北前船が眼前を行き交い、多くの船や人の交通の要衝として長く親しまれた下津井。
下津井電鉄が廃線になり、旅人の足が少し遠のいていたこの地にも、まだまだ素敵な旅情がたくさんありました。今回は下津井ドライブ旅にぴったり、三つの楽しみ方をご紹介します!
廻船問屋と漁師の町並みを『眺める』
下津井に到着!
早速町中を歩いてみると、かつての賑わいを彷彿とさせる町並みがありました。昔は商売が上手くいくと海側へ増築を繰り返すのが主流だったそうで、いわゆるうなぎの寝床になっています。
そんな町並みの一角にあるのが、『むかし下津井回船問屋』。
中に入ると座敷と土間が奥へと拡がっています。ここでは下津井の交易の歴史をじっくりと学んだり、座ってお茶を飲んだりご飯を食べたりできます。移動の拠点にピッタリですね。
町並みを抜け、鳥居に誘われるように神社のある高台に登るとこんな景色が。
階段を上がって温まった体に、潮風が心地よいです。最近忙しかったせいか、長い間ぼーっとしていました。瀬戸内海はずっと眺めていられます。
知られざる井戸と猫を『探す』
さて、お次は少しマニアックな情報です。
下津井には知る人ぞ知る『下津井共同井戸群』なるものがあります。ご存知でしたか?
市の文化財にも指定されています。亀井戸、鶴井戸。縁起の良い名称が素敵です!
ふと、歩いていて気づきました。どこの井戸にも、近くには小さな社が祀ってあります。生活と密接に関わりあい、いかに大切にされているのかその姿から伝わってきます。本当に、調べれば調べるほど、奥が深い!井戸だけに!
井戸あるところに猫あり。偶然でしょうか。
湊町にいると、ゆったり体のちからが抜けてとても良い気分転換になりました。
瀬戸の急流が生んだ海の幸を『贈る』
さて、そろそろお土産を買って帰りたくなってきました。
たこ、わかめ、さかな。今でも多くの水産物が揚がる下津井港。たくさんの船が停泊していますね!ちょっと散策してみましょう。
おおお、発見!
下津井といえば干しだこ。やっぱりこれですよね。獲れたてのたこを竹に拡げて干した姿はまさに下津井冬の風物詩。
調べてみると、干しだこは現地でもWebでも購入できるそうです。たこめし、たこ刺し、たこの炙り…。考えただけでお腹がすいてきました。
続いて見つけたのが、こんぶ・わかめなどの海藻類。
下津井周辺の海は海底が浅くなっており、潮の流れが他の場所に比べて速いそうです。そのおかげで美味しい海藻が食べられるわけです!
私は下津井に来るたびに実家へのお土産にしています。イチ押しは、わかめのしゃぶしゃぶ。
派手なものはないけど、素敵な時間がここにはありますよ。
とりあえず、下津井に来たら井戸を探してのんびり歩いてみてください!
〇下津井
所在地/岡山県倉敷市下津井
最寄り駅/JR児島駅
児島駅へのアクセス
〇むかし下津井回船問屋
所在地/岡山県倉敷市下津井1-7-23
営業時間/9:00〜17:00(入館は16:30まで)
定休日/火曜(但し祝日は開館)、祝日の翌日、年末年始(12/29~1/3)
電話/086-479-7890
http://shimotsui-kaisen.com/
瀬戸内Finderフォトライター 乙倉慎司
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この記事を取材したフォトライター
乙倉 慎司/hiroe
乙倉慎司 岡山に18年、山口に6年暮らし、現在は広島の離島に仮移住中。建築・デザインの仕事をしています。日々、点々と移ろいながら、そこで見つけた素敵なひと・こと・ものを皆さんと共有していきたいです。 hiroe 福岡で環境分析研究員として働いた後、ロンドンへ留学。ヨーロッパを旅した後に住み着いたのは、瀬戸内海の美しい自然に囲まれた大崎上島でした。 気の向くままに島から島を渡り歩き、新参者ならではの視点で、瀬戸内特有の暮らし、文化、景色を伝えます。
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