キャンピングカー『ソーラーキング号』で日本全国を自由気ままに旅しながら、通算2,000ヶ所以上の観光地を撮影してきた松岡ヒロノブ。とくにお気に入りのシチュエーションは、様々な絶景スポットで出会う感動的な『夕陽』です。 瀬戸内海には美しい夕陽スポットが数多くあるといわれます。
本シリーズは、フォトライター松岡が瀬戸内地域の夕陽名所を発掘し、その時々の季節や気象条件のなかで最適なタイミングを狙って感動的な夕景をものにしていくコーナーです。
人は生涯にいったい何回くらい夕陽を見られるのでしょうか? そう考えると松岡はいても立ってもいられず、『夕陽ハンター』に変身してしまうのです・・・・・・
決して諦めない!執念の夕陽ポイント探し
香川県西部の三豊市仁尾町は『日本の夕陽百選』に選ばれていて、海岸沿いの『父母ヶ浜(ちちぶがはま)』や『仁尾海岸緑地』が夕陽名所として知られています。ただし、海岸線から見る夕陽は秋以降がベストシーズン。そこで夏場はできるだけ標高が高い位置から荘内半島と周辺の島々をモチーフにした夕景を狙いたいところ。
この夕陽は6月に仁尾町のとある高台から撮影したもの。悪くはないのですが、実はこの背後には標高約400m前後の山地(七宝連山)が連なっていて、本当はもっと高い場所から夕陽を眺めたいと思っていたのです。
日没の2時間ぐらい前から夕陽ポイントを探し回ったものの、あまりにも山道が狭くて急勾配で断念…
この1枚は妥協の結果として撮影した夕景でした。夕陽ハンティング失敗です!
その後も、どうしても諦めきれない夕陽ハンター松岡。
よくよく地図を見てみると、七宝連山を海側ではなく反対の内陸側から登れる林道(林道豊中七宝山線)の存在に気づいて行ってみることに。
林道の登り口は『不動の滝』の近くにあります。いったいどんな細道だろうかと不安でしたが、全般的にしっかりと舗装されていて道幅も1.5車線なので対向も十分可能な走りやすい道でした!
そしてついに、林道の終点から徒歩で約10分ほど歩いた場所に、絶好の夕陽ポイントを発見!
ここは厳密には七宝連山の最高峰ではないのですが『四ツ尾』(標高約420m)と呼ばれるピークの一つで、ベンチがいくつか置いてあって、まさに夕陽を見るための極上の観覧席です!
瀬戸内海に突き出した荘内半島とその周辺に浮かぶ多数の島々が見渡せ、夕景のモチーフとして最高のポイントです!
「いつか、ここで必ず夕陽を撮る!」と決心していったん下山します。
実はこの日は台風の接近で天候が変わりやすく、この後曇が広がって小雨も降ってくる始末…。
それでも、どうしても諦められない夕陽ハンター松岡は、夕方前にダメ元でもう一度登ってみることに。
というのも台風が接近しているときはドラマチックな夕景が見られるチャンスでもあり、簡単に諦めるわけにはいかないのです!
台風が接近してくるときは、実は素晴らしい夕景が見られるチャンス!
目まぐるしく雲が動き、風で大気のチリやホコリも吹き飛ばされますので、太陽光が隅々まで届きやすくクリアな条件となりやすいためです。
もちろん、強風で三脚が倒れたり、急にドシャ降りの雨になったりとリスクも伴いますので、自己責任で十分な準備と装備を整えて挑む必要があるのは言うまでもありません。
感動的な夕焼けのドラマが展開!
夕陽ポイントである『四ツ尾』に再び到着し、しばらく様子を見ていると日没間際にあたり一帯が黄金色に輝きだしました!
上空に雲が薄く広がっていて、しかも水平線近くでは雲が途切れて太陽光が上向きに放射されやすい状態。
劇的な夕焼けが見られる大チャンスで、ドキドキしながら日没を待ちます!
そして日没後しばらくすると、期待通り上空の雲が黄色く染まってきました!
さらに数分たつと、黄色からオレンジ色へ色彩が変化し、雲全体が紅く輝きます!
海面もオレンジ色に染まり、滅多に見られないドラマチックな夕焼けが!
まるで自然が演出する『夕劇』を鑑賞しているような、感動的な展開です!
夕景の真髄は日没後に始まる!
そしてオレンジから真紅へ、極上の『夕劇』がいよいよクライマックスを迎えます!
燧灘(ひうちなだ)も紅く染まり、左手には伊吹島、右側には荘内半島がシルエットのように浮かび上がります。
やがて紅から紫へ…
何ともいえない、まったりとした心地よい時間が流れていきます。
素晴らしい『夕劇』もあっという間に終幕を迎えます。
夕闇が迫り、仁尾の街の光も灯りだしました。
「いや~、これだから夕陽ハンターはやめられんわ!」
まさに絵に描いたような夕陽ハンティングの成功劇。瀬戸内Finderの『夕陽ハンター』シリーズとしても過去最高レベルの素晴らしい夕景をモノにできました!
勝利の余韻に浸りながら、しばらくその場で夕暮れを眺めていました・・・
夕景の真髄は日没後に始まる!
雲が上空全体に薄く広がる時は、最高の夕焼けが見られる大チャンス!
そして、メインのドラマは日没後に始まるのです。
日没直後にすぐ帰ってしまうようでは、夕陽ハンター失格ですよ!(笑)
七宝連山(林道豊中七宝山線)
所在地/香川県三豊市仁尾町仁尾甲544
電話/0875-24-9231(三豊市観光コンシェルジュ)
駐車場/あり(林道の終点に車が数台停められるスペースがあります)
最寄駅/JR観音寺駅より車で約40分
http://www.city.mitoyo.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=2626
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣
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この記事を取材したフォトライター
松岡 広宣
松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/
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