アート・音楽好きに絶対おすすめ!開館5周年記念展『ヨコオ・ワールド・ツアー』開催中/横尾忠則現代美術館(兵庫県神戸市)

日本の戦後カルチャーを振り返ってみると、必ずどこかで登場する画家。
兵庫県西脇市で生まれ育ち、青春時代を神戸で過ごした横尾忠則さんのことです。

その名を冠した『横尾忠則現代美術館』が、神戸市にあります。
横尾さんが兵庫県への寄贈・寄託を申し出られた作品を保管し、多くの人の鑑賞の場とするために2012年に開館しました。
きっかけになったのは、横尾さんが県下のJR加古川線のラッピング電車をデザインしたことと、兵庫県立美術館での個展『冒険王・横尾忠則』の開催でした。

本題に入る前に紹介しておきたいのが、ここの1階にあるショップ。
横尾さんのグッズを網羅しており、ファンはもちろん、初めて美術館を訪れる人も楽しめる充実のお店です。

記念展で海外体験と作品の関係を探る


[写真提供:横尾忠則現代美術館。ポスター(デザイン:横尾忠則)]

さて、今回は開館5年を記念する展覧会の第1弾『ヨコオ・ワールド・ツアー』にお邪魔しました。

1964年、和田誠さんと篠山紀信さんと3人でヨーロッパへの団体旅行に参加した横尾さん。
初めての海外旅行は、3週間で6カ国の主要都市を巡る豪華なものでした。
この展覧会は、そのときに撮影された500枚もの写真で始まります。
展覧会前半では、それまで知らなかった海外という新しい世界で見聞きしたものが横尾さんの中でどのように変換・編集されて作品に反映されていったのかを辿ることができます。


[写真提供:横尾忠則現代美術館。《New York(ポスターオリジナルズ ニューヨーク)》1968年作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)]

作品のモチーフは、特に横尾さんにとってイマジネーションの宝庫だったニューヨーク、インド、そしてハワイやバリといった楽園を思わせる島国など多岐にわたります。
自身のポスター15点がニューヨーク近代美術館のコレクションに加わった1967年は、横尾さんが初めてニューヨークを訪れた年でもあります。
1980年には、そこで見たピカソの大回顧展に刺激を受けて、世界的なグラフィック・デザイナーは画家への転向を決意します。

鑑賞者は、横尾さんの作品を通して海外旅行を追体験します。
一方、海外でも高く評価されるこれらの絵画やポスターが外国の展覧会に出品され、作者と同様に海外を旅して回る様子も見逃せません。

横尾忠則×世界的音楽スター

後半部分は趣を変えて、ジャンルを超えた国際的なコラボレーションを紹介しています。
サンタナやローリング・ストーンズとの交流を示すレコードジャケットやポスター、ジョン・レノンとの写真、ミック・ジャガーからの手紙…とそうそうたる顔ぶれとのエピソードにあちこちで驚きと発見があるはず。
また、横尾さんの自宅にあった約2000枚のレコード・コレクションから本人が厳選した72枚が並ぶ小空間でくつろぐこともできます。あまりの心地よさに、気づいたら時間が経っていたなんてこともあるかもしれません。

当館には、開館以来、年齢も性別もバラバラの人が訪れています。
横尾さんが海外に出て様々な刺激を作品に表現していくさま、新しい挑戦の連続、海外で認められる軌跡。
ヨコオ・ワールドは多種多様なバックグラウンドを持つ観賞者にとって、何らかのインスピレーションになるのではないでしょうか。

周囲の世界との関わりを、メディアとスタイルを越えて表現する横尾忠則さんのまさに『ワールド・ツアー』は見ごたえ抜群です。

横尾忠則現代美術館周辺は、海辺の兵庫県立美術館から神戸市立王子動物園まで南北に1.2kmを結ぶ魅力的な『ミュージアムロード』として整備され、ギャラリーやフォトジェニックなオブジェも並びます。
アート好きの方は合わせてチェックしてみてくださいね。


横尾忠則現代美術館
URL/http://www.ytmoca.jp/index.html
所在地/兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30
最寄駅/阪急電鉄王子公園駅、JR灘駅、阪神電車岩屋駅
電話/078-855-5607
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始・メンテナンス休館(12月26日〜1月5日)
開館時間/10:00~18:00(入場は17:30まで)、展覧会開催中の金・土曜日は10:00~20:00(入場は19:30まで)

瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか

大きな地図を見る>

この記事が役に立ったらいいね!してね

関連キーワード

関連記事

この記事を取材したフォトライター

堀 まどか

堀 まどか

堀 まどか/フォトライター 兵庫県生まれ、在住。実務翻訳、外国人起業家支援、通訳案内士(英語)、そしてフォトライター。 ネットマーケティングの外資系スタートアップで進行管理や顧客サポートを担当。 2011年から、フジサンケイビジネスアイ掲載の週刊コラム『ITビジネス最前線』を英日翻訳しています。 日常の風景や旅先で出会った人の表情など、心に触れるものを写真におさめています。瀬戸内のスポット、暮らしぶり、季節感、食を私目線で切り取ります。 写真ブログ http://riderv328.tumblr.com ツイッター https://twitter.com/Riderv328

「アート」のランキング

「アート」の記事はまだまだあります

アート一覧

Features

特集

特集一覧
PAGE TOP