手刺繍で描く花や海。弓削島の手仕事、『ゆげ手まり』/ゆげ手まり(愛媛県越智郡上島町)

大切な人に思いを込めて、ゆげ手まり。

愛媛県の離島、弓削島の明神地区。

Ftemarisari

平安時代の名書家として『三蹟』のひとりに上げられる藤原佐理の石碑近くに、『ゆげ手まりグループ』の工房があります。

弓削島の手まりはもともと、12月初旬に行われる行事、亡くなった方が初めて迎えるお正月『巳午(みうま)』の際に飾られたもの。大切な人のために、島の女性たちは思いを込めて手まりを作ってきました。

菊、紫陽花、花火。手刺繍の美しさ。

ゆげ手まりグループの教室が始まってから今年で約15年。週に一度は40代から90代のメンバーが工房に集まり、テーブルを囲んで手まりをかがります。
「たとえ一針一色違っても世界にひとつのものになる。どれも同じものじゃないのが一番の魅力じゃねえ」
おしゃべりしながら笑い合いながら、工房での時間はゆったりと過ぎていきます。

FtemariSeisaku2

手まりは芯となる球体に糸を巻き、主に金糸でほどこした『地割』に沿って、ひと針ひと針手刺繍し、完成させていきます。

Ftemariajisai

たとえばアジサイの模様。万華鏡のような美しさを見せてくれます。

Ftemariasagao

清廉なアサガオ。早朝の澄んだ空気も伝わってくるようです。

Ftemarihimawari

お日様みたいなヒマワリ。こんなポップなカラーもまた魅力的。

Ftemarihanabi

海上で開く花火。交差する波が美しい瀬戸内の海が、刺繍によって繊細に表現されています。

Ftemaribara

モダンな薔薇模様は、大切な人の特別な日のプレゼントに送りたくなる一品。

Ftemarikiku

こちらは菊花。秋の朝露に濡れたように光る、繊細な花びらを思い出させます。

暮らしの中の自然を見つめて。

「花びらのピンク、葉の緑、空の青。色選びに迷った時には、普段目にする色を思い浮かべるといいんよ」と、グループの方が教えてくださいました。
手まりの球体に映し出されるのは、島暮らしの中で触れる美しい自然でもあるのかも知れません。
いつまでも手に取って見つめていたくなる離島の手仕事。おひとつ、いかがですか?


ゆげ手まりグループ
連絡先:yugetemari@gmail.com
※手まりひとつ1500円~。お値段は刺繍の種類や芯の大きさによって変ります。
※弓削島内では弓削港から徒歩3分、シーサイドモール内『おいでんさい』(愛媛県弓削下弓削1037)で販売、通販をご希望する場合はメールでお問い合わせください。

瀬戸内Finderフォトライター 増田 薫

大きな地図を見る>

この記事が役に立ったらいいね!してね

関連キーワード

関連記事

この記事を取材したフォトライター

増田 薫

増田 薫

愛知県岡崎市出身。ライター/詩人。 詩とエッセイのワークショップ『ほし紡ぎ/https://hoshitsumugi.wordpress.com/』運営。 東京、神奈川での学生/社会人生活を経て、夫と息子、家族3人で四国へ引っ越し10年目になりました。愛媛県の島々を中心に、地元に息づくとっておきのスポットをひとつひとつ丁寧にレポートさせていただきます。 愛媛、素敵なところです。どうぞいらしてくださいね。

「アート」のランキング

「アート」の記事はまだまだあります

アート一覧

Features

特集

特集一覧
PAGE TOP