旭川流域に旅館が立ち並ぶ湯原温泉街。鳥取県と岡山県を結ぶ街道沿いにあり、江戸時代には大山の牛馬市に通う人が街にあふれたそうです。
この湯原温泉街の中心部で一際目立つ旅館、丸に油の文字がはためく『油屋』をご紹介します!
元禄時代創業のお宿『油屋』
湯原温泉の歴史を江戸時代から見てきたのが元禄時代(1688年)に創業した旅館『油屋』。
この温泉街で最も古い旅館です。温泉と食事ができる『食湯館(しょくとうかん)』は平成に入りリフォームされ新しくなっていますが、レトロな雰囲気はそのまま、梁も昔のものが使われているそうです。
源泉かけ流しのお風呂
食湯館のお風呂は源泉かけ流しの半露天『いそうれの湯(写真)』、露天風呂『はなゑみの湯』など。お湯は湯本温泉館から各旅館に配湯されているアルカリ性単純温泉です。
檜露天風呂『はなゑみの湯』。
ジブリ映画『千と千尋の神隠し』で八百万の神様が入りにくる温泉も『油屋』という名前でしたね。映画のモデルになったといわれる場所はいくつかありますが、湯原の油屋もその一つだとか。
クラシカルな和室『夢酔庵』
油屋は温泉と食事用の『食湯館』、宿泊用の『夢酔庵』と二つの棟に分かれています。お部屋を使うときは食湯館向かいにある4階建ての夢酔庵に移動します。
昭和にリフォームされた純和風のお部屋。全7室が旭川沿いにあり、川と緑を眺められる造りになっています。
そして全室お風呂つき。他の人を気にせず入れるお風呂がついているのは嬉しいですよね。もちろん、蛇口からは温泉が出てきます!
油屋から露天風呂砂湯まで250mほどですぐ入りにいける距離ですし、食湯館のお風呂、夢酔庵の個室のお風呂と・・・そして、更にすごい貸切風呂があるんです!
広々貸切温泉の薬王湯!
夢酔庵の地下にあるのが貸切風呂『薬王湯』。かなり広々としており、大浴場じゃないかと思うほど。固定ファンもいるほどの、貸切にするのがもったいない貸切風呂です。
ここは湧出するお湯が真下にあるため、源泉の湯が一番新鮮な状態で使われています。
失ったものが帰ってくる?!温泉薬師堂
油屋の隣にあるのが、『温泉薬師堂』。御本尊が明治の大水害でお堂と共に流されてしまった際、80キロほど下流で拾われて無事帰還したんだとか。それから、無くなったものが帰ってくるといういい伝えが広まったそうです。
「湯原に帰りたい」と拾った釣人の夢に出てきたそうですよ。
温泉薬師堂の手水(てみず)は水ではなく、お湯が湧き出ている薬湯です。薬師堂にお参りの際は、あったかいお湯で清めてください。
湯原温泉街の旅館のお風呂、公共の露天風呂、薬師堂など、お湯三昧な休日はいかがでしょうか。
元禄旅籠 油屋(あぶらや)
住所/岡山県真庭市湯原温泉27
電話/0867-62-2006
日帰り入浴
料金/1,100円、貸切風呂5,500円(50分、要予約)
時間/11:00~15:00
http://i48167.wixsite.com/aburayaorg
真庭観光WEB|湯原エリア
https://www.maniwa.or.jp/yubara/
瀬戸内Finderフォトライター 沢坂千晶
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この記事を取材したフォトライター
沢坂 千晶
岡山県出身、2010年にUターンし在住。 元システムエンジニア。帰郷後はローカル情報誌の制作や、団体の広報、組織運営などに携わる。 佇んでしまうほど美しい姿を見せる自然と人情味あふれる優しい人たちが好き。 岡山と周辺の、いい場所、いい人、いいものをお伝えしていければと思っています。
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