世界三大男のロマンのひとつである(と僕が思っている)豪華列車の旅。
トワイライトエキスプレスなんか有名ですが、香川県・徳島県にもあるんです、それ。
緑、青、赤の3両編成で走るこちらの列車『四国まんなか千年ものがたり』は、寝台列車でこそありませんが、手軽に僕たちを非日常の列車旅へ連れ出してくれます。
香川県仲多度郡・多度津駅〜徳島県三好市・大歩危駅の間を運行し、片道約2時間半のショートトリップながら、その充実感は半端じゃないらしい!
…と、いうわけで、乗車してきましたよ、『四国まんなか千年ものがたり』。
四国まんなか千年ものがたり
『四国まんなか千年ものがたり』のコンセプトは、『大人の遊山(ゆさん)』。
『遊山』とは、お弁当を持って野山に遊びに行くハイキングのようなもので、徳島に古くから伝わる言葉です。
この列車旅は、田舎の路線ならではの里山風景を車窓から眺めながら、秘境の渓谷にある駅を目指す、まさに『大人の遊山』となっています。
『四国まんなか千年ものがたり』には、多度津駅から大歩危駅へと向かう『そらの郷紀行』と、大歩危駅から多度津駅へと向かう『しあわせの郷紀行』がありますが、今回乗車したのは、秘境の渓谷を目指す『そらの郷紀行』。
多度津駅に停車している『四国まんなか千年ものがたり』の前では、アテンダントがお出迎え。
この時点で普通の列車旅とは違いますね!ワクワク!
もちろん車内も普通ではありません。
1号車『春萌(はるあかり)の章』は、木目の中に若草色のソファーが映える豪華な内装。
どの席からも沿線の景色が贅沢に眺められます。
出発してしばらく走るのは、里山に囲まれたのどかな平野です。
弘法大師・空海の生誕地である善通寺を経由し、『金刀比羅宮』のある琴平へ。
この琴平駅では、ウェルカムドリンクのサービスが!
そして、琴平駅を出発すると…
讃岐食材の洋食を列車内で堪能!
列車内の席まで運ばれてきたのは、『さぬきこだわり食材の洋風料理』。
レストラン神椿の料理長が監修した『四国まんなか千年ものがたり』でしか食べられないオリジナルメニューです。
車窓の移りゆく景色を眺めながらこんな料理がいただけるとは、なんと幸せ!
トンネルの中は別世界!
食事を楽しんでいると、列車はトンネルの中へ。
周囲が暗闇に包まれると同時に、列車内はまるで別世界のようにガラリと表情を変えます。
列車内の所々に配された温かな照明が空間に陰影を創り出し、なんともシックな雰囲気に。
一瞬のトンネル内の時間すら楽しめるように、との『おもてなしの心』が浮かび上がるかのようです。
秘境の無人駅へ!
何本かのトンネルを通り抜けた先にあるのは、時代に取り残されたかのような場所にある『坪尻駅』。
定期的な利用者は誰一人いない秘境の無人駅です。
ここで列車は少し停車するので、辺りを散策。
駅の周辺には道らしき道もなく、山の中にただ駅だけがあるという不思議な感じ。
停車する定期列車は1日数本だけ。
この坪尻駅のホームに降りるというのは、かなりレアな体験です。
絶景を眺め優雅なティータイム
坪尻駅を出たあとは、食後のドリンク・デザートとして、コーヒーにクッキー・マドレーヌをいただきます。
もちろん車窓には緑の絶景。
こんな優雅なティータイム見たことありません!
列車旅は秘境の渓谷へ!
阿波池田駅を通過し、川が見えてきたら列車旅はいよいよクライマックス。
車窓から見えるのはせり立つ断崖に囲まれた渓谷『大歩危峡(おおぼけきょう)』です。
2億年の歳月をかけ吉野川の激流によって創られた美しい渓谷は、見る者すべてを圧倒します。
列車はしばらく大歩危峡に沿って走り、雄大な自然のアートを堪能させてくれます。
そして、驚いたのは、遊覧船に乗っている人や、対岸の施設にいる人など、沿線で見かける人みんながこちらに向かって手を振ってくれること。
なんだかスーパースターになったかのような気分です(笑)。
渓谷沿いにある大歩危駅に到着して、約2時間半の『そらの郷紀行』は終了。
なんだろう、この充実感は。
単なる旅の移動時間も、乗り物を変えるだけで、これほどまでに特別な体験になるんですね。
讃岐と阿波を繋ぐ『四国まんなか千年ものがたり』には、大人のロマンがたっぷり詰まっていました。
四国まんなか千年ものがたり
運転日/毎週金・土・日曜、祝日を中心に運行
料金/
多度津駅〜大歩危駅 大人3,800円、子ども2,550円
善通寺駅・琴平駅〜大歩危駅 大人3,610円、子ども2,450円
※食事料金は別途
http://www.jr-shikoku.co.jp/sennenmonogatari/index.html
瀬戸内Finderフォトライター 千葉大輔
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この記事を取材したフォトライター
千葉 大輔
千葉大輔/フォトライター 1985年生まれ、徳島県三好市出身、徳島市在住。 大学卒業後、徳島の出版社にて様々なMOOKの編集長を務め、2014年4月フリーランスのフォトグラファーとして独立しました。 写真と同時に、コピーライター、エディターとしても活動してます。つか、他にも商品開発やなんやら、いろんなことやってます。求められれば何でもやる、徳島人のくせに阿波踊りドヘタ、そんな僕です。よろしくどうぞ。 http://www.quareal.net/
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