毎年春に香川県琴平町の金丸座で行われる『四国こんぴら歌舞伎大芝居』。
全国から歌舞伎ファンが大勢訪れる、なんとも風流な春の風物詩です。
讃岐のり染『染匠 吉野屋』
今回やってきたのは、『染匠 吉野屋』。
こんぴらさんの表参道からまっすぐ東に進むとある、情緒あふれる新町商店街(こんぴらレトロ街道)。その先に見える大きな鳥居のすぐそばにこのお店はあります。
『染匠 吉野屋』は、『四国こんぴら歌舞伎大芝居』を盛り上げる色とりどりの幟(のぼり)を第一回目の公演から製作している、4代続く老舗です。
店内に入ってみると、この鮮やかさ!
こちらでは『四国こんぴら歌舞伎大芝居』の幟と同じ柄のバッグ、通称『KONBAG』が販売されています。
カバン専用に染められた柄も模様も違う幟から裁断していくので、ひとつとして同じものは出来ないそう。
そしてなんとこのKONBAG、ワークショップにて自分オリジナルの組み合わせのものを作ることが可能なんです!
KONBAGワークショップ!
早速ワークショップを体験することに。
今回チャレンジするのはトートバッグ。まずは本体部分を選んでいきましょう。
どれもこれもカラフルな生地に、迷い放題! 実はここが一番楽しいところですよね。
持ち手もすごい数! 見ているだけでわくわくするとはこのこと。
この中から自分の好みに合ったものを探し出してみてくださいね。
「この組み合わせにしよう! 完成したらお弁当とか入れようかな」と選んだのは、ピンク色の本体に青色の持ち手のタッグ。
実は、本体と持ち手を同系色にしてしまうと全体の雰囲気がぼやけてしまうため、持ち手の色でバランスをとってあげることがポイント。反対色が相性がいいそうですよ。
ミシンが初めての方や、久しぶりに使うので心配……という方も大丈夫!
お母さんに手取り足取り教えてもらい、ミシンを動かすこと約20分……
世界に一つだけ! マイKONBAGの完成!
KONBAG、完成!
シンプルな服装に映えそうな、鮮やかな色のトートバッグが出来上がりました。
これでランチタイムも彩られること間違いなし!ですね。
伝統工芸士の確かな技術
幟、大漁旗、暖簾(のれん)、幕、法被(はっぴ)、獅子舞油単(ししまいゆたん)……
染匠 吉野屋の商品は、すべて手作業。
伝統工芸士である三代目・大野等さんと四代目・大野篤彦さんが『讃岐のり染』という技法を用いて丁寧に作り上げています。
今回特別に見学させてもらったのは、『のり置き』という作業。
その過程は、まさに目を見張るほどの職人技。細かい柄も、長年培われた確かな技術で素早くのりを乗せていきます。
のりを置いた部分が色に染まらず、染料が混ざり合うのを防ぐ技法です。
こちらは染めが終わった後の乾燥中の幟。
太陽に照らされた幟は目にとても鮮やか。しっかり乾燥させた後は水洗いをして完成になるのだそう。
今や機械化によりどんなものでも楽に制作ができるこの時代に、最初から最後まで手作業でものを作り続けるということは決して簡単なことではないはず。
改めてものづくりの奥深さに触れることができた一日でした。
香川県伝統的工芸である讃岐のり染でできた、世界でたったひとつのKONBAG。
歌舞伎ファンはもちろん、自分だけの一点ものをお探しの方にもぴったり。
あなたもぜひここ、金毘羅さんの麓の『染匠 吉野屋』で、歴史と伝統を感じながらオリジナルバッグを作ってみませんか?
染匠 吉野屋
住所/香川県仲多度郡琴平町旭町286
電話/0877-75-2628
営業時間/9:00~17:00
定休日/水曜日
駐車場/有
費用/KONBAGワークショップ 4,000円(税抜)〜 ※要予約
http://kotohirayoshinoya.jp
最寄り駅/JR土讃線琴平駅・琴電琴平線琴電琴平駅
JR土讃線琴平駅までのアクセスはコチラ
瀬戸内Finderフォトライター 山田 芽実
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この記事を取材したフォトライター
山田 芽実
香川生まれ。 高校卒業後、米国・京都・香川・東ティモールを経てまた香川在住。 地元のすてきさを改めて発見中。 絵を描いたり写真を撮ったりしています。
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