二つの櫓が現存。瀬戸内海と明石海峡に睨みを利かす総石垣の城/明石城と明石公園(兵庫県明石市)

二つの櫓が現存する明石城!

明石公園は明石城を中心に、各種スポーツ施設や芝生広場・自然散策道などが整備された広大な歴史公園。
中核となる明石城は徳川家康の曾孫にあたる小笠原忠真(おがさわらただざね)が徳川幕府から多大な支援を受けて築いた城で、『日本百名城』の一つに数えられます。

公園の中心にそびえ立つ二つの櫓(やぐら)は明石城のシンボル。
写真の左側が坤櫓(ひつじさるやぐら)で、右が巽櫓(たつみやぐら)。いずれも江戸時代から現存する貴重な建造物で、国の重要文化財に指定されています。

明石城の本丸は周囲を総石垣で固めた一段高い台地の上にあり、坤櫓の脇から登っていきます。高い石垣のおかげで、櫓の窓や塀に開けられた狭間(さま)から敵兵を弓矢・鉄砲で迎え撃てる防御に適した構造となっていました。

こうして石垣で守られた通路を何度か折れ曲がって、ようやく本丸に到着します。明石城には天守閣が建造されませんでしたが、この坤櫓が天守閣の代わりとして使われていたそうです。

こちらは本丸の南東側にある巽櫓。本丸には展望デッキが整備されていて、明石の市街地や明石海峡大橋を望めます。
現在は海岸が埋め立てられ高いビル群も建ちますが、江戸時代には海岸線が近かったため、明石海峡を通る船舶や淡路島もよく見えたんでしょうね。

瀬戸内海の水運や西日本に通じる街道を眼下に見渡すことで、明石城は西国の外様大名に対して睨みを利かす役割を果たしていました。

剣豪・宮本武蔵の庭園を再現!

初代城主・小笠原忠真の客分であった剣豪・宮本武蔵は、明石城下の町割り(まちづくりの計画)や城内樹木屋敷の設営にかかわりました。

樹木屋敷とは城主の憩いの場であり、散策・休憩・客のもてなしのためにつくられた場所。当時のものは現存していませんが、『武蔵の庭園』として再現されています。

こちらは武蔵の庭園にある『乙女池』。かつての城主や宮本武蔵もこのような庭園を散策していたのだと思うと、歴史のロマンを感じますね!

関西屈指のお花見名所の一つ!

こちらは城の北側にある『剛ノ池』。かなり大きな池で、かつては天然の堀の役割を果たしていました。
現在は数多くの野鳥が飛来するバードウォッチング・スポットとして知られ、池を望みながら散歩をしたり、遊覧ボートに乗ったりと、人々の憩いの場になっています。

また、剛ノ池の周辺には素晴らしい桜並木があり、春はお花見を楽しむ人々で賑わいます。

明石城の本丸や三の丸広場にも多くの桜が植えられていて、明石公園は『日本さくら名所100選』にも選定された関西屈指のお花見名所となっています。

徳川幕府による西国統治の拠点として、瀬戸内の要衝地に築かれた明石城。
櫓や石垣、武蔵の庭園など貴重な歴史的遺構が残るほか、豊かな自然やお花見も楽しめるレクリエーションスポットとしても人気があります!


明石城(明石公園)
住所/兵庫県明石市明石公園1-27
電話/078-912-7600(公益財団法人 兵庫県園芸・公園協会)
最寄り駅/JR明石駅もしくは山陽明石駅
営業時間/24時間入園可能
休園日/無休
入園料/無料
駐車場/あり(有料)
https://www.hyogo-park.or.jp/akashi/

明石駅への交通情報

瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣

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松岡 広宣

松岡 広宣

松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/

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