観光というと、美食と名所がセット。最近ではインスタ映えする写真をもとめ、遠方へ行く人もいます。
しかし!何もせず、ひとりになってゆっくりする旅もあっていいんじゃないでしょうか?
言うならば、『実家に帰る』『ばあちゃんちへ行く』ような気楽な旅。
素の自分でいられて、存在を気にかけつつも、ほっといてくれる場所…。
そんな宿が『ハピネス白沢』です。
地図にない村『白沢村』へ行ってみよう!
JR山河内駅から国道55号を高知方面に向かい、山河内トンネルを抜けると、『錦鯉 白沢村』の看板が立っています。
『ハピネス白沢』へはここを左折します。
『白沢村』は、地図に載っていません。
…というとミステリアスで、意味ありげに聞こえますが、地元のおじさんが地域を盛り上げようと、白沢地区を自称『白沢村』として、自分の田んぼで大量の錦鯉を飼っていたり、芙蓉の花を植えたりして、観光名所をこしらえています。
これが錦鯉の池。田んぼを池がわりに使っているので、かなり広い。
中に入って餌も自由にやってよし。
鯉は人が近づくだけでよって来ます。
手づかみできそう……。
その近くにあるいい感じの古民家が『ハピネス白沢』です。
旅人目線で、「あったらいいな」を提供
これ、見覚えありませんか?
2003年放送のテレビドラマ『すいか』に登場する『ハピネス三茶』に憧れるオーナーの伊勢加奈子が、命名しました。
このポストもドラマに登場する『ハピネス三茶』の門にそっくりです。
『すいか』は木皿泉脚本、出演・小林聡美、ともさかりえ、市川実日子、浅丘ルリ子、小泉今日子、片桐はいりといった豪華キャストが織りなす秀作。
個人的には大好きなドラマだったんですが、視聴率はそれほど高くなかったと思います。
『すいか』のように『ハピネス白沢』も、万人ウケする宿ではない、ということを先に言っておきます。
オーナーの伊勢さんは旅好きで、学生時代からバッグパックで日本中、あちこち一人で旅してきました。
男性と違い、女一人は宿から敬遠されることが多く、泊めてもらえないこともあったそうです。
その経験から、女性の一人旅を応援したいと、女性が一人でも泊まれて、気兼ねなく滞在し、好きなだけぼーっとできる黄昏宿を始めました。
部屋は和室とロフトのある洋室の2つ。
大きくは大工さんが修繕し、細かなところはセルフビルドで仕上げました。
宿はFree WiFiですが、部屋にテレビやラジオはありません。
鳥のさえずりやコポコポ流れる川の音が、音楽。
近くを散歩できるよう、手書きの地図も用意してあります。
日本各地を旅する中で、大きな別荘地やペンション街もなく、手つかずの自然が多く残る徳島にひかれ、この場所で民宿を始めた伊勢さん。
旅人目線で、あったら嬉しいサービスを提供しています。
そのひとつが、珈琲。
コクがあって、酸味がまろやかなオリジナルブレンドを井戸水で煎れてくれます(テイクアウトもあり。一杯300円)。
なんだかモヤモヤして、疲れがたまっている人は、この縁側で黄昏てみて。
星は降るように美しく、夏はほたるも飛びます。
仕事から離れ、自分をいたわる時間を『ハピネス白沢』で過ごしてみませんか?
ハピネス白沢
所在地/徳島県海部郡美波町山河内字白沢20-5
最寄り駅/JR山河内駅
料金/1名6,500円(1泊2食付)、素泊まり5,000円 ※女性を含む1~3名宿泊可能(大人のみ)
チェックイン16:00~、チェックアウト9:30
電話/0884-70-1348 (8:00~20:00)
コーヒーのテイクアウト
日・月曜 10:00~14:00(悪天候の場合は休み)
https://www.happiness-hakusawa.com
山河内駅への交通情報
瀬戸内Finderフォトライター 飛田久美子
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この記事を取材したフォトライター
飛田 久美仔
飛田久美仔(とびたくみこ) 1973年生まれ。 徳島県在住。 徳島県の出版社で10年以上勤務し、月刊誌の編集長を務める傍ら、MOOKや企業のパンフレット、HPなどの制作に携わる。2014年12月よりフリーのライター兼編集者に。美味しいもの、楽しいこと、新しいものはいち早く知りたいタイプ。自分史や自費出版の編集、電子書籍なども気軽にご相談を! 2015年4月より地域おこし協力隊として、移住対策と地域資源の活用がライフワーク。
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