神戸にこんなところあったんだ?!匠の技と先人の心を伝える竹中大工道具館・湊川隧道・兵庫大仏(兵庫県神戸市)【PR】

神戸は現代的な港町というイメージが強く、京都や奈良のように日本の伝統的な姿が見られそうもない。そう思っていませんか。
でも、ちょっと待って。
たしかに世界遺産のお寺はありません。けれども、日本人が代々受け継いできた技とこころをおしゃれに見て学べる場所が、神戸にはあります。

つい長居しちゃう博物館『竹中大工道具館』

まず、おすすめしたいのが大工道具を収集・保存・展示する日本で唯一の博物館『竹中大工道具館』。開館30年となる2014年に、竹中工務店ゆかりの緑豊かな地に移転オープンして以来、美しい建築とともに五感で楽しめる展示が話題となっています。

大工道具とは、大工さんが木を加工して組み上げて建物をつくり、仕上げるときに使う道具のことです。鋸(のこぎり)や金槌(かなづち)、鑿(のみ)はDIYや木工で使うこともあり、馴染みがあるかもしれません。

道具館で初めて目にする道具もたくさんあります。用材に線を引くための墨壺、古代から木材の削り出しや表面の仕上げに使われてきた釿(ちょうな)、中国から鉋(かんな)が伝来するまで主に使われてきた槍鉋(やりがんな)などです。

エントランスの自動扉には、職人の原田隆晴氏が釿ではつって独特の削り痕を残した『名栗仕上げ』の板が使われています。道具の使い方をビデオや絵巻で学んでから帰りがけにもう一度扉を見ると、あらためて名栗職人の技術に感激します。

道具館に来てまず感じるのが、この建物のかっこよさ。
建築に携わる人にとって、建築の難しいことをまったく知らない人でも、足を踏み入れると「なんかいいな」と感じる建物ができれば、成功なんだそうです。

建物のあちこちでは、匠の技を見ることができます。
地下1階中庭に敷き詰められた瓦は、淡路島で近年復活した伝統の『達磨窯』で焼いたいぶし瓦です。右手に見える大壁は左官職人の久住有生氏による土壁削出し。奥の階段はホワイトオークの一枚板をくり抜いた踏板が、まるで宙に浮かぶようにつくられています。

ここは道具を陳列するだけの古風な博物館とは一線を画す施設です。
展示室中央には、奈良の唐招提寺金堂の軒を支える組物(くみもの)の実物大模型がそびえています。現代の匠が知恵と技を結集して作り上げたものです。
宮大工棟梁の語る言葉を聞き、びっしりと数字が書き込まれたノート、図面、模型を見れば、膨大な仕事を緻密にやり遂げるものづくりの力に圧倒されます。

地下2階では数寄屋大工の細やかな手仕事が間近で見られる、茶室のスケルトン模型が人気です。大徳寺玉林院の蓑庵(さあん)をモデルに実物大で作られており、むきだしの構造の美しさを内外から実感できます。

道具館でゆっくり過ごしたい人は、是非敷地内にある休憩室ものぞいてください。杉の天井、栗の床、栂(つが)の柱と扉を使ったリノベーション建築のお部屋から枯山水の日本庭園を眺めるのが、モダンで趣があっていいですよ。

日本初の河川トンネル『湊川隧道』がロマンチック

次に紹介するのは、日本で初めてつくられた近代河川トンネルの湊川隧道(みなとがわずいどう)です。氾濫を繰り返した湊川の付け替え工事によって1901年に築造され、全長670メートルと当時としては世界最大の規模を誇りました。

レンガ積みの坑門が湊川隧道への入り口です。阪神淡路大震災で湊川隧道は被災し、新湊川の改修工事にともなって手前に見える大きな新湊川トンネルが完成したことで、湊川隧道の河川トンネルとしての役目は終わりました。

しかし、土木構造物としての意匠の美しさはもちろん、河川改修が実業家や地主による民間事業として行なわれたという経緯から近代化産業遺産としての価値が評価され、湊川隧道の保存が決まりました。普段は公開されていませんが、毎月1回呑口側が一般公開されているほか、11月の土木の日にちなんだ通り抜けや1月17日の阪神淡路大震災追悼行事もおこなわれています。

