古い町並みで有名な香川県東かがわ市の引田。その中で一際目を引く昭和レトロな建物があります。
昭和レトロ!『カフェ・ヌーベルポスト』
その名は『カフェ・ヌーベルポスト』。
窓枠の形やこの壁の色味、見るからに昭和チックな佇まいですね。
実はこの建物、昭和53年まで『引田郵便局』として使用されていたもの。
引田の町並み保存会が、町を訪れる観光客や地元の方達の休憩所を作りたいと考えたのがきっかけとなり、2004年に『カフェ・ヌーベルポスト』として生まれ変わりました。
『引田郵便局』時代のものもたくさん!
中に入るとすぐ目の前に郵便局時代のカウンターが。ここで当時の郵便局員さんたちが来客対応していたのか、と想像して思わずノスタルジックな気分に。
右手に見えるのは公衆電話室と私書箱。郵便局に公衆電話が設置されていたことに驚き!当時は固定電話を持つ家庭が限られており、多くの人がこの場所から電話をかけていたんだそう。
さあ、公衆電話室を通り抜けて店内に入ってみましょう。
当時の建物そのままに、ほぼ手を加えていないという店内は、天井が高く広々としたレトロな雰囲気。
背後に流れるクラシック音楽や当時から使用されている家具が、私たちを一層タイムスリップさせてくれますよ。
地元の醤油を使った至極のケーキ
今日はお店一押しの『ソイソルトのりんごとレーズンのケーキセット』を注文。
こちらは引田にある『かめびし屋』さんの顆粒状になった醤油を表面に振りかけて焼いたケーキで、香ばしい醤油が匂い立つ、まさにこの場所でしか食べられない一品。
口に入れると広がる優しい味が、気持ちをホッとさせてくれます。
他にも、香川県の特産物である白下糖から作った『和三盆シフォンケーキ』や、引田産のちりめんじゃこを使った『ひけたムッシュ』がオススメですよ。
ところどころに置かれたアンティーク家具は、引田郵便局はもちろん、近くの病院やかつての大庄屋さんたちの元からやって来た、かつての繁栄を伺わせるものばかり。
一つひとつにストーリーがあるので、訪れた際は店長の田井さんに尋ねてみてはいかがでしょうか。
静かに流れる時間を楽しんで
「ここは、外とは時間の流れ方が違うと思うんです。ずっとここに来たくてようやく来れた、と仰ってくださる方が今でも数多くいて、それがとても嬉しい。全部この建物や空間が持つ力なのかな」と話してくれた田井さん。
『引田郵便局』という時代を経てカフェとして再生したこの建物と、朗らかに笑う彼女は名パートナーのように感じられました。
引田の町並みを楽しんだ後はぜひこのレトロな空間に足を運んでみてはいかがでしょうか。
ゆっくり流れる時間と素朴で優しい味のティータイムがきっと疲れを癒してくれるはずです。
カフェ・ヌーベルポスト
所在地/香川県東かがわ市引田2253
営業時間/11:00~16:00
開館日/土・日・祭日(季節、イベントにより変動あり)
電話/0879-33-3202(系列店:カフェ・ド・カンパーニュ)
最寄駅/JR高徳線引田駅
引田駅へのアクセス
瀬戸内Finderフォトライター 山田芽実
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この記事を取材したフォトライター
山田 芽実
香川生まれ。 高校卒業後、米国・京都・香川・東ティモールを経てまた香川在住。 地元のすてきさを改めて発見中。 絵を描いたり写真を撮ったりしています。
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