四国の玄関口・香川県坂出市にひっそり佇む異空間『四谷シモン人形館 淡翁荘』をご紹介します。
四谷シモン人形館 淡翁荘
『四谷シモン人形館 淡翁荘』は、創立220年を超える鎌田醤油株式会社の敷地内にあります。
このモダンな建物は、迎賓館として戦前に建てられました。
2014年には登録有形文化財にも登録され、建築物としても貴重かつ非常に見応えのある立派な建物なんです。

中に入ると、上品でハイセンスな家具に寄木細工が施された床、流れてくるニーナ・シモンの曲、そして機械仕掛けの少年の人形が。
まさに異空間。夢の世界に入ってきたかのようで、うっとりします。
伝説の人形作家・四谷シモン
四谷シモン氏は、日本の人形作家であり、俳優です。
風変わりな名前のルーツは、東京・四谷に住んでいたことと、先述したジャズシンガー、ニーナ・シモンのファンであったことから。
彼は人生の早い段階から人形の魅力に傾倒し、現在までに数多くの作品を生み出してきました。
現在のスタイルを作り上げる大きなきっかけとなったのがドイツの人形作家ハンス・ベルメールであり、彼の作る球体関節人形にはハンスの影響が色濃く残っています。
そんな四谷シモンの主要作品が数多く常設展示されているのが、ここ『四谷シモン人形館 淡翁荘』なのです。
館内に散らばる人形たちを探す
館内では23体の人形たちが静かに私たちを待っています。
自分で一つひとつ扉を開けて、館内中に展示されている人形たちを探し出しましょう。
ギョッとするような場所にいたり、ドキッとするような表情をした人形に見つめられているようで、少々心細くなってしまうのは人間の常、でしょうか…?
2階にも多くの作品が。
壁に飾ってあるのは四谷シモンの舞台写真。
人形たちの「儚く繊細で妖しく静かに光っている」という印象から、作者自身の人間性が垣間見えるようで、豊かで非日常な時間が流れるのを感じます。
さらに奥へ進むと、この人形館の顔とも言える大広間があります。
ひっそりただ静かに佇む人形たちは、広々とした厚みのある空間と見事に融合しています。
希望すれば、ここでコーヒーや醤油アイスもいただくことが出来ますよ。
非日常な感覚を体感して
いざ人形たちと目を合わせると、なんとも言えず目を逸らしたくなる落ち着かなさを感じるのと同時に、ずっと見ていたい、この場所に居続けたいという相反した不思議な気持ちに支配されます。

静かに真っ直ぐ前を見る彼らに囲まれて、訪問者たちは何を思うのでしょうか。
館内には、なんと大阪万博に出品された『ルネ・マグリットの男』(1970)も展示されているので、訪れた際は是非23体全ての人形に出会ってみてくださいね。
日常から離れ、非日常と出会うショートトリップを体感してみてはいかがでしょうか。
四谷シモン人形館 淡翁荘
所在地/香川県坂出市本町1-6-35
営業時間/10:00~16:00
開館日/木・土・日
電話/0877-45-1111
最寄駅/JR予讃線坂出駅
http://www.kamada-soy.co.jp/doll
瀬戸内Finderフォトライター 山田芽実
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この記事を取材したフォトライター
山田 芽実
香川生まれ。 高校卒業後、米国・京都・香川・東ティモールを経てまた香川在住。 地元のすてきさを改めて発見中。 絵を描いたり写真を撮ったりしています。
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