瀬戸内海の景色を楽しみながら城跡や灯台を巡るトレッキング!/引田城跡と引田鼻灯台(香川県東かがわ市)

引田の町からも近いトレッキングコース

香川県の最も東に位置する『引田(ひけた)』は瀬戸内海に面した町で、地形的に風が遮られる場所だったため平安時代から『風待ちの港』と呼ばれ、天然の良港として知られていました。

その風を遮る役割を果たしていたのが、瀬戸内海に突き出した半島である『引田鼻』。
引田鼻には標高約82mの城山を中心に引田城跡や引田鼻灯台などを巡るトレッキングコースが整備されていて、瀬戸内海の景色を満喫しながら軽登山が楽しめます。
登山口は南北に2ヶ所あるのですが、今回は南側から登ることにしました。それでは出発!

森の中をジグザグに折れながら、やや急な登山道をしばらく歩いていくと、突然視界が開けます。
まだ登りはじめですが、美しい景色が目に入り思わず足を止めて休憩!(笑)

ここからは眼下に引田の町が一望できます。
今まさに登っているこの山が北からの海風を遮ることによって、引田の町が天然の良港として栄えたわけですね。

ここから先は比較的なだらかな尾根伝いの道を登っていきます。しばらく進むと『引田城跡』の遺構の一つである『狼煙台』に到着。
引田城は古代から戦国時代にかけて重要な役割を果たした城でした。

引田城跡を探検!

引田城の歴史はかなり古く『大化の改新』で知られる天智天皇の時代(667年)に『屋嶋城(やしまのき)』と共に築城されたと推定されています。先ほど通った狼煙台は、本城である屋嶋城との連絡のために用いられたそうです。

登山道をさらに進むと『本丸跡』に至ります。この石垣は引田城跡で最初に築かれた石垣と考えられています。
引田が港町として栄えた平安時代以降も、瀬戸内海の要塞の一つとして代々の城主により改修が加えられ、近世の城として整備されていきました。

本丸跡から見下ろす引田の町並み。ここは城主の権力を示すのに適した場所で、櫓(やぐら)も建造されました。
引田城は戦国時代に長宗我部氏と豊臣秀吉との戦いの舞台の一つとなりましたが、やがて一国一城令によって廃城となります。

さらに先へ進むと、ついに城山の山頂に到着!標高約82m、登山口からの所要時間は30分ほどです。
しかし、ここがゴールではありません。山頂からいったん峰を下り、さらに東側にある半島の先端を目指します!

半島の先端に立つ引田鼻灯台へ!

先ほどの城山山頂からさらに15分ほどアップダウンのある森の中を歩いていくと『引田鼻灯台』が見えてきます。

この灯台は昭和29年に設置されたもので、現在も引田港に出入りする漁船の重要な道しるべとなっています。
引田城跡の遺構はこちらにもあり、灯台の裏手にある坂道を登っていくと『東の郭』へ至ります。(本丸があったのは『南の郭』)

坂を登りきって『東の郭』に到着!眼下に引田鼻灯台や沖に浮かぶ島々、遠くには四国の陸地から遥か淡路島までを一望できます。
ここは『物見台』が置かれ、瀬戸内海を航行する船舶を監視していたと考えられています。

他にトレッキングコースは半島の西側にも続いていて、『北の郭』では長大な石垣群も見られます。

引田鼻は『江戸時代の豪商屋敷』など古い町並みで知られる引田の市街地からも近く、気軽に登れるトレッキングコースが整備されています。
引田へお越しの際は、瀬戸内海の景色と共に歴史のロマンも感じられる軽登山を楽しんでみませんか?


引田城跡と引田鼻灯台
所在地/香川県東かがわ市引田2930
最寄り駅/JR高徳線 引田駅
駐車場/あり
http://www.hnt.or.jp/sightseeing/hiketajo/
引田駅への交通情報
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣

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松岡 広宣

松岡 広宣

松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/

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