神戸・須磨海岸から徒歩圏内の源平合戦ゆかりの古刹は『おもろいもん』の宝庫だった/大本山須磨寺(兵庫県神戸市)

神戸の歴史旅は『源平の庭』の名場面から

神戸・須磨は歴史深く、『源氏物語』の舞台になったことでも知られます。

886(仁和2)年に聞鏡(もんきょう)上人によって開かれた須磨寺には、平安末期の源平合戦で源氏方が陣を構えていました。
1184(寿永3)年の『一の谷合戦』でのことです。
境内には、『平家物語』や歌舞伎、文楽の題材としてあまりにも有名な悲話が再現されています。

左に平清盛の甥である平敦盛(たいらのあつもり)、右に源氏方の熊谷直実(くまがいなおざね)。
源義経の奇襲によって打撃を受けた平家方の兵が海へ逃げる中、直実は沖に向かう若い武将を見つけて「敵に後ろを見せるのは卑怯でしょう。返せ、返せ」と叫びます。それに振り返り、馬を戻した敦盛。
これが『源平の庭』に再現されているシーンです。

一騎討ちの末、敦盛は直実に首をはねられます。
この場面は、是非『平家物語』を読んで味わってみてください。

須磨寺名物!?ユニークな仕掛けを探して

敦盛の首塚や遺品である『青葉の笛』が残され、源平を偲んで芭蕉や子規も訪れた須磨寺。

悲しい雰囲気がただよっているのかと思いきや、何やら不思議な仕掛けがあちこちに目につきます。
前管長が大人も子どもも楽しみながら参詣できるようにと設置した、通称『おもろいもん』です。


こちらは、わらべ地蔵。またの名を、かわいい六地蔵さん。
ピースサインをしているお地蔵さんって、珍しいですよね。
みんなのお願いごとに耳を傾け、一緒に考え、一緒に拝んでくださったお地蔵さん。
左のお地蔵さんはピースで解決を喜び、右のお地蔵さんは「あー、やれやれ」と伸びをしているんだそうです。

必見は、三猿ならぬ五猿。
おさるさんの頭をなでると手が動く仕掛けになっていて、なんともほのぼのとした気持ちになります。
『まんまんちゃん』は関西地方で仏さまを意味する幼児語ですが、よく読めば大人の心にこそ響く言葉です。

国際都市神戸に開くネパールの祈りの場

センサーで動く『おもろいもん』に心が温まったところで、体も温まるお堂を紹介しておきましょう。

写経輪堂。
1周させると1回写経したことになるそうです。
写経に値するとあって、1人でまわすのは結構重い!体重をかけて、ゆっくりと1周してみてください。

須磨寺の門前参道には、異国の香り漂う新しい祈りの場があります。
アジア各地の神仏の石像を集めた『祈りの回廊・亜細亜万神殿』です。
ネパールと縁のある須磨寺によってネパール風の殿舎が建てられ、2016年4月、ネパール大地震から1年にあたる日にその完成が祝われました。
首都カトマンズのスワヤンブナート寺院を模した仏塔の周りに摩尼車(まにぐるま)が置かれ、瞬時に5000kmを旅したかのような錯覚に陥ります。

須磨離宮公園や須磨のビーチにとても近いことを忘れてしまいそう。
心が軽やかになるお寺で、一味違った神戸観光を楽しんでください。


大本山須磨寺(上野山福祥寺)
所在地/兵庫県神戸市須磨区須磨寺町4丁目6-8
最寄駅/山陽電車『須磨寺』またはJR『須磨』
電話/ 078-731-0416
URL/http://www.sumadera.or.jp/
拝観料/無料
拝観時間/8:30~17:00(亜細亜万神殿は9:00~17:00)

須磨駅への交通情報

瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか

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堀 まどか

堀 まどか

堀 まどか/フォトライター 兵庫県生まれ、在住。実務翻訳、外国人起業家支援、通訳案内士(英語)、そしてフォトライター。 ネットマーケティングの外資系スタートアップで進行管理や顧客サポートを担当。 2011年から、フジサンケイビジネスアイ掲載の週刊コラム『ITビジネス最前線』を英日翻訳しています。 日常の風景や旅先で出会った人の表情など、心に触れるものを写真におさめています。瀬戸内のスポット、暮らしぶり、季節感、食を私目線で切り取ります。 写真ブログ http://riderv328.tumblr.com ツイッター https://twitter.com/Riderv328

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