まるで『自分の家』のように。誰もがくつろぐことができる場所を目指して/uchincu(徳島県徳島市)

徳島市で見つけたゲストハウスuchincu

世界中、どこを旅するにせよ、その楽しさは「どんな宿に宿泊するか?」で変わってくると思います。
近年、日本でも増えてきたのが、若者やバックパッカーを中心に人気の宿泊施設『ゲストハウス』です。
「そういえば、徳島市では見たことがないな…」と長らく首を捻っていましたが、ついに見つけました!

国道55号線沿い、さまざまなお店が集まる沖浜エリアのすぐ近く、富田小学校前に建つ一軒家。
杉板に白いアルファベットで『uchincu(うちんく)』と書かれた小さなサインボードが目印です。
ゲストハウスの名前の『うちんく』とは、徳島の方言である阿波弁で『私の家』という意味の言葉。
オーナーの「自分の家のようにくつろいでほしい」という旅人への温かな思いが伝わってきます。

誰もが快適に過ごせるような空間にしたい

引き戸を開けて『uchincu』に入ると、オーナーの大城泰博さんがフロントで優しく迎えてくれました。
和歌山県出身の大城さんは、徳島にある大学への進学をきっかけに、こちらで暮らしはじめたのだそう。
大学卒業後、保育関係の仕事へ就いてしばらく働いた後、2015年4月にこの場所で『uchincu』を開業。
「自分一人で運営できる規模がいいと思って」という言葉どおり、宿泊定員は5名という小さな宿です。

フロントの隣、1階の大半の面積を占めている空間が、こちらの『uchincu』自慢のラウンジホール。
座り心地の良さそうなソファに座って、テレビや漫画、ギターやベースなども楽しむことができます。
このラウンジホールは、ライブやワークショップ、仲間内で発足した部活動などの会場としても活用中。
「旅行者だけではなく、地元の人にも使ってもらえる場所にしたかったんです」と大城さんは言います。
しかし、フロントもそうでしたが、このラウンジホールも、まるでライブハウスのような雰囲気ですね。

階段を上った『uchincu』の2階の部屋は、4人部屋と2人部屋のドミトリールームとなっています。
宿泊状況によって、それぞれを男女混合、女性専用に割り当てるようになっており、貸し切りも可能。
どちらもエアコン完備で、どのベッドにもヘッドライトや専用コンセントがあるのも嬉しいところです。
決して広い空間とは言えませんが、清潔な寝具に横たわれば、ゆっくり身体を休めることができますよ。

ゲストハウスのオーナーともなれば、旅人から「徳島のオススメは?」と聞かれる機会も多いのでは。
実際に大城さんへその質問をぶつけてみたところ「カフェ巡りですね」という答えが返ってきました。
ここ『uchincu』を利用する旅行者の半分以上は、大学生に代表される20代前半の若者たちだそうです。
「徳島は個性的なカフェが多く、それぞれメニューにも特徵がありますから、ぜひ巡ってみてください」
特に名前が挙がったのは『14g』や『とよとみ珈琲』といったコーヒー好きには見逃せない名店ばかり。
そのほか、各種イベントや観光スポットなどのフライヤーも置いてあるため、旅の情報には困りません。

徳島市で初めてのゲストハウスのこれから

学生時代からアルバイトで資金を貯め、日本各地を『青春18きっぷ』で巡っていたという大城さん。
ユースホステルやゲストハウスに宿泊し、さまざまな人たちと交流した楽しい思い出があるそうです。
しかし『uchincu』の開業には、徳島におけるゲストハウスの認知度の低さが大きな障害になりました。
「徳島市には一軒もありませんでしたし、旅が好きな人以外には、とにかく説明が必要だったんです」
2014年の阿波おどりでは、このようなボードを持ち、リサーチを兼ねて認知度のアップに努めたとか。

「もっとも大変だったのは、ゲストハウスとして利用可能な物件を探すことでした」と大城さん。
不動産屋さんも大家さんもゲストハウスを知らないため、なかなか理解が得られなかったとのこと。
現在の物件にたどり着くまで、30以上の不動産屋さんを巡り、粘り強く探し回る日々を送ったそうです。
晴れて物件が決まってからは、ゲストハウスの宣伝と資金集めを兼ねてクラウドファンディングに挑戦。
『uchincu』が生まれるまでの様子はブログなどで報告され、最終的には30万円以上が集まりました。

「徳島を訪れてくれた人が、心からゆっくりできる場所が理想ですね」と笑顔で大城さんは言います。
ゲストハウス『uchincu』の原点は、さまざまな人が遊びに来ていた和歌山の『おばあちゃんの家』。
大前提として、宿泊場所に必要なのは、特別なもてなしや設備よりも、温かく旅人を迎える気持ちです。
「ここの雰囲気が好きだと言ってくれる方々や拠りどころにしている方々のための場所でもあります」
ラウンジホールで地元の若者たちと交流した宿泊者がリピーターになることもあるという『uchincu』。
徳島市や周辺地域の観光にはとても便利な立地のゲストハウスです。徳島を旅する拠点としてぜひ。


uchincu(うちんく)
所在地/徳島県徳島市中央通3-7-22
最寄り駅/JR阿波富田駅
阿波富田駅へのアクセス
チェックイン/16:00~24:00 チェックアウト/10:00
定休日/無休
電話/080-4998-3542
http://uchincu.com/

瀬戸内Finderフォトライター 重藤貴志

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重藤 貴志

重藤 貴志

徳島で暮らしているインタヴュアー/ライター/コピーライターです。屋号は“Signature”。新聞広告をはじめ、書籍や雑誌、ウェブサイトなど、幅広い媒体で仕事をしています。生まれ育ちは東京ですが、縁あって徳島に移り住みました。県外出身者の視点から見た徳島の魅力を中心に、瀬戸内のさまざまな情報を紹介していきます。 Twitter https://twitter.com/Siqoqtaq

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