中に入ると、トンネルはどこまでも続くように見え、これが重機のない時代に人の手によって掘られたものであることに驚きます。
底部に敷き詰められているのは、瀬戸内海各地から運ばれた切石です。内壁には400万個以上のレンガが積まれており、橙色の灯りと相まって幻想的な空間が広がっています。

一般公開時には、隧道の内部でコンサートも開催されます。この日は、地元中学校の吹奏楽部3年生の力強い演奏がトンネル中に響き渡りました。

天井から滴り落ちる地下水を避けながら洞窟探検気分で隧道内を歩き、積み上げられたレンガの1つ1つを見上げてみてください。

大仏は奈良、鎌倉、そして神戸の『兵庫大仏』

最後に、平清盛が整備した貿易港である兵庫津(ひょうごのつ)にほど近い宝積山(ほうしゃくざん)能福寺に鎮座する大仏さまも訪れる価値があります。

静かな町に突如現れる通称、兵庫大仏。身丈は11メートルあり、台座を含めると18メートルにもなります。そんな巨大な仏さまにしてはあまり知られていませんが、実はこの兵庫大仏は1991年に建立された2代目なんだそうです。

能福寺に初めて盧遮那大仏が建てられたのはそのちょうど100年前。
明治維新後の廃仏毀釈により仏教界は大きく揺らぎ、開港によってキリスト教の影響も急速に広まっていました。そんな時代を背景として、兵庫の豪商南条荘兵衛の多額の寄進によって建立されたのが初代大仏です。
大仏さまは港近くにあったことから全国に知られるようになり、奈良、鎌倉と並ぶ『日本三大大仏』のひとつに数えらました。

しかし、初代大仏は第二次世界大戦の金属回収令により解体されてしまいます。このとき、大仏さまの「出征」を多くの市民が悲しみ、見送りました。解体された初代大仏は戦後発見・保管され、再び市民の要望で2代目兵庫大仏が建てられた際に混入されて、今のお姿になっています。

台座の階段を登り、穏やかでハンサムな大仏さまのお顔を間近に見上げると、この国、そして神戸の辿った歴史をもっと知りたくなるかもしれません。境内には平清盛廟、近くには兵庫津の歴史を表した『津の道壁画』もあるので、一帯を散歩して回るのがおすすめです。


公益財団法人 竹中大工道具館
所在地/兵庫県神戸市中央区熊内町7-5-1
電話/078-242-0216
開館時間/9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
駐車場/無料6台(普通車5台、障がい者用1台)
https://www.dougukan.jp
最寄り駅/山陽新幹線 新神戸駅、神戸市営地下鉄 新神戸駅

湊川隧道
所在地/兵庫県神戸市兵庫区湊川町9丁目3−1
電話/090-5255-6288(湊川隧道保存友の会事務局 担当:市成)
公開/原則毎月第3土曜日の一般公開日のみ
駐車場/なし
http://minatogawa-zuido.com
最寄り駅/神戸電鉄 湊川駅

兵庫津 宝積山能福寺
所在地/兵庫県神戸市兵庫区北逆瀬川町1-39
電話/078-652-1715
拝観時間/10:00~16:00
駐車場/なし
http://nofukuji.jp
最寄り駅/JR 兵庫駅、神戸市営地下鉄 中央市場前駅

瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか

記事中のスポット

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兵庫津 宝積山能福寺

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堀 まどか

堀 まどか

堀 まどか/フォトライター 兵庫県生まれ、在住。実務翻訳、外国人起業家支援、通訳案内士(英語)、そしてフォトライター。 ネットマーケティングの外資系スタートアップで進行管理や顧客サポートを担当。 2011年から、フジサンケイビジネスアイ掲載の週刊コラム『ITビジネス最前線』を英日翻訳しています。 日常の風景や旅先で出会った人の表情など、心に触れるものを写真におさめています。瀬戸内のスポット、暮らしぶり、季節感、食を私目線で切り取ります。 写真ブログ http://riderv328.tumblr.com ツイッター https://twitter.com/Riderv328

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