かつて、木蝋(もくろう)の生産で栄え、江戸後期から明治時代の町並みをいまにのこす、愛媛県内子町。
自然ゆたかなロケーションでありながら、芝居小屋の『内子座』、木蝋や和紙といった『伝統工芸』など、文化的エッセンスがてんこ盛りのまち。ここで最近注目をあびるのが1棟を貸し切る古民家ステイです。
レトロ情緒がたまらない町並み保存地区
県都の松山市から特急電車で25分、山あいにあるJR内子駅に到着。駅から10分歩くと、レトロな建物が並ぶ八日市・護国エリアに着きます。
ゆるやかな坂道の両脇は、喫茶や資料館、醤油蔵、ドイツ料理店など、古い建造物を生かしたスポットがあちこちに。
町家リノベ1棟独り占めステイ『織』
この通りに、いま話題の宿があるんですよ。
坂をのぼりきると、古民家の軒先にツーっと縦長ののれんを発見。ここが今回紹介するひとつ目の『織-ORI-』。2017年11月オープンの宿は、のれんの佇まいだけでクオリティを証明していますね。
引き戸を開けてからの、待ち受ける景色のギャップがまた、ため息モノ(来てのおたのしみ)。
1階は、ハンモックのあるワークスペースとキッチン、掘りごたつの和室とベッドルーム。奥行きがある町家らしく、部屋がたくさんあり、ベッドルームも3つ。どんな組み合わせで来てもプライベート空間がたもてるのがうれしいですよね。
リビングルームの一部を撮影しました。作家ものの照明は、織をイメージしてつくられた、世界でひとつの灯りです。
坪庭の情景をたのしみながら廊下を渡ると、離れのお風呂へ。竹に囲まれた雅な雰囲気はまるで禅の風呂のよう。ひとりでじっくり浸かってみたい。
離れにもう一軒!楽しみかた無限の『久』
次にご紹介するのは、『織』の翌月にオープンした『久-HISA-』。真っ白いのれんで、織とのコントラストを表すように、『織』がハイセンスな非日常をたのしむスポットなら、『久』はより親しみやすい日常プラスアルファの宿。
蔵造りの建物をリノベしたリビングの一部がこちら(本当はとっても広いです)。地元の和紙をつかった照明は、柔らかな光を届けてくれそう。ここで語り合う夜なんて、想像するだけで愉快(笑)。
こちらも広いベッドルーム2部屋付き。中庭を望む離れは、もう一つの家のようで鍵もかけられる完全プライベート空間。
生活に溶け込む宿だからこそのぜいたく
『織』と『久』は、地元のNPO法人が営んでいます。代表の大西啓介さんはとにかくまちのために奔走し、最初に古民家再生に乗り出したのはブーム以前の2003年とか。
「日本家屋のすばらしさを世界はもちろん、地元のひとたちにも伝えたい。このまちの姿をずっと残していきたいんです」と大西さん。
子どもたちの通学路でもある通りを歩けば、地元の人がにっこり笑顔を向けてくれるおだやかでやさしい内子。だからこそ、ラグジュアリーな空間でありながら、いつもの心もちですごすことができるのかも。
暮らしを感じる、とっておきの古民家ステイ。ぜひ、たくさんのひとに体験してほしいです。
Setouchi Cominca Stays 織-ORI-
住所/愛媛県内子町内子3013
チェックイン15:00 チェックアウト11:00
利用料金(税別)/50,000円(貸切り料)+1名1,000円(朝食付きの場合は1名2,500円)
※1名から6名まで利用可能
電話/0893-44-5735
http://www.uchi-cocoro.com/yado/ori
Setouchi Cominca Stays 久-HISA-
住所/愛媛県内子町内子2871
チェックイン15:00 チェックアウト11:00
利用料金(税別)/50,000円(貸切り料)+1名1,000円(朝食付きの場合は1名2,500円)
※1名から6名まで利用可能
電話/0893-44-5735
http://www.uchi-cocoro.com/yado/hisa
Setouchi Cominca Stays Website(英語サイト)https://cominca-stays.com
瀬戸内Finderフォトライター ハタノエリ
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この記事を取材したフォトライター
ハタノ エリ
1978年宮崎県生まれ。愛媛県松山市在住。 新聞記者のちフリーライター。 日常にも、おもてなしの心があふれる愛媛。2年前、この地を離れても忘れられず、2017年春、戻ってきました!訪れたらきっと、大好きになる。そんな確信があるからこそ、誰かの「愛媛行き」を、グッと後押しする記事を書いていきたい。
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