■すだちがないと物足りない県民性
徳島を代表する柑橘・すだち。爽やかな香りと上品な酸味は、高級品として料亭などで珍重されています。お中元で「箱入りをもらったことがある」という人もいるのでは?
徳島県民にとって、すだちは食卓に欠かせない食材。焼き魚にすだちは定番ですが、漬物に搾ったり、輪切りにして2~3枚、みそ汁に入れるとすっきりした味わいに。徳島の特産品・和田島ちりめんとも好相性で、キリリとしたすだちの酸味がアクセントになり、旨味をいちだんと引き立てます。
酢物やマリネにもすだちは欠かせません。酢+すだち果汁の組み合わせが、酸味に奥深さを与え、一層おいしく仕上がります。夏のお昼ごはんには、輪切りにしたすだちをたっぷり乗せて楽しむ『すだちそうめん』や『すだちうどん』はいかが?涼感あふれるビジュアル、ほどよい酸味と出汁の塩分に夏の疲れが癒されます。すだちは果汁だけでなく、皮の部分にもビタミンCが豊富なので、すりおろして薬味としても使えますよ。
■塩すだちも作ってみて!
春頃からハウスすだちが出はじめ、夏になると露地ものがたくさん出回ります。露地ものは安く手に入りますが、徳島県民はすだちをもらう機会も多く、さすがに一度には使い切れないため、果汁だけを搾って保存します。そのため専用の搾り機がある家も。昨今、『塩レモン』ブームもあって、長期保存のため『塩すだち』を作る人もいます。私も便乗して作ってみました。
=========☆塩すだちの作り方☆=========
【材料】
・黄色くなったすだち 1kg
・塩 150g~200g
※緑のすだちより、黄色くなったすだちを使うと水分が出やすく、うまく仕上がります。塩はすだちの重さの15%~20%程度。
【作り方】
1.すだちをキレイに洗い、適当な大きさに切る。
2.煮沸消毒した容器に塩→すだち→塩→すだち…と重ねる。
3.日が経つと水分があがってくる。1ヵ月くらいで完成。
使い方も『塩レモン』と同じ。肉や魚を焼くときに、塩すだちを使うと柔らかく仕上がります。塩すだちは常温で保存可能。冬場は鍋物のつけダレとして使ってもおいしいですよ。
今年の夏は、ぜひ、すだちで一品作ってみて下さいね。
瀬戸内Finderフォトライター 飛田久美子
この記事が役に立ったらいいね!してね
関連キーワード
この記事を取材したフォトライター
飛田 久美仔
飛田久美仔(とびたくみこ) 1973年生まれ。 徳島県在住。 徳島県の出版社で10年以上勤務し、月刊誌の編集長を務める傍ら、MOOKや企業のパンフレット、HPなどの制作に携わる。2014年12月よりフリーのライター兼編集者に。美味しいもの、楽しいこと、新しいものはいち早く知りたいタイプ。自分史や自費出版の編集、電子書籍なども気軽にご相談を! 2015年4月より地域おこし協力隊として、移住対策と地域資源の活用がライフワーク。
Hashtags
旬のキーワード