『戦艦大和』で有名な広島県呉市。海軍の街として栄えた一方で、沖合には小さな島々が浮かぶのどかな風景が広がっています。そんな呉の島と島を結ぶ『とびしま海道』が、今回の旅の舞台。それでは、橋を渡ってゆったりドライブを始めましょう♪
スポット 1
下蒲刈島(広島県呉市)
石畳の道に、整然と並んだ松。ここ下蒲刈島(しもかまがりじま)では、島全体を庭園化する『ガーデンアイランド』という町づくりが行われています。下蒲刈市民センター横の広めの駐車場に車を停めたら、歩いて観光スポットをめぐってみましょう。
料亭のごちそう……⁉
本物と見まごうこちらは、江戸時代に『朝鮮通信使』という外交使節団にふるまわれていた料理のレプリカ。この展示が見られるのは、松濤園という施設にある歴史資料館です。朝鮮通信使は、その関連資料が2017年にユネスコの世界記憶遺産に登録されたばかり。松濤園も登録資料の一部を所蔵しており、今注目が集まっています。
続いてこちらは、松濤園から少し歩いた所にある『蘭島閣美術館』。横山大観や平山郁夫、郷土ゆかりの作家などの作品をコレクションしています。絵画の素晴らしさはもちろん、総ヒノキ造りの本格的和風建築も大きな魅力。日本文化の素晴らしさをあらためて感じることができます。
このほかにも周辺には芸術文化館や昆虫館などの施設が点在。下蒲刈島は、のどかな風景とはうらはらに知的好奇心を満たしてくれる実にユニークな島なのです。
スポット 2
大崎下島 御手洗町並み保存地区(広島県呉市)
下蒲刈島から橋を3つ渡って到着したのは大崎下島。ここでは、古い街並みやご当地グルメを楽しむことができます。
江戸時代の風情を今も残す御手洗地区(みたらいちく)。1994年には、重要伝統的建造物群保存地区として国から選定されました。広島県内では竹原市竹原地区、福山市鞆町、そしてここ御手洗の三箇所のみが“重伝建”に選ばれています。(2018年3月現在)
さて、御手洗の町をぶらぶら歩いていると、何やらいいにおいが…… 。
レトロなアルミ鍋に入ったアツアツの鍋焼きうどん! その昔、風待ち・潮待ちの船客を相手に売られていた一品を新たなレシピで復活させたのだとか。鍋のふたを開けると、まず鯛のアラからとったダシの香りが食欲を刺激。そして、自家製の細うどんを半熟卵にからめてずるずるっ……もうたまりません!
ここ鍋焼きうどんの店『尾収屋』(びしゅうや)は、現在日曜・祝日のみオープンしています。営業日になると、待ちかねた観光客や地元客で満席になるほどの人気ぶり。定番の鍋焼きうどんのほかカレーうどんや肉うどんなどもあるので、ぜひ迷いながら選んでみてください。
スポット 3
岡村島 まるせきカフェ(愛媛県今治市)
最後に訪れたのは、とびしま海道“最南端”の岡村島。実は橋で結ばれた7島のうち、この岡村島だけが愛媛県に所属します。
↑島の手前には県境地の立て札が。
さて、岡村島でぜひ訪れたいのがこちら。
青い壁が印象的な『まるせきカフェ』。東京から移住した夫婦が、築80年以上の古民家をリノベーションして2014年にオープンしたお店です。
小上がりの座敷席が懐かしい雰囲気の店内。島唯一の自家焙煎コーヒー、平飼い自然卵を使った軽食や手作りパン、そしてくつろぎの時間を求めてたびたび常連客がやって来ます。もちろん初めて訪れた旅行者にも、店主の成田さんはあたたかくおもてなし。
「観光客やサイクリストの方には、島の見どころを案内することもあります。海沿いの畑ではロバやヤギ、ニワトリなどを飼っているので、お好きな方は立ち寄って見てもらえますよ」(成田さん)
たくさんの橋を渡ってやっとたどり着いた岡村島。だからこそ、ここで見つけた美しい風景や人々との交流は、忘れられない思い出になるに違いありません。
■まるせきカフェ
住所/愛媛県今治市関前岡村甲728-6
営業時間/11:00~17:00
定休日/火・水・木曜日(祝日は営業)
電話/0897-88-2010
http://marusekicafe.com/
いかがでしたか? とびしま海道には、ほかにも魅力的なスポットがたくさん。個性豊かな島々をのんびりめぐれば、きっとお気に入りの風景やグルメに出合えますよ!
瀬戸内Finder編集部
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