昔から変わらぬ味を守り続ける。四国霊場51番札所石手寺の名物『おやき』/五十一番食堂(愛媛県松山市)

愛媛県松山市にある、四国八十八ヶ所51番札所『石手寺(いしてじ)』。
奈良時代、聖武天皇の勅願所として薬師如来を本尊に開基された由緒あるお寺。
道後温泉からも近く、一年を通して沢山の人が訪れます。

2016年、四国八十八ヶ所は、60年に一度の特別な『逆打ち』の年。
通常お遍路は1番から巡りますが、最後の札所88番から87、86…と、逆回りで巡ることを『逆打ち』と言います。
4年に一度の閏年の年は、逆打ちをすると願いが叶うと言われていますが、今年の干支『丙申』の年はその中でも特別な年。

石手寺は元々『安養寺』という名前でしたが、お遍路さんの由来、『衛門三郎伝説』の衛門三郎が生まれ変わった時に握っていた石を納めて現在の名前になったとされています。
衛門三郎伝説は、『お遍路さんに出かけたらぜひ立ち寄りたい伝説の地/杖杉庵(徳島県)』で詳しく説明していますのでぜひご覧ください。
衛門三郎は空海に会うために四国八十八ヶ所を20回も回りましたが出会えず、21回目、逆に回った際についに出会うことができました。
その伝説から、今年はいつもの3倍の功徳が得られると言います。

今年は特別な年だから、お遍路さんに出かける人も多いそう。
今回はそんなお遍路さんのために、石手寺の名物、『お遍路に行ったら一度は食べてみたい人気の和菓子』をご紹介します。

創業明治2年の五十一番食堂。
ここで昔から変わらぬ味と製法で作られている『やきもち』。別名『おやき』。
縁起餅として、地元の人々や、お寺を訪れる人に親しまれています。
昔この辺りは稲を育てている人が多く、石手寺に米を奉納していました。
農家さんたちが、作ったお米を有効活用するためにやきもちを焼いたことが始まりとされています。

一つひとつ、柔らかく仕上がった生地にあんこを乗せて包む。

51番札所石手寺の『51』の印を押し受け継がれた鉄板で焼く。
市販のお菓子が主流の今の時代、こうして昔ながらの製法で作るおやつは、見ているだけで懐かしくほっとした気持ちになります。

味は、米粉のみと国産のヨモギを使った二種類。
体にもとっても優しい。
こんがりと焼き色がついてくると、香ばしい甘い香りが…
香りに誘われてついつい足を止めてしまいます。

モチモチの食感、ほどよい甘さの餡。
疲れた体も癒される、優しい味。
ついつい何枚も食べてしまいます。

焼いている側の椅子に座って、ほっと一息。
やきもちと一緒にいただいたのは、ほんのり甘い甘酒です。
決して贅沢ではありませんが、心安らぐひと時。

140年受け継がれた味が今も訪れる人たちの心を癒します。
家で待っている家族や、大切な友達へのお土産にも…。
一生に一度は、お遍路。
そして、石手寺のやきもちを食べてみてください。


五十一番食堂
住所/愛媛県松山市石手2-9-21
電話/089-977-3003
営業時間/8:00~17:00
定休日/不定休
駐車場/有
https://www.iyokannet.jp/spot/875
瀬戸内Finderフォトライター 大橋麻輝

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