大三島のみかん酵母パン
ん? みかんジュース? いえいえ、これは大三島産・農薬不使用みかんで作られた酵母液。全国でも大変めずらしい、『みかん酵母パン』のいわばもとになるものです。
みかん酵母パンが販売されるのは、瀬戸内海に浮かぶ『大三島』にある道の駅『しまなみの駅 御島』。種類はライ麦10%ブレッド(230円)、山葡萄のパン(250円)、くるみパン(260円)など。入荷は不定期、告知はFacebookか口コミのみにも関わらず、早い者勝ち、売切御免の人気パンです。
野生の酵母をおこす
『小松製パン(現 パン屋まるまど)』の小松洋一さん。「大三島ならではパンを作りたい!」という一念から独学でみかん酵母パンを開発しました。小松さんが取り組んでいるのは、その土地にある食材から野生の酵母をおこしてパンを焼き上げる、ヨーロッパの伝統的なパンの製法です。
大三島産みかんの酵母液へ水と小麦粉を加え、『ルヴァン』と呼ばれるパンの発酵種を培養。これにさらに酵母の栄養となる小麦粉と水、そして塩を加え、パン生地を発酵させます。作るというよりまるで育てているよう。このプロセスにイーストや砂糖、動物性たんぱく質は一切使われません。
熟成させて食べるパン
そんなみかん酵母パンを食べるベストタイミングは、焼きたてではなく焼いてから2日後。
「焼き立ては酸味が強いのですが、時間が経つにつれてそれが抜け、味もそして香りもマイルドに変ります」と小松さん。
育てるように作られたパン。今度は育てるように熟成させて味わいます。
フライパンでトースト
こんなにも大切に育まれたパンは、やっぱり大切に食べたくなるもの。
長く楽しむための重要なコツは乾燥した清潔な包丁でカットすること。切る直前にコンロの炎で刃を温めると良いようです。
トーストはしっかり熱したフライパンで軽く焦げ目をつけるのがおすすめ。両面2分くらいで皮はパリッ、中はもっちりに仕上がります。定番のライ麦10%のパンにはオリーブオイルとお好みで塩をつけるのが美味。ジャムなどフルーツとも好相性です!
みかん酵母パンの生地を噛みしめていると、口の中に、じわりと溶けるような滋味が滲み出します。食べると体が喜んでいるのがわかるこのミラクルな感じ、ぜひ実際に味わっていただきたい!
2018年春、開店予定!
うれしいことにその機会はこれから増えていきそう。小松さんは2018年4月、実店舗をオープンする予定です。
(小松製パンは、2018年4月1日に『パン屋まるまど』としてオープンしました)
お店には道の駅で販売しているシンプルな定番のパン以外にも、大三島産イノシシのジビエサンド、季節の野菜を使ったタルティーヌなどが並べられるそうです。
「大三島ならではのパンと地元の食材を通して、大三島の魅力を訪れた方に伝えたい」と小松さん。
うーん、これはもう、期待しかない! 大三島のみかん酵母パン、これからも注目です!!
※2018年4月更新
小松製パンは、2018年4月1日に『パン屋まるまど』としてオープンしました。
https://www.facebook.com/marumado.bakery
瀬戸内海の大三島で薪窯を作って、みかん酵母パンを焼く全記録
http://organic-bread.blogspot.jp
瀬戸内Finderライター 増田 薫
この記事が役に立ったらいいね!してね
関連キーワード
関連記事
この記事を取材したフォトライター
増田 薫
愛知県岡崎市出身。ライター/詩人。 詩とエッセイのワークショップ『ほし紡ぎ/https://hoshitsumugi.wordpress.com/』運営。 東京、神奈川での学生/社会人生活を経て、夫と息子、家族3人で四国へ引っ越し10年目になりました。愛媛県の島々を中心に、地元に息づくとっておきのスポットをひとつひとつ丁寧にレポートさせていただきます。 愛媛、素敵なところです。どうぞいらしてくださいね。
Hashtags
旬のキーワード