下関市の城下町、長府の国道9号から一本入ったところに公園があります。
国道を曲がる手前から見えるのは…
高台にあるクジラのモニュメント!
駐車場から坂を上ると…
左右に道が分かれます。まず右の『展望室』方向へ。
東屋を横目に、クジラのしっぽが視界に!
近くまで寄ってみました。
巨大クジラの正体は…
先ほど遠くに見えたクジラのモニュメント『くじら館』は1958年に建設され、かつてここにあった下関水族館のシンボル的存在でした。
体長25メートル、重さ130トンのシロナガスクジラをモデルとし、捕鯨の基地として栄えた下関を象徴する建物です。口元が展望ガラスになっていたんですね。
現在、中に入ることはできませんが外観を間近に見ることができます。
くじら館の向かいにあるのが『串崎城址』です。
設置看板によると、串崎城は長府藩祖の毛利秀元が築城した近世城郭で、1602年に秀元が長府串崎を城地に選定。
1615年の一国一城令により破却され廃城となりましたが、軍事的な要地であったことから、幕末には関見台台場と城山台場の二つの砲台が築造されて攘夷に備えました。
しかしながら1864年の下関戦争で砲撃を受け、破壊されてしまいました。
現在は、城下町長府のシンボルとして整備されています。
階段を上ったところで見えたのが―
関門海峡が一望できます!右奥に見えるのが関門橋です。
対岸は北九州市門司区。行き交う船も肉眼で追うことができます。
三方遠くまで見渡せ、殿様が天守台を構えたのも納得できる立地です。
そして耳を澄まさずとも聞こえる波の音。喧噪から離れて、しばし海峡を眺めます。
今度はこの波音がする浜辺へと坂を下ります。
見えてきたのは、サラサラした砂浜と波!
海峡を光照らす美しい日の出を拝みに来る地元の方もいるとか。
なんとこの三軒屋海岸は、クジラの仲間である『スナメリ』の姿が観察されるという、全国的にも珍しい場所でもあるんです。
最短で海岸から5メートルほどの距離まで近付いてくるそうですよ!
海岸の向こうに見えるのが満珠・干珠
海岸の左端から沖の方へ目を向けると、右から丸い島と、平べったい島が見えます。
神功皇后が龍神から授けられた二つの珠(満つる珠、干る珠)から生まれたといわれる伝説の島、満珠・干珠です。
諸説あるようですが、一般的には丸い方が『満珠』、平べったい方が『干珠』といわれています。
長府にある忌宮神社の飛地境内で、渡ることはできません。
関門海峡沿いのいたるところで望見でき、時間帯や天候によって見え方が違うので他のアングルを求めて歩くのも楽しいですよ。
海峡を見守り続けるクジラと、四季によってさまざまな表情を見せる関見台公園。
歴史と自然の美しさを体感できるスポットです。
関見台(せきみだい)公園
所在地/山口県下関市長府宮崎町10
アクセス/JR下関駅からバスで約20分(サンデン交通『市立美術館前』バス停下車、徒歩5分)
市立美術館前駅へのアクセス
駐車場/あり(無料)
http://www.stca-kanko.or.jp/facilities/detail.php?id=92&cat=1
瀬戸内Finderフォトライター Yuka Hesaka
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この記事を取材したフォトライター
Yuka Hesaka
山口県出身、在住。 新聞社勤務を経て、フリーランスに。 取材で大切にしているのは「セレンディピティ(偶然の気付き)」。 新旧にとらわれず、おすすめしたいスポットやモノなど、多方面からお伝えしていきます。
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