かつめしで知られる兵庫県の加古川市。
地名に川と付くからにはもちろん加古川という川が通っているのですが、兵庫県で最大の一級河川だということはご存知ですか。
加古川の流路延長は96キロ、流域面積は1730平方キロで、11市3町を潤して播磨灘に注ぎ込みます。
JR加古川駅から丹波市に向かって伸びるワンマン列車の加古川線に乗って、壮大な加古川を感じる河川敷散策に出かけましょう。
歴史感じるレトロな国包の鉄橋
厄神駅で降り東へ歩きだすと、すぐに橋が見えてきます。
厄神駅と小野市の市場駅との間の加古川にかかる鉄橋、通称『国包(くにかね)の鉄橋』です。
歴史的背景はひとまず置いておいて、1両だけの電車がガタゴト走ると、のどかでとにかくかわいい!
遠くから見ても印象的な、三角形を単位とした『トラス』と呼ばれる構造部は、昭和61年(1986年)の豪雨被害後に架け替えられたそうなので、意外と新しいものです。
しかし、橋が架けられたのは、当時の播州鉄道が開通した大正時代。レンガ積みの橋脚の中には明治時代に製造された部分も残っているのだそうです!
加古川はレガッタのメッカ
おや、よく見ると橋の下に人が浮かんでいますね。
たむろしていると言ったほうがいいぐらい。
ボート競技(レガッタ)やカヌー競技の練習をしている大学生のようです。右岸に宿泊施設を備えた『加古川市立漕艇センター』があるので、ここはよく漕艇部の合宿に利用されています。
ひと漕ぎごとに、ボートは穏やかな水面をススーッと滑るように進みます。
こちらはカヌー。
大変な腕力とバランス感覚が必要なのでしょうが、河岸から眺めると気持ちよさそう。
この水面、まるで湖のように見えませんか。
その秘密は、河岸を少しくだっていくとすぐに分かりました。
ははあ、ダムがあるんですね。
これが、古くから氾濫を繰り返してきた加古川の治水と、増え続ける水需要に対応するために作られた『加古川大堰(おおぜき)』の主ゲートです。
大堰が完成したことによって水辺の空間を有効活用できるようになり、学生や市民によるレガッタの大会が毎年開かれるようになりました。
そうして、ボート・カヌー競技の一大拠点が生まれたというわけ。
接近危険!迫力ある加古川大堰
近付いていくと大堰は驚くほど巨大で、それまでまったく聞こえなかった激しい流水音がごうごうと聞こえてきます。
これを見て私が思い出したのは、鳴門の渦潮。
大げさ?ですよね。でも、音を立てて吹き出す大量の水が貯水池に渦を作り出し、そこに水鳥がふわふわと漂っている様子は結構似ているんですよ。
両岸に設けられたこの階段状の水路は『魚道』と呼ばれます。
その名の通り、稚鮎などが上流へ遡上するための専用通路になっています。
1年を通じて散策が楽しめる加古川河川敷ですが、レガッタの大会日程を調べて出かけると、色とりどりのボートを眺められていいかもしれませんね。
兵庫県下最大の川をのんびりと満喫してください。
加古川北西部『水を訪ねるコース』
http://kako-navi.jp/course/course/purpose2/walking/1261
国包の鉄橋
所在地/兵庫県加古川市上荘町井ノ口428
最寄駅/JR厄神駅
厄神駅へのアクセス
http://kako-navi.jp/spot/spot/purpose/history/797
加古川大堰
所在地/兵庫県加古川市八幡町中西条875-1
最寄駅/JR神野駅
神野駅へのアクセス
http://kako-navi.jp/spot/spot/purpose/park/746
加古川市立漕艇センター
所在地/兵庫県加古川市上荘町井ノ口361-3
最寄駅/JR厄神駅
厄神駅へのアクセス
大会予定/http://strkstrss.jp/rowing/game/
瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか
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この記事を取材したフォトライター
堀 まどか
堀 まどか/フォトライター 兵庫県生まれ、在住。実務翻訳、外国人起業家支援、通訳案内士(英語)、そしてフォトライター。 ネットマーケティングの外資系スタートアップで進行管理や顧客サポートを担当。 2011年から、フジサンケイビジネスアイ掲載の週刊コラム『ITビジネス最前線』を英日翻訳しています。 日常の風景や旅先で出会った人の表情など、心に触れるものを写真におさめています。瀬戸内のスポット、暮らしぶり、季節感、食を私目線で切り取ります。 写真ブログ http://riderv328.tumblr.com ツイッター https://twitter.com/Riderv328
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