いま注目のスポット三津に蘇った、大正時代のレトロな洋館/旧濱田医院(愛媛県松山市)

築90年超を超える洋館『旧濱田医院』

愛媛県松山市の三津地区は、古くは松山の海の玄関口として栄えた港町。戦火を逃れ、江戸から昭和初期の時代の建屋が今もその姿を留めています。中でも明治、大正期の企業や銀行、医院などの擬洋風建築は、三津の独特の風情を作り出している一大要素でもあります。

『旧濱田医院』もそんな建築物のひとつ。
大正時代に建てられた産婦人科医院で、洋風建築が一際目を引く建物でしたが、10年以上空き家の状態が続き、荒廃した姿は地元の子ども達に『お化け屋敷』などと呼ばれるほどでした。しかし地元の職人さんなどの協力も得て、床の補修や漆喰を塗るなどのリノベーションを学ぶワークショップも取り入れながら、約1年半をかけて再生。当時の姿が蘇りました。

ノスタルジー溢れる空間をじっくり拝見

注意してみると、建物のあちこちに素敵なところが発見できます。
まずは1階から。玄関周辺では、扉上部にはめ込まれたガラス表面に小さな花の模様加工がされていたり、縦中央に渡された桟には透し彫りがあったり。

ベンチが置かれた廊下では、異空間へ足を踏み入れたかのような感覚に陥ります。木の扉を開くと、私たちが暮らしているこの世界とは別の世界が広がっていそうです。

廊下の奥には靴脱ぎ場が。小さな子どもや男性、女性、いろいろな足跡がペイントされたアートな演出が加わりました。住居空間へ続く入り口で、ここから先は通常は入れませんのであしからず。

2階もレトロ可愛い魅力がいっぱい

こちらは2階へ上がってきたところ。階段を見下ろす場所につけられた、ジグザグを描く細い手すりや、細かい桟が入った窓も、とても凝った繊細なつくりです。

隅にある洗い場は薄いピンクのタイルで設えられています。ところどころに散りばめられた濃い赤や青のタイルがとてもキュート。ノスタルジックな味わい深い一角です。

テナントでショッピングも楽しめる

建物の中の部屋はテナントとして活用されています。

例えば、玄関を入ってすぐ正面にある『あかねいろ社』。調剤室として使われていた部屋にガラス雑貨や古着、アクセサリーなどが並ぶ雑貨店です。アンティークな空間は、まるで少女の頃に読んだ外国の絵本や物語の中の世界!

ガラス作家の店主による手作りの品がとても素敵ですよ。艶やかな優しい曲線、柔らかな色合いなど、手にとるとついじっと見入ってしまいます。
営業は土曜と日曜の12:30〜17:30です(不定休)。

まだ空きスペースがありテナント募集をしているので、興味のある方はお問い合わせを!

庭園ではイベント開催も

建物の奥にある中庭は、 かつては錦鯉が泳ぎ小さな滝まで流れる日本庭園でした。現在は水を抜いた大池をウッドテラスにリノベーション。青空の下で様々なイベントなどに利用できるコミュニティスペースになっています。

この旧濱田医院を始め、三津の長い歴史を歩んできた建物たちは、普通の住宅街の中に、うっかりすると見逃しそうなくらい静かに溶け込み佇んでいます。そしてそれらの貴重な建築遺産を触れずに保護するのではなく、慈しみ、楽しみながら新しく活用して、町に活気が溢れてくる。三津はそんな町なのです。
ぜひ足を運んでその魅力を肌で感じてください。


旧濱田医院
所在地/ 愛媛県松山市住吉2-2-20
最寄駅/伊予鉄道高浜線 三津駅
三津駅へのアクセス
※各テナントの営業時間、定休日はHPで確認を
http://mitsu-hamada.com

○問い合わせ:ミツハマル
電話/080-4154-3696
受付時間/10:00〜17:00
定休日/水曜・木曜
http://www.mitsuhamaru.com

瀬戸内Finderフォトライター 矢野智子

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矢野 智子

矢野 智子

1970年、愛媛県今治市生まれ。松山市在住。 大学時代を京都で過ごした後愛媛に戻り、システムエンジニアとして年の半分以上は県外出張という旅人のような生活を20年近く続けました。 退職後、愛媛を紹介する本を友人と作ったことをきっかけに、自分の「夢」と愛媛の魅力を再発見。地元出版社で編集のイロハを学び、現在は自らを「ことばのデザイナー」と称しフリーで活動中。書く、作る、伝えることに力をそそいでいます。

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