道後といえば道後温泉。誰もがパッと思い浮かべる名所ですが、温泉に浸かるだけではもったいない!道後温泉の周辺には、実はご利益スポットがたくさんあるのです。
お湯をかけて病気平癒を祈る『玉の石』
まずは『玉の石』。道後温泉本館の向かって左脇、柵の上に並ぶ白鷺たち(オブジェです)の視線の先にあります。
かつて大国主命(おおくにぬしのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)が伊予を訪れた際、病気になった少彦名命を道後の湯に浸けたところ病気がたちまち治り、喜んで『玉の石』の上で舞ったという逸話があります。
これにちなみ、『玉の石』に湯をかけて祈れば、病気平癒のご利益があるといわれています。手前に置かれている長〜い柄杓を使うのですが、それもまた楽しい体験ですよ。
玉の石
所在地/愛媛県松山市道後湯之町5-6(道後温泉本館 北側)
最寄駅/市内電車 道後温泉駅
電話/089-921-5141(道後温泉事務所)
https://dogo.jp/about
温泉地ならでは。お湯の守り神『湯神社』
続いてそのまま進み、道後温泉本館南側の冠山に『湯神社』があります。
ここには先ほどの『玉の石』の逸話にも登場する、道後温泉を開いた二神が祀られており、過去、地震などで温泉が止まると『湯神社』に神楽を奉納して復興祈願をしてきました。
この湯祈祷は毎年3月に行われる道後温泉祭として現在も続く、道後の春の風物詩です。
開運、厄除けなどのほか、出雲大社ゆかりの大国主命(別称・大己貴命『おほなむちのみこと』)にちなんで、縁結びのご利益もあるといわれています。
見逃せない!お菓子の神様『中嶋神社』
『湯神社』の境内にある『中嶋神社』は、珍しいお菓子の神様です。
ここに祀られている『田道間守命(たじまもりのみこと)』は、お菓子の原点ともいわれる橘(みかん)の樹を海外から持ち帰ったことから、お菓子の神様とされているのです。
神社を囲む石柱には、製菓関連の会社や団体の名前がずらりと並びます。
美味しいお菓子が作れるように。そして、美味しいお菓子に巡り会えるように、お祈りしましょう。
湯神社・中嶋神社
所在地/愛媛県松山市道後湯之町4-10
最寄駅/市内電車 道後温泉駅
電話/089-921-0480(湯神社社務所)
http://yu.mydns.jp
色彩豊か、ご利益も豊か『伊佐爾波神社』
『湯神社』の脇にある石段を降りた場所、ここが実は湯神社の表口に当たるのですが、前を走る道は『伊佐爾波(いさにわ)神社』の参道です。左奥に長い石段が見えます。
登るのをためらってしまうほどですが、時々振り返って街の景色を楽しみながら行けば、あっという間です!
登りきると、青空に映える朱色の社殿が。国指定の重要文化財で、大分の宇佐八幡宮、京都の石清水八幡宮と並ぶ日本の三大八幡造りの一つです。
創建の詳細は不明ですが、1000年以上前から信仰されていたと伝わります。
ぐるりと回廊を一周することができるので、極彩色の見事な社殿を鑑賞しましょう。
ご利益は開運出世や家内安全、商売繁盛、学業成就から縁結びまで、実に様々!
伊佐爾波神社
所在地/愛媛県松山市桜谷町173
最寄駅/市内電車 道後温泉駅
電話/089-947-7447
http://isaniwa.ddo.jp
一目見たら忘れられない大地蔵『円満寺』
最後に、また道後温泉本館の方へ戻る途中で脇道へ入ると、『円満寺』があります。
境内に鎮座しているのは『湯の大地蔵』。白塗りに真っ赤な唇で、3.67mもある巨大なお地蔵様です。あの奈良の大仏の建立にも携わった僧・行基が道後に来た際に楠で掘ったものと伝わっています。
道後の湯が止まった時に祈願すると再び湯が湧き上がったという縁起を持つとともに、火除け地蔵ともされ、そこから転じて浮気封じ、夫婦円満、恋愛成就など、恋愛のパワースポットとして人気です。
境内にはカラフルな布で作られた可愛らしい『お結び玉』(1個300円)がたくさん結ばれています。手に持って願い事をすると良いそうですよ。
円満寺
所在地/愛媛県松山市道後湯月町4-49
最寄駅/市内電車 道後温泉駅
電話/089-946-1774
http://matsuyama-sightseeing.com/spot/54/
どのスポットも道後温泉本館から歩いて5分くらいのところにありますので、温泉に入った後ちょっと足を伸ばしてみるのも、きっと楽しいですよ。
瀬戸内Finderフォトライター 矢野智子
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この記事を取材したフォトライター
矢野 智子
1970年、愛媛県今治市生まれ。松山市在住。 大学時代を京都で過ごした後愛媛に戻り、システムエンジニアとして年の半分以上は県外出張という旅人のような生活を20年近く続けました。 退職後、愛媛を紹介する本を友人と作ったことをきっかけに、自分の「夢」と愛媛の魅力を再発見。地元出版社で編集のイロハを学び、現在は自らを「ことばのデザイナー」と称しフリーで活動中。書く、作る、伝えることに力をそそいでいます。
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