安芸灘とびしま海道の上蒲刈島で、古代の藻塩作り体験!/かまがり古代製塩遺跡復元展示館と『海人の藻塩』(広島県呉市)

安芸灘とびしま海道にある古代の製塩遺跡

県民の浜』は、安芸灘とびしま海道が通る上蒲刈島(かみかまがりじま)の南東部に位置する美しい白砂のビーチ。
広島県を代表する海水浴場の一つとして知られるほか、シーカヤックやSUPなどのマリンスポーツが体験できる『呉市蒲刈B&G海洋センター』や海辺にある天文台『呉市かまがり天体観測館』をはじめ、多種多様な宿泊施設や日帰り温泉施設なども備えた一大リゾート地となっています。

夏の海水浴シーズンを中心に多くの人々に親しまれている県民の浜ですが、実はこの浜辺で古代の製塩遺跡が発掘され、約1600年前の古墳時代から日本の塩づくりの原点とも呼ばれる製塩法『藻塩焼き』が行われていたことが判明しました。

県民の浜の海岸近くにある『かまがり古代製塩遺跡復元展示館』は、古代の製塩遺跡を発掘したままの状態で見学できるように復元した施設。館内には実際に古代の塩作りに使われていた土器のかけらや古代の製塩方法についての解説パネルもあり、古代の塩作りや人々の生活について深く学べます。

土器を使った古代の藻塩作りを体験!

展示館のすぐ横には『かまがり古代土器製塩体験施設』が整備されていて、なんと土器を使った古代の製塩方法による『藻塩』作りを実体験できるのです!(※3日前までに要予約)

『藻塩』とは日本の塩づくりの原点とも呼ばれる製塩法(藻塩焼き)で作られた塩のことで、まず下準備としてホンダワラと呼ばれる海藻を土器に入れて海水に浸し、それを何度か乾燥させて、塩分の濃い海水(かん水)を作ります。
次に、上の写真のように石を敷き詰めた炉に土器を並べてかん水を注ぎ、グラグラと煮ます。

吹きこぼれないようにかん水を少しずつ入れながら水分を蒸発させ、それを繰り返すと土器の縁に結晶ができ始めます。
藻塩ができるまでの所要時間は約2時間ほど。

こうして藻塩が完成! 土器の中にできた塩の結晶が藻塩なのです。
炉では土器と共にアルミホイルに包んだお芋も焼いていて、藻塩をその焼き芋にふりかけて試食もできるんですよ!

藻塩は海藻の成分が溶け込んだミネラルを豊富に含んでいて、海水と海藻のうま味が凝縮した、まろやかな口あたりが特徴。
私たちの祖先もこの浜辺で、繊細な藻塩の味を楽しんでいたのでしょうか? 古代のロマンを感じられますね!

『海人の藻塩』の工場見学も可能!

県民の浜の海岸線を少し東に進むと『海人の館(あまびとのやかた)』があります。
この建物は古代の製塩法を応用して商品化された上蒲刈島の特産品『海人の藻塩(あまびとのもしお)』の製塩工場で、工場見学が可能です。

工場内では濃い茶色のかん水を10個以上の平釜で6~8時間ほどかけて煮詰めており、タイミングが良ければ釜の縁に付着した塩の結晶も見られます。
土器に比べると釜はかなり大型ですが、古代の製法と同じ原理を応用した製塩行程を見学できるのです。

また、『海人の館』内に併設された店舗では『海人の藻塩』やその関連商品を購入できるのですが、ここでしか購入できない限定パッケージ商品もありますよ。

実は『海人の藻塩』は様々な瀬戸内の特産品にも使用されていて、例えば瀬戸内ブランド登録商品の『かっぱえびせん匠海』『レモスコ』なども『海人の藻塩』が隠し味として商品の魅力を引き立てているのです!

県民の浜は海水浴シーズンを中心に多くの人々に親しまれている一大ビーチリゾートですが、浜辺では古代の製塩遺跡が発掘されていて、土器を使った古代の藻塩作りを体験できます。その製法を応用して商品化された『海人の藻塩』の製塩工場も隣接し、日本古来の塩作りについても深く学べる歴史スポットです。

■参考:『海人の藻塩』と瀬戸内ブランド登録商品

>かっぱえびせん匠海
>レモスコ・レモスコRED
>大長レモンとはっさくのドレッシング
>瀬戸内海鮮 せんべい
>とよしまのひじきごはん
>砂谷牧場のミルクブレッド


かまがり古代製塩遺跡復元展示館
住所/広島県呉市蒲刈町大浦(県民の浜内)
電話/0823-66-1040
営業時間/10:00~17:00(入館は16:00まで)
定休日/月曜日(季節により変動あり)
入館料/無料
製塩体験料金/5人まで5,000円、1人増すごとに1,000円追加
※3日前までに要予約
体験予約・問合せ/080-6304-0197(藻塩の会事務局:松浦)
体験所要時間/約2時間
駐車場/あり(無料、100台)
http://www.moshionokai.jp

海人の館(蒲刈物産株式会社)
住所/広島県呉市蒲刈町大浦7407-1
電話/0823-70-7021
営業時間/9:00~17:00
定休日/日曜・祝日
入館料/無料
駐車場/あり(無料、10台)
https://www.moshio.co.jp

瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣

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かまがり古代製塩遺跡復元展示館

2

海人の館(蒲刈物産株式会社)

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松岡 広宣

松岡 広宣

松岡 広宣/フォトライター 1974年生まれ、兵庫県西宮市出身、西宮市在住。メディアポリス株式会社 代表取締役。 ソーラー発電付きエコキャンピングカー【ソーラーキング号】で全国各地を訪れながら、日本の美しい風景をハイビジョン映像で撮影しています。 できうる限り全国くまなく歩き回って、貴重な日本の自然や風景を映像として後世に残していきたいと考えています。 日本全国を旅していますが、もちろん、地元の瀬戸内も大好きです! 「癒しの国 日本.TV」 ~ 日本全国を「癒しの映像」でバーチャル旅行 http://www.healing-japan.tv/

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