城の崎にて、外湯めぐりと絶景と、老舗鮮魚店の海鮮丼を満喫する旅/城崎温泉(兵庫県豊岡市)

兵庫県の北部を円山川に沿って北上すると、豊岡市の中心部から車でおよそ20分で城崎温泉に到着します。
1400年の歴史を持つ、情緒あふれる温泉地です。

大谿川(おおたにがわ)の両脇にはしだれ柳と木造の宿が立ち並びます。
温泉街には公営駐車場3箇所、私営駐車場4箇所に加えてコインパーキングもあるので、いずれかに駐車して徒歩で散策するのがベスト。

浴衣でめぐる外湯!露天風呂や洞窟風呂も

早速車を停めて、城崎名物の『外湯めぐり』に出かけましょう。
外湯とは宿泊施設を伴わない公衆浴場のこと。
城崎温泉には外湯が7つあり、浴衣姿で下駄を鳴らして町を歩き、複数の外湯をはしごして回るのが城崎温泉の”正しい”楽しみ方と言われます。

外湯の1つ『鴻の湯(こうのゆ)』は、町の1番奥にひっそりとたたずむ穴場の温泉です。
イチオシの理由は庭園露天風呂。裏手にすぐ山が迫るロケーションで木々に囲まれ、人里離れた温泉のようにリラックスできます。
足を痛めたコウノトリが湯浴みをしていたことから発見された温泉なのだそうです。

鮮魚店直営レストランで日本海の旬を食す

お風呂で一汗かいたら、お腹が減ってきました。
漁港や市場から直送された新鮮な魚介類を求めて、鮮魚店『おけしょう鮮魚』の2階にあるお食事処『海中苑』を訪れました。

兵庫県は、南は瀬戸内海、北は日本海に接する珍しい県です。
おけしょう鮮魚は、城崎温泉近くの津居山港や竹野港の仲買も務める老舗で、日本海の恵みを頂きたいなら必ず訪れるべきお店なんです。
鮮魚店では、竹野港で水揚げされたばかりのマグロをお兄さんたちが2人がかりで解体している真っ最中でした。

まずは、大きな赤バイ貝のお造りをいただきましょう。
薄くそぎ切りにされた新鮮な貝はコリコリとして、磯の香りが口いっぱいに広がり「こんなの初めて!」な美味しさです。
貝が好きな人なら、これだけのために城崎温泉に来ても満足できるかもしれません。
でも、海中苑の自慢は何と言っても海鮮丼。

どーん!
カンパチ、ヒラメ、イカ、タコ、エビ、生ウニ、カニ身、ホタテ貝柱、イクラ、サーモン、シシャモの子が白米を覆い隠しています(11種の具材は季節・仕入れによって変わります)。
タレにわさびを溶いて、丼の上から回しかけます。食材本来の味を楽しむため、かけすぎないよう慎重に。

魚介の新鮮さは言うまでもありませんが、この丼は食感と味のバランスが一級品。
ヒラメの弾力と舌の上でほぐれるカニの柔らかさ、エビの甘さとタコの塩加減など対照的な組み合わせが楽しめ、最後までまったく飽きさせない海鮮丼です。

おけしょう鮮魚にはノドグロにオニカサゴ、サザエ、シジミなど旬の魚介が並んでいます。
1階でお魚を選んで、調理してもらったものを2階で頂くこともできます。
冬のカニ漁最盛期には、身の詰まったカニを求める大勢のお客さんで賑わうのだそうです。

城崎温泉ロープウェイで絶景スポットへ

さて、城崎温泉の町並みの美しさは世界的に影響力のあるガイドブックにも認められました。

それを別の角度から体感するために、城崎温泉ロープウェイには必ず乗って帰ってほしいと思います。
大師山頂駅までの676メートルを片道約7分で上ると、展望台から眼下に絶景が広がります。
城崎温泉が山に囲まれた小さな町であり、円山川の河口からすぐに日本海の津居山湾につながっていることが分かります。

山頂駅の『城崎珈琲 みはらしテラスカフェ』では、こんな雄大な眺めを独り占めできます。
ロープウェイを何台も乗り過ごしてゆっくりくつろぐのもいいですね。

ふもとに下りれば、『薬師公園ポケットパーク』に城崎温泉の元湯と無料の足湯があります。暖かい季節は風が心地よく、寒い冬には足元から体を温められます。

城崎温泉から10km圏内には玄武洞公園や竹野浜海水浴場、城崎マリンワールドなどの見逃せない観光地が集まっています。
おいしい、温かい、美しい。三拍子そろった日本伝統の温泉地に、是非お出かけください。


城崎温泉おけしょう鮮魚[本店]
住所/兵庫県豊岡市城崎町湯島132
電話/0796-29-4832(受付9時から18時)
最寄駅/JR城崎温泉駅
駐車場/付近に公営・私営・コインパーキングあり。最寄りの『駅舎温泉さとの湯』横公営駐車場は1時間無料。
定休日/1月1日・2日
URL/http://okesyo.com/

瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか

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堀 まどか

堀 まどか

堀 まどか/フォトライター 兵庫県生まれ、在住。実務翻訳、外国人起業家支援、通訳案内士(英語)、そしてフォトライター。 ネットマーケティングの外資系スタートアップで進行管理や顧客サポートを担当。 2011年から、フジサンケイビジネスアイ掲載の週刊コラム『ITビジネス最前線』を英日翻訳しています。 日常の風景や旅先で出会った人の表情など、心に触れるものを写真におさめています。瀬戸内のスポット、暮らしぶり、季節感、食を私目線で切り取ります。 写真ブログ http://riderv328.tumblr.com ツイッター https://twitter.com/Riderv328

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