瀬戸内を代表する海の祭典!江戸時代から続く勇壮な伝統神事『櫂伝馬競漕』/ひがしの住吉祭(広島県大崎上島町)【PR】

「生意気な口を叩くなら、櫂伝馬(かいでんま)で勝ってからにせい!」

瀬戸内海に浮かぶ離島、大崎上島(おおさきかみじま)。この島の若い衆にとって一年がこの日に集約され、この日から次の一年がはじまると言っても過言ではありません。
島の3大夏祭りの一つにして、江戸時代から続く最古の伝統行事『ひがしの住吉祭』。この祭りで古くから争われてきた和船の競漕が冒頭のそれ!
大崎上島の誇りであり、島の代名詞『櫂伝馬競漕』です。

江戸時代から続く櫂伝馬競漕とは?

8月13日、朝。広島県・竹原港からフェリーでおよそ30分。熱戦の舞台になる大崎上島・白水港に向かいます。

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道中、はるか遠くに一風変わった船団が見えてきました。大きな船は『御座舟』といって神様をのせた船。そして色とりどりのハッピに身を包んだ、ひと際目立つ4艘の船こそ、今日の主役『櫂伝馬船』です。
じつはこれ『御座舟曳航』といって、神事のまっ最中。派手なレースばかりに目がいきがちですが、櫂伝馬は古式にのっとり重要な役割を担う船。その競漕もまた神様に奉納される伝統神事なんです。

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いよいよレース本番! 大崎上島東野の4地区を代表する『水夫(かこ)』と呼ばれる漕ぎ手が船に乗り込みます。観客は防波堤までギッシリ。息を呑む緊迫した空気のなか、レースの火蓋が切って下ろされました!

大崎上島名物!櫂伝馬競漕の神髄

スタートの合図とともに4艘の船が生き物のように躍動しはじめます。

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競漕は全5レース。コースも毎回変わり、最長で2km!
1レースで消耗する体力はフルコートのサッカー1試合分! それを一日で5レース行うというのだから、生半可ではありません。この日のために練習を重ね、手の豆を何十もつぶして一世一代の大勝負に望みます。

櫂伝馬はかって海賊(のち小早川水軍)が早船として使用した和船。戦国時代、瀬戸内海を縦横無尽に駆け回っていた船がこれ。力任せに漕ぐのではなく、14人の漕ぎ手が太鼓の音頭にあわせて呼吸を合わせる。一人でも乱れると船の速度は失われます。

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こればかりは実際に漕いでみなきゃ分かりません。ということで、各レースの合間(全4回)に行われている櫂伝馬体験乗船に参加。なかに熟練の漕ぎ手が加わり、漕ぎ方を教えてもらえます。

沖に出ると、潮の変わり目がはっきり分かります。陸からは同じように見える穏やかな海も、あるポイントから潮の流れが変化しています。この潮目を読み、潮流を味方につける船頭のコース取りが勝敗を分けるとか。奥が深い!

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体験乗船では沖で船にのったままレース観戦も。選手の息づかいまでが聞こえ、陸から見るのとは迫力が違います。港に戻ったときには汗びっしょり、手には早くも豆が2つ。体験前と後では、レースの見方が一変しますよ!

レース後も大暴れ!櫂伝馬の夜の顔

全5レースが終了し、今年の勝者が決定! 最終レースまでもつれこんだ接戦を制したのは古江地区!!

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櫂伝馬の役目はこれで終わりではありません。閉会式が終わるや否や、朝と同じように御座舟を先導する『御座舟曳航』の神事へ。

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各地区の神社で祝詞をあげ、もといた住吉神社に神様をお還しする『還御』まで、丸一日ずっと櫂を握り続けます。
すべての神事が終わると、あたりは夕暮れ。漕ぎ手の若者衆もここでようやくお役御免。『ひがしの住吉祭』になだれ込みます。

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優勝した古江地区の櫂伝馬船が赤い花火を手にもうもうと煙をはきながら、湾内をぐるぐると駆け巡ります。ほかの3艘も加わり、祭りは最高潮!そして祭りの締めくくりはやっぱりこれ!!

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火の粉が降ると言われる超至近距離での海上花火大会!!
火照った身体を投げ出し、頭上を見上げる島の男たちの表情もこのときばかりは穏やか。最後の大輪花が夜空に散ると、長かった一日も終わり。そしてこの瞬間から、来年の櫂伝馬競漕に向けての長い一年が始まるのです。


ひがしの住吉祭(櫂伝馬競漕)

航海の神様を祀る住吉神社の夏祭り。江戸時代から櫂伝馬競漕が行われ、大崎上島東野4地区から選出された4艇が地区の威信をかけたレースを争う。『漕ぎ手』や『船頭』『太鼓打ち』など18人が乗り込み太鼓を鳴らし、かけ声を上げ、勇壮に船を操る様は水軍の栄華を彷彿とさせる。夜にはかがり火が焚かれ、御本船、御供船の赤提灯が夜の海に映るなか、約3000発の海上花火が打ち上がる。

ひがしの住吉祭(櫂伝馬競漕)開催日:毎年8月13日

http://kaidenma.jp

瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史

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