香川の山奥、徳島との県境の近くに、とても珍しい博物館があります。
その名も『天体望遠鏡博物館』。日本中から天体望遠鏡だけを集めた、世界初の博物館です。
廃校を再利用した『天体望遠鏡博物館』
『天体望遠鏡博物館』は、地元の方の援助や自治体、多くの協賛企業や天文愛好家たちによって、廃校になった旧・多和小学校を再利用し2016年の春に開館されました。
毎月天文ファンにはたまらないイベントが目白押しの、今注目すべきスポットなんです。

いざ入ってみると、館内に所狭しと並べられた天体望遠鏡の数々が。
その光景は、まさに圧巻の一言!
公共施設をはじめ、日本中の天文愛好家たちやそのご家族から譲り受けたものがほとんどで、歴史的に貴重なものから個人ではなかなか手に入らないような巨大なものまで様々な種類が揃っているそう。
博物館はボランティアスタッフにより運営されており、ガイドツアーも行われているため、天文ファンでなくとも興味をそそられるお話が聞けること間違いなしです。

こちらは『大型望遠鏡観測室』。
写真のように天井が開閉できる仕組みとなっており、月に1回行われている夜間観望会で活躍する大型望遠鏡たちです。
昼間でも太陽の黒点などが見られますよ。
合計約300台の天体望遠鏡!
日本国内のみならず、海外からも多くの天文ファンが足を運ぶほどの収蔵数を誇るこの博物館。
展示室、屋上での観測スペースや天文図書室など、学校を隅々まで活用したつくりになっています。
専門的な知識がなくても、頼り甲斐のあるボランティアスタッフさんたちが優しく丁寧に説明してくれるのが嬉しいですね。

こちらは、京都からやって来た『五藤光学製 口径60cm リッチー・クレチアン型反射望遠鏡』。
現在修復中ですが、数年内にはこれを使って星空を眺められる日が来るそう。
こんな大きな望遠鏡で見る星はどれほど綺麗なんでしょうか…想像するだけでわくわくしてきますね。
この他にも、日本の裏側・南米チリで撮影された天体をインターネットを通じてリアルタイムに観望可能にする『アタカマ高原リモート望遠鏡設置プロジェクト』が現在進行中だそう。
なんとこのプロジェクトは日本初の試みであり、近年中に実現する予定。
開館したばかりの『天体望遠鏡博物館』、これからますます目が離せなくなってきています!
初心者向け天体望遠鏡工作教室
この日は、定期的に行われている人気イベント『初心者向け天体望遠鏡工作教室』が開催中。
自分だけの望遠鏡が出来る喜びと、星空を毎夜観察する楽しみができる!更に、自分の手で一から作ることで望遠鏡の構造が学べるという、とても為になるイベントなんですね。
この日は夏休み真っ只中ということで50人近い参加者が。
お母さんやお父さん、おじいちゃんやおばあちゃん、弟や妹、家族全員集まってわいわい言いながら作る望遠鏡はどんな仕上がりになっているでしょうか?
オリジナル天体望遠鏡で早速観望会!
出来上がった世界に一つだけのオリジナル天体望遠鏡で、早速観望会が開かれます。
何が見えるかな?

初めは慣れないけれど、スタッフの方にコツを教わり天体望遠鏡の楽しみを見出していきます。
スタッフの方が撮影された星空の写真も館内で堪能することができますよ。
今回一番印象深かったのは、実は博物館の収蔵数や展示物などではなく、ボランティアスタッフさんたちの『強い愛』でした。
小さい頃から大好きで大好きでたまらなかった天文の世界に対する熱い思いがこの博物館をつくり、またその熱を次世代の子どもたちが受け取っていく。そんな自然な流れを肌に感じることができる『天体望遠鏡博物館』にぜひ足を運んでみてください。
天体望遠鏡博物館
所在地/香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
営業時間/10:00~16:00
開館日/土・日、祝日になる金・月
電話/0879-49-1772
http://www.telescope-museum.com
瀬戸内Finderフォトライター 山田芽実
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この記事を取材したフォトライター
山田 芽実
香川生まれ。 高校卒業後、米国・京都・香川・東ティモールを経てまた香川在住。 地元のすてきさを改めて発見中。 絵を描いたり写真を撮ったりしています。
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