地域の人が自慢げに「うちのが一番」と言える。
それがローカルフード、ご当地グルメの真髄です。
加古川駅前通りにあった『いろは食堂』という洋食店が発祥といわれる『かつめし』は、町おこしにひと役もふた役も買い、今では加古川市と周辺の100店舗以上の飲食店で食べられる定番メニューになりました。
喫茶店では『カツライス』と呼ばれることもあります。
もちろん家庭でも、そして給食でもかつめしは当たり前に食べられているのだそうです。
でも、加古川から少し離れると、まだまだかつめし未体験の人が多いはず。
昭和20年代発祥のかつめしの伝統を繋ぐ
駅前通りの専門店『かつめし いろはーず』は、いろは食堂の味を引き継ぐお店だと聞いて、かつめしの作り方をのぞかせてもらいました。
見た目はカレーの少ないカツカレーみたいだな。
と思っても口に出さなくてよかった。
「カレーとか味噌とかとよく間違われるんですよね」とは店主の一角さん。
肉にかかっているのは玉ねぎ、セロリ、ニンジンなどの野菜と牛すじ肉、牛骨などを煮込んでできたスープにトマトや赤ワインを加え、ベシャメルソースと合わせて作る、いろはーずオリジナルの甘口たれ。
デミグラスソース風のタレだったんですね。
こだわりのタレがかつめしの決め手
「作るのに3日間かかる」と一角さんは胸を張ります。
子どもの頃、いろは食堂へ遊びに行き、厨房の鍋の中でソースがじっくりことこと煮込まれるのを見た記憶があるのだと言います。
次に、かつめしのメイン食材、牛肉です。最適なのは和牛のもも肉。
これをぺったんこになるまで叩いて薄くします。
パン粉をつけて揚げ、一口大に切ったら、お皿にうすーく広げて盛った白いご飯の上に豪快にトッピング。
タレをお玉2杯分たっぷりかけます。
いただきます!
サクッ! やっぱり揚げ物はこうじゃなきゃ。
サクサクの牛カツにからむタレは、甘口とは言うものの酸味とワインの深い味わいが感じられて、見た目よりさっぱりと食べられます。
これはお箸が進んじゃいますね。
あ、大事なことを忘れていました。
かつめしはお箸で食べるのが基本中の基本なんです。
店内の黒板にも書いてありました。くれぐれも「すみません、ナイフ……」なんて言わないように。
付け合せの定番は千切りキャベツではなく、茹でキャベツです。
くたっとした軟らかさとしゃきっとした歯ざわりのちょうど中間、絶妙な茹で加減のキャベツさえあれば、揚げ物のカロリーが帳消しになると錯覚してしまうほど。いい仕事してます。
老舗精肉店直営ならではのかつめしを
一角さんは、『肉のいろは本店』という老舗精肉店を市内で経営し、おいしいお肉を知り尽くしています。
いろは食堂の創業者は、肉のいろは先代のお兄さんに当たります。つまり、一角さんの伯父さんです。
伯父さんのレシピが残っていたわけではないけれど、その味を引き継いで、2010年にかつめし専門店を開いた一角さんは、(装いから明らかですが)ウェスタンが大好き!
店内にはカントリー・ミュージックが流れ、桜の季節は店内の大きな窓からお花見までできてしまう。居心地のいいお店作りをされています。
加古川市民なら誰でも知ってる(?)イメージキャラクター、かっつんとデミーちゃんもいろはーずのすぐ近くにいます。
かつめし初心者は、加古川駅前の商店街からかつめし巡りを始めてみるのがおすすめです。
JR加古川駅までのアクセスはコチラかつめし いろはーず
住所/兵庫県加古川市加古川町寺家町142-1
電話/079-490-3389
定休日/水曜日
営業時間/[平日]11:00~15:00 (LO14:30)、17:30~21:00 (LO20:30)、[土日祝]11:00~21:00 (LO20:30)
最寄駅/JR加古川駅
駐車場/有り。1時間無料
かつめし168.com
名物かつめし特集
http://kako-navi.jp/katsumeshi.html
瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか
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堀 まどか
堀 まどか/フォトライター 兵庫県生まれ、在住。実務翻訳、外国人起業家支援、通訳案内士(英語)、そしてフォトライター。 ネットマーケティングの外資系スタートアップで進行管理や顧客サポートを担当。 2011年から、フジサンケイビジネスアイ掲載の週刊コラム『ITビジネス最前線』を英日翻訳しています。 日常の風景や旅先で出会った人の表情など、心に触れるものを写真におさめています。瀬戸内のスポット、暮らしぶり、季節感、食を私目線で切り取ります。 写真ブログ http://riderv328.tumblr.com ツイッター https://twitter.com/Riderv328
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