甦った幻の古代山城『屋嶋城』
屋島(やしま)は源平合戦の舞台として全国的に名が知れている歴史スポットですが、それよりも遥か昔の時代に城が築かれていたことをご存知ですか?
屋嶋城(やしまのき)は『大化の改新』で有名な中大兄皇子(後の天智天皇)が唐と新羅の侵攻に備え、対馬・九州から瀬戸内海沿岸にかけて築かせた古代山城のひとつ。
667年に築かれたことが『日本書紀』にも記されていましたが、その実体はよく分からず長らく謎に包まれた城でした。
しかし、1998年に屋島の南嶺山上部において石積みが発見されたことを契機に発掘調査が行われ、2002年の城門遺構の発見によって屋嶋城が実在していた事が証明されました。
調査結果に基づいて進められていた城門遺構整備事業も完了し、2016年3月19日から一般公開されています。
屋島山上にある駐車場から南方へ約15分ほど散策道を歩いていくと、屋嶋城の城門遺構が見えてきます。
屋嶋城は断崖絶壁を最大限利用した古代山城で、城壁の9割程は天然の崖でした。地形的に敵の侵入を受けやすい場所にはこのような石積みの城壁と門を築いて防備を固めたのです。
調査によって高いところでは6mにもおよぶ巨大な城壁が築かれていたことが分かりました。淡い茶色の石が発掘された石積みの現物で、黒もしくは灰色の石が新たに加工して補ったものです。
スマホをかざせば古代の景色が見られる!
事前に『甦る屋嶋城』アプリをスマートフォンやタブレット端末にダウンロードしておけば、現地でAR(拡張現実)で再現した古代の城門を甦らせることができます。
アプリ内に示されている敷地マップのポイントに移動してスマホをかざせば、古代にタイムスリップ!
スマホ画面を通じて古代の城門を見られます。この時代には屋島は陸続きではなく島だったため、現在は市街地が広がっている場所も海に囲まれていました。
別のポイントに移動すると、古代の戦闘も体験できます!
守備隊の人数はもっと多かったのではないかと思われますが…(笑)
城壁の下から見上げる城門。かつては城門にはハシゴをかけて出入りをして、有事の際には外していたと考えられています。
城門を真下から見ると迫力がありますね!
その他、城門のある位置でスマホをかざせば太い柱に入ったヒビが見えたり、門の窓から大海原を眺めることもできますよ。
夕方前に訪問して屋島の夕陽も鑑賞!
屋嶋城の城門遺構は南西向き斜面に整備されていますので、午前中よりも午後に訪問するのがオススメ。
屋島は瀬戸内を代表する夕陽と夜景の名所としても知られていて『日本の夕陽百選』『日本の夜景百選』の両方に選ばれています。
屋嶋城へ夕方前に訪問すれば、ちょうど帰りに夕陽が見られる時間帯になっているかも。『獅子の霊厳』から見る夜景も素晴らしいです!
屋島山上では『源平合戦にまつわる名所』や名物グルメ『いいだこおでん』も満喫できます。
屋島へお越しの際は、新たに整備された古代の歴史スポット『屋嶋城』をお見逃しなく!
古代山城 屋嶋城(やしまのき)
所在地/香川県高松市屋島東町屋島山上
最寄り駅/琴電屋島駅あるいはJR高徳線 屋島駅
電話/087-823-2714(高松市埋蔵文化財センター、平日の8:30~17:15)
駐車場/あり ※屋島ドライブウェイ(有料)の山上駐車場(駐車料金は無料)
http://www.my-kagawa.jp/point/2484/ (アプリのダウンロード案内もあります)
屋島駅への交通情報
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣
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この記事を取材したフォトライター
松岡 広宣
松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/
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