四国最北端でカオスをさけぶ!名珍スポット『歯ART美術館』/香川県高松市

香川の庵治(あじ)といえば、日本三大花崗岩である庵治石や、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年公開)のロケ地としても有名。
海が綺麗でのんびりできるので、私も県外の友人が訪れると必ずと言っていいほど庵治半島一周をドライブコースに組み込むくらい、人に紹介したい風光明媚な場所なんです。
そんな庵治に…あるんです、名珍スポット。

珍スポット『歯ART美術館』

庵治半島をドライブしたことのあるそこのあなたや、普段からサイクリングを楽しんでいるそこのあなたはもうお分かりになられたことでしょう。
そう、今回の舞台は『歯ART美術館』。なぜ『歯』なのか?この謎は後述にて。
まずは中に入ってみましょう!

入り口までの道を歩いていると…ぎゃ!!
(目ないけど)こっち見てる…!むっちゃ口開けてる…!夜に出会ったら腰をぬかすこと間違いなしの石像がお出迎え。
周りにも謎の小生き物が…歓迎してくれていると思っていい…んですよね?ドキドキ。

坂を下っていくと見えてくるのが今日の舞台、『歯ART美術館』。
この角度からはお見せできなくて残念なのですが、入り口前の壁には、何故か鳳凰とイメージキャラクターEmmyちゃん(歯の妖精)がたくさん描かれています。
何だろう、感じざるを得ないこの胸騒ぎ。ざわざわ…。

珍度高めの2階と3階へウェルカム

受付がある4階には、2017年に改装した爽やかなオーシャンビューオシャレカフェと企画展示室があります。
こちらもご紹介したいのは山々なのですが、今日は2階と3階へ直行!
メインディッシュはこの二つのフロアであると言っても過言ではありません。

3階の『多目的ギャラリー/研修室/キッズコーナー』。
このフロアには、立派な骨董品・約300台のクラシックカメラ・世界のお面コレクション・亀コレクション(『亀』と『噛め』をかけているそう)・庵治石の作品など、多種多様な収蔵物が展示されており、まさに多目的なギャラリー。
子ども連れのお客さんのために、ぬいぐるみが溢れるキッズスペースも。
手前の亀さんたちの一番上がワニなことや、人間サイズのパンダがちょっぴり怖いのはご愛嬌。

異様な雰囲気をより一層醸し出しているのが、こちらの『お面コレクション』。
日本をはじめとするアジア、アフリカ、北米など世界各地から集まったお面の数々。夜見たら確実に叫んじゃう気が…(特に右上)。
ここで気になるのが、何故お面たちのコレクションを?ということ。その理由は、「歯・口とその表情などが、歯科技工の研究に役立つから」なんです。

そう、実はこの『歯ART美術館』は、歯科技工の会社・和田精密歯研株式会社が設立した美術館。会社の創設者・和田弘毅氏により、「『歯』にもっと興味を持ってもらえるように。『歯』をもっと大切にしてもらえるように」といった願いを込めて2005年に作られたそう。
なるほど!そういうわけでこのような歯に関するものがたくさん展示されていたんですね。

歯科技工の歴史や技術を堪能!

2階は、赤いカーテンがフロアを怪しく染め上げた『歯に関する展示室』。
こちらではインプラントや義歯の歴史・構造などが学べます。
自分の口内や歯周病菌を顕微鏡で見ることができる体験コーナーもあって、歯の勉強にはもってこい!
夏休みの自由研究のために利用される親子連れもいるのだとか。

…おお?!何ですかこれは??!
「これは創設者の和田弘毅さんの頭蓋骨模型です。CTデータからモデル化してるんですよ」と館長さん。
何とこの美術館の創設者、和田氏の頭蓋骨と頭部の模型でした。こんなところでお会いできるとはつゆ知らず…お邪魔しております。
他にも『1957年頃のインプラントの記録として、最も古い書物』、『マンモス?の歯の化石』、『第一生命の初代会長矢野恒太氏専用の治療イス』など、歯に関するありとあらゆるものが展示されています。

シュール!回る歯茎に大量の入れ歯

こちらは全国の歯科技工士学校のための歯科技工技術を競う甲子園、『和田精密歯研株式会社主催 G1グランプリ』受賞者たちの作品。
こんな甲子園があったとは…!
緑のボタンを押すと、360度の角度から見るためでしょうか…回ります。
回る歯茎……シュ、シュール!

奥に進んで行くと見えてくるのが、『義歯の展示コーナー』。
なるほど~!入れ歯を作る工程がわかりやすく展示されていますね。

突然ですがここでクイズです。この右側に写っているピンク色の立方体は果たして何でしょう?
イエス、ここが一番のハイライト!!!(嫌な予感がする方は目を薄めて見ましょう)

ドギャーッッッッン!

そう、これ全部使用済みの入れ歯さんたち。(ちょっと苦手…という方は目を薄めて見ましょう)
何でやー! 何でこんな大きめのクリアな立方体に皆さん封じ込めたー!

実はこれ、研究用に全国から集められ、総数5000個・総額約3億5000万円分の入れ歯。
「私たちの健康な毎日を支えてくれたたくさんの入れ歯たちに感謝します」という思いが込められた『入れ歯の供養』でもあり、当館の一番の目玉なんです(歯ですが)。
これも360度クルクル回ります。う~ん、回させたがる!この美術館!

少し離れた駐車場からほど近い浜辺からは、こーんな綺麗な海も臨めますよ(奥に見えるのが美術館)。
この日はカモが数羽集まって水遊びしていました。ああ、まったり。

今回新たな『歯ART美術館』の魅力を見出した私(実は来館2度目)。
実はこの美術館の魅力・珍スポット具合はこんなもんじゃありません!他にも『座ると幸せになる椅子』、『日本一?のトイレ』、『亀噛めパーク』、『ブロンズの二宮金次郎像』などなど館内外にネタは盛りだくさん。
今回ご紹介できたのはほんの一部、と考えてもらっていいでしょう。
珍スポットでありつつも、これほど歯にスポットを当てた美術館もなかなかないのではないでしょうか?

さあ、だんだん気になってきたそこのあなた。『歯ART美術館』はあなたの来館をいつでもお待ちしていますよ。


歯ART美術館
住所/香川県高松市庵治町生ノ國3180-1
電話/087-871-0666
営業時間/10:00-17:00
開館日/年中無休(但し展示替えや施設の点検のための臨時休館有)
料金/大人(18歳以上):600円・中高生:200円・小学生以下:無料
最寄駅/高松琴平電鉄志度線塩屋駅
塩屋(香川)駅へのアクセス
http://ha-art.com

瀬戸内Finderフォトライター 山田 芽実

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香川生まれ。 高校卒業後、米国・京都・香川・東ティモールを経てまた香川在住。 地元のすてきさを改めて発見中。 絵を描いたり写真を撮ったりしています。

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