白壁の町、柳井で出会った銘菓『翁あめ』の美しさ/ひがしや菓子店(山口県柳井市)

山口県の東部に位置する町、柳井市。紅白の可愛らしい金魚ちょうちんと、白壁の町並みで知られています。

柳井の老舗、ひがしや菓子店

そんな柳井を代表する銘菓があると聞き、やってきたのは『ひがしや菓子店』。なんと、創業は1845年という老舗。お茶の席でいただくような、美しい生和菓子や涼菓の他に、お饅頭や最中、カステラまで取り揃えています。

柳井銘菓、翁あめの美しい佇まい

中でも、今回ご紹介する『翁あめ』は地元で古くから愛されてきました。翁の顔が描かれた箱を開けると、寒梅粉に覆われた薄い琥珀色のお菓子が並びます。その佇まいは、うっすらと雪が積もった氷のよう。シンプルな見た目ですが、どこか気品をまとっていて美しいんです!

しっとりとした上品な甘さの翁あめ

早速、ひと口いただきます!飴という名前が付いていますが、程よい弾力を持つゼリーのようなお菓子です。しっとりしていて、ほんのりと甘い。ついついもう一つ、と手が伸びてしまいそう!一体どんな風に作られているんでしょう?

江戸時代から受け継がれる翁あめの秘密

「すみませんが、翁あめの製法は、一切秘密なんです」そう話すのは、店主の谷川英之さん。ひがしや菓子店の七代目です。江戸時代から続く、門外不出のレシピ!分かったのは、最上級クラスの国産寒天と水飴、砂糖で作られているということ。余計なものは一切使われていません。谷川さんが、普段使っている道具類を見せてくれました。

こちらは銅なべ。小豆を混ぜたりする他、翁あめの水飴を練るのにも使われています。底が黒くなって穴が開くたび、職人さんに継いでもらい、長年使い続けてきたのだそう。内側は美しい飴色に光り輝いていました!翁あめは色々な工程を経て、出来上がるまでに八日間もかかるのです。

柳井での翁あめのはじまり

台の上には、大正時代のスケールもありました。グラムではなく、貫(かん)や匁(もんめ)と言った、昔の単位が刻まれています。いまだに大活躍している現役だというから、驚き!翁あめの歴史について、「江戸時代に、新潟の方から伝わったものではないかと聞いています」と話す谷川さん。その昔、柳井の伊保庄という場所に座礁して帰れなくなった福井のお侍さんが、そこで食べていくためにお供の者と菓子店を始めたのだそう。恐らく、お供の者が新潟の出で、翁あめの作り方を伝授したのではないか、という説があるようです。

米どころである新潟県の翁あめは水飴の割合が多いのに対し、ひがしやの翁あめは寒天の割合が多いそう。元は一緒だった翁あめが、いつの間にか地域性と共に変化していったのかもしれません。ひがしやの先代たちが最上級の素材を探し、試行錯誤して出来上がった現代の翁あめ。今では特注で紅白のおめでたい翁あめを作ることもあるそう。七夕の時期にはこんな可愛い五色の翁あめも販売されていました。口当たりの良さと上品な甘さが後を引く、ひがしや菓子店の翁あめ。柳井にお越しの際は、ぜひ味わってみてください。


【おいでませ!山口】
●老舗和菓子ひがしや
江戸の末期、弘化二年創業の老舗和菓子店。ほんのりとした甘さと上品な舌触りが特徴の『翁あめ』は、厳選された素材と昔からの変わらない製法で作られている。

所在地/山口県柳井市姫田15-6
最寄駅/JR柳井駅から徒歩10分
柳井駅へのアクセス
電話・FAX/0820-22-0038
営業時間/8:30~18:00
定休日/日・祝(お盆、年末は営業)

瀬戸内Finderフォトライター 武井奈々

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武井 奈々

武井 奈々

武井奈々/フォトライター
大阪生まれ大阪育ち。
大阪、東京、バンクーバーを経て、祖母の家がある山口県へたどり着きました。
どこへ行っても「大阪っぽくない」と言われます。
今は山口の東側、瀬戸内海の小さな町におばあちゃんと二人暮らし。
写真を撮ったり記事を書いたり、種をまいたり海に浮かんだりする毎日。
周防大島に小さな宿を開くつもりで準備中です。
瀬戸内海ってほんとう気持ちのよいところです。

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