愛媛県、佐島のゲストハウスへ。
愛媛県、佐島。コンビニも無い小さな離島ですが瀬戸内サイクリングの拠点として注目され始めています。
しまなみ海道・因島からフェリーですぐ渡れることでも人気のスポットです。
そんな佐島の港に降り立つとこちらを見つめて微笑む人が。
『汐見の家』管理人の富田桂子さんです。オーストラリアなど海外のゲストハウスで働いたのち佐島に移り住みました。
「時間があればできるだけお出迎えします。お客さまとお話する時間が持てたら嬉しい」
桟橋の上、桂子さんのさわやかな笑顔で汐見の家のおもてなしは始まります。
汐見の家は日系1世のロバート汐見氏が戦後に生家を建て直したもの。ながらく空き家になっていましたが、子孫の西村暢子さんが建築家や陶芸家、島の人々など、100名以上の方の協力を得てリノベーション。日米親善につとめたロバート氏の志を受け継ぐかたちで、国内外の人々が集うゲストハウスとして生まれ変わりました。
和/洋の美。古民家リノベーション。
汐見の家の門をくぐり、近所の方から贈られたピアノが置かれた土間から室内に上がると…、
縁側から差し込んで来る柔らかな日差しが心地よい、18畳の和室が広がります。
建具の装飾はため息をついてしまうほどに繊細です。たとえばガラス戸の上でクロスする格子。
まるでお花のようなドアノブはロバート汐見氏が取り寄せた舶来のお品。
朝の掃除の折にオリーブオイルで磨くという廊下から、汐見氏親族の在英ガーデンデザイナーが佐島の里山をテーマにリデザインした庭へ降りることも。
汐見の家では、和の美と異国情緒がともに息づいているのです。
『汐見の家』の、小さな魔法。
そんな汐見の家には国内からはもちろんヨーロッパからのサイクリストも訪れるそう。
「以前フランスからお客様が見えた時には偶然フランス語が得意な別のお客様が宿泊なさったり…」
なぜか『合う』人同士が同じ時に泊まる、そんなちょっと不思議な出来事がここでは度々あるのだとか。
汐見の家で人気!『シェアご飯』。
そして夕方になれば、希望するお客様には桂子さん家族や汐見の家スタッフと一緒に食べる『シェアご飯』への参加も可能!
食卓の上に並ぶのは『その時あるもの、食べたいもの』。
自家栽培の畑で採れた野菜や近所の方からのおすそわけも交えていただきます!
食後のおすすめは五右衛門風呂。
自分で火をおこして沸かせられるのが何とも楽しい。薪で温めたお湯はなぜか体の芯まで温まるんですよ。
「お店も遊びに行く場所もない佐島では夜は『眠る準備をしていく』大切な時間です」
桂子さんが教えてくれました。
大切な家族のもとに訪れるように。
ご飯を食べて順番にお風呂へ入りお喋りしながら眠る…。汐見の家にはそんな、昔々の家族たちが過ごして来た、愛しい時間があるのです。
たとえ今、どの国、どんな街に住んでいても。
汐見の家は「ただいま」と訪ねて行くことのできる『懐かしい』場所なのかも知れません。
古民家ゲストハウス 汐見の家
住所/愛媛県越智郡上島町弓削佐島299
電話/0897-72-9800
ネット予約/http://shiomihouse.com/reservations/
http://shiomihouse.com/
https://www.facebook.com/shiominoie/
瀬戸内Finderライター 増田 薫
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増田 薫
愛知県岡崎市出身。ライター/詩人。 詩とエッセイのワークショップ『ほし紡ぎ/https://hoshitsumugi.wordpress.com/』運営。 東京、神奈川での学生/社会人生活を経て、夫と息子、家族3人で四国へ引っ越し10年目になりました。愛媛県の島々を中心に、地元に息づくとっておきのスポットをひとつひとつ丁寧にレポートさせていただきます。 愛媛、素敵なところです。どうぞいらしてくださいね。
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