・」などと、欲を言えばキリがありませんが、毎回どんな条件に巡り合えるか分からないのも、夕陽を追いかける醍醐味の一つ!
再び雲の中へ太陽が沈んでいきます。
多島美と共に見られる、瀬戸内海特有の素晴らしい夕景をものにできました!
『牛窓』の夕景を追い求める、2年越しの『夕陽ハンター』劇。
夕闇が迫る中、感動の余韻に浸りながら下山を開始しました・・・
◇牛窓の夕陽(前島・大阪城築城残石群の展望台)
所在地/岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓6356-59
駐車場/あり(無料)
http://www.ushimado.info/spot/detail.php?id=9
http://www.area-best.com/yuhi/yuhi100/72setouchi.htm
◇前島フェリー
所在地/岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓5662-4(前島フェリー発着所)
旅客運賃/大人:240円 小人:120円 (※往復料金)
自動車航送運賃/4m以上5m未満:1,360円 など (※往復料金、車種によって料金に変動があります)
http://www.maejima-island.info/
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣
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この記事を取材したフォトライター
松岡 広宣
松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/
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