8時半に開店すると、出来たてを求めてファンが訪れます。ここに店を構えて今年で86年。路面電車が前を走るこちらのお店の名前は、『労研饅頭(ろうけんまんとう)』といいます。
屋号にもなっているこの『まんとう』。不思議な名前ですよね。特に県外の方からは、「まんじゅうですか?何ですか?」とよく聞かれるそう。
これは、何だろう?そう思ったあなたに、是非食べてもらいたいまんとうです。とっても美味しいんですよ!
守り続ける伝統の製法と味
労研饅頭は、昭和の初めに、岡山の倉敷労働科学研究所で作られました。労働者の栄養管理のため、栄養がありすぐ食べられて腹持ちの良いものを研究し、中国のまんとうを日本人向けに改良して作られたのが始まりだそう。
ここ松山では、松山夜学校で夜学生を支援するため、労研から酵母を譲り受けて製造をスタートさせました。
この酵母菌は、当時全国37ヶ所へ分けられ、ずっと受け継がれている、貴重な酵母菌を使って作られています。
労研饅頭の歴史をまとめた写真アルバムや、当時の製造販売許可証などを見せてくれたのは、3代目社長の竹内さん。
古いモノクロ写真には、工場で製造する様子など創業時からのたくさんの写真がまとめられていて、愛おしいわが子の成長記録を見ているかのよう。本当に昔から、愛されているのが分かります。
保存料を使わない、こだわりのまんとう
酵母菌は、生地の発酵を終えたらまた翌日の生地のために、発酵に必要な分をタネ生地として残しておきます。毎日この作業を繰り返し、今日まで生き続けています。
保存料を使わないこだわりの生地は、種類に応じてよもぎやココアなどを配合したり、黒豆やあんこなどを一つずつ手で包み、せいろへと移されます。
蒸気の強さや量を確認しながら、10分ほど蒸し上げます。1日に1000~1500個のまんとうが作られていますが、一度に蒸す量は十数個ずつ。様々な蒸し器を試した結果、労研饅頭独特の風味や弾力を守るためには、この昔ながらのせいろで蒸し上げるのが一番良いそう。
蒸し上がったまんとう同士が熱で引っ付くのを防ぐため、上から風を当てて少しだけ表面を乾かしたら、出来上がりです。
もっちりしっとり。ふんわり、やさしい。
店内にはイートインスペースも設けられています。一番人気の『うずら豆』のまんとうをいただきました。出来たてはほんのり温かく、ほわほわしています。酵母の香りがほのかに漂い、もっちり、しっとりした生地で、甘さ控えめ。ほっとする優しい味です。
現在まんとうの種類は14種類。一つ108円(税込)で、大きく分けると、楕円形に成形された『味付け』と、丸い成形の『あん入り』の2種です。
元祖の『黒大豆』や、定番の『うずら豆』『粒あん』などの他、お子さんにも人気の『チーズ』や『ココア』『いもあん』など、豊富なラインナップです。インターネットからの注文も可能です。
毎日食べても飽きのこない、素朴な味わいの労研饅頭。昔ながらの味を守り、今までも、これからも、受け継がれていくのだと思います。
私もファンの一人です。是非ご賞味ください!
株式会社たけうち 労研饅頭(本店)
住所/愛媛県松山市勝山町2丁目12-10
最寄り駅/伊予鉄市内電車 警察署前駅
警察署前駅へのアクセス
営業時間/8:30〜17:30(売り切れまで)
定休日/水曜日
電話/089-921-8457
P/4台
大街道支店
住所/愛媛県松山市大街道2丁目3-15
最寄り駅/伊予鉄市内電車 大街道駅
大街道駅へのアクセス
営業時間/9:30〜19:00(売り切れまで)
定休日/水曜日
電話/089-921-6997
http://home.e-catv.ne.jp/takeuchi/
瀬戸内Finderフォトライター CHIEMI NISHIMORI
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この記事を取材したフォトライター
CHIEMI NISHIMORI
写真スタジオにて勤務後、クルーズ客船のカメラマンとして日本各地への船旅に同行してきました。 生まれ育った愛媛も大好きです。 美味しい食べもの、美しい風景、面白いスポットなど、魅力いっぱいのステキ愛媛を発信します! http://cemnsmr.wixsite.com/focus
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