天守から『しまなみ海道』も望める、瀬戸内海に面した『日本三大水城』の一つ!/今治城(愛媛県今治市)

藤堂高虎が築いた『日本三大水城』の一つ

愛媛県今治市の海岸近くにある『今治城』は、香川県の高松城、大分県の中津城と共に『日本三大水城』の一つに数えられ『日本百名城』にも選定されています。

今治城は築城名人として名高い藤堂高虎(とうどうたかとら)が築いた城で、関ヶ原の戦いの戦功によって伊予20万石の領地を与えられ、1602年に築城を開始しました。城内では随所に築城名人による創意工夫の跡が見てとれます。

そうした今治城の特徴を中心にご紹介していきます!

今治城の天守へ入ろう!

こちらが今治城の天守。残念ながら藤堂高虎が築いたものは現存しておらず、この天守は昭和55年(1980年)に建てられました。
今治城の敷地内への入場は無料ですが、天守や櫓などは観覧料(大人500円)が必要です。

それでは、天守の中へ入ってみましょう!

今治城の天守内には藩主着用の鎧や刀剣、書画など貴重な収蔵品が展示されているほか、今治地方の自然・生き物を紹介する自然科学館も併設されています。

そして、こちらが天守の最上階から望む景色! 敷地のすぐ外側に瀬戸内海が広がり、そこに浮かぶ島々や『しまなみ海道』の橋も見渡せます。
実は今治城の堀は海水を引き込んだ全国的にも珍しいもので、現在も潮の干満によって水位が変化し海の魚が泳ぐ姿も見られます。

また、城内には天守以外にも御金櫓や山里櫓、鉄御門(くろがねごもん)が再建・復元されています。特に鉄御門はできる限り昔の通りに復元されていて、他の城ではなかなか見られない門の内部構造も見学できます。

それでは、次に鉄御門へ行ってみましょう!

守りの要、鉄御門の内部へ入ろう!

こちらが鉄御門(くろがねごもん)。先ほど天守から見下ろしたように枡形(ますがた)の構造で、侵入してきた敵を四方八方から攻撃できるよう門の周囲に多聞櫓(たもんやぐら)を巡らせています。

当時としては画期的な構造で、今治城以降に築かれた全国の主要な城郭にもこの様式が次々と採用されました。まさに築城名人である藤堂高虎の面目躍如といったところですね!

こちらが鉄御門の内部です。奥行きは想像以上に広く、多数の兵士や武器弾薬を格納することが可能。戦闘時にはイラストに描かれたように兵士が潜み、侵入した敵兵に対して門の上部を含め三方向から一斉に攻撃できる構造になっていました。

他に御金櫓や山里櫓の内部も見学でき、武具や古美術品のほか郷土出身作家による現代美術も展示されています。(観覧料は天守と共通)

今治城を眺めながら、贅沢なお花見を!

今治城は桜の名所としても知られています。桜の木の本数はそれほど多くありませんが、雄大な天守と共に桜の花を愛でる贅沢なお花見が楽しめます。

また城内だけでなく、お堀の周囲を散策するのもオススメ。
風が穏やかな日には水面に今治城が写り、まさに浮かぶ水城に!堀を一周すれば、様々な方角から『日本三大水城』の姿を堪能できますよ。

築城名人である藤堂高虎の知恵とノウハウが凝縮された今治城。高虎は1608年に伊賀国へ加増移封となり、天守はその後解体され徳川家康に献上されたと伝わります。その後、今治城は1635年より松平(久松)氏の居城となりました。

明治維新後に建造物のほとんどが取り壊され、内堀と主郭部の石垣を残すのみとなりましたが、1980年以降に天守をはじめとする櫓、門などの再建が進み、現在は『日本三大水城』と称えられた往時の威容を取戻すことができました。

今治城の天守から望む瀬戸内海の景色や鉄御門の内部構造は、他の城ではなかなか見られない特徴的なもの。
今治へお越しの際には、ぜひお立ち寄りくださいね!


今治城
住所/愛媛県今治市通町3-1-3
最寄り駅/JR今治駅
電話/0898-31-9233
開館時間/9:00~17:00
休館日/12月29日~31日、その他臨時休業あり
観覧料/一般520円、学生260円、高齢者(65歳以上)420円
※高校生以下は無料
※料金は天守、御金櫓、山里櫓、鉄御門の共通料金です
駐車場/あり
https://www.city.imabari.ehime.jp/museum/imabarijo/
今治駅への交通情報
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣

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松岡 広宣

松岡 広宣

松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/

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