ふわっととろける、やわらかな舌触り。山口の『名菓舌鼓』/山陰堂(山口県山口市)

山口県の中央に位置する山口市。日本三名塔のひとつ、瑠璃光寺五重塔があり、大内文化の史跡や古い街並みが残っています。

山口県を代表する和菓子、『名菓舌鼓』

そんな山口市には、長い歴史を持つ和菓子があります。それが山陰堂の『名菓舌鼓』。お年寄りから小さなお子さんまで、幅広い年代に愛されている舌鼓、そのヒミツを紐解きに、舌鼓の製造元である山陰堂へ伺いました。

山口市で創業130余年の老舗菓子店『山陰堂』

山口市中心部の中市商店街を歩いていると、突如現れるお城のような建物。こちらが山陰堂です。風格ある立派な佇まいに、歴史を感じます。

四代目社長の竹原雅郎さんと販売員さんが迎えてくれました。店内には名菓舌鼓を中心に、外郎や最中など様々な和菓子が並びます。もちろん、どれも一点から購入可能! 店内にはお茶をいただける休憩スペースがあるので、買い物や散策途中にホッと一息つけますよ。特別に、竹原さんに工房の中を案内していただきました!

『名菓舌鼓』が生み出される舞台裏へ

明治16年創業の山陰堂で、創業当初から作られてきた『名菓舌鼓』。工房内では十数名の従業員の方がお菓子作りに携わっています。ちょうど舌鼓に使われる求肥が蒸しあがりました。

こちらが舌鼓の中に入っている白こし餡。北海道産の大手亡豆が使われています。一部、機械を導入している工程もありますが、基本的な材料や作り方は、創業当初からほとんど変わっていません。

やわらかな求肥饅頭に粉をまぶし、成形していく工程は、今も人の手で行われています。こちらは、この道50年の大ベテラン! 少しでも力を入れると形が崩れてしまう求肥饅頭。この微妙な力加減は、長年の経験と勘を持つ人のみ為せる技。

粉雪をまとったような、生まれたての名菓舌鼓

成形後、焼印を押して完成。赤ちゃんのほっぺのような、やわらかでコロンっとした姿が愛らしいですね。

『名菓舌鼓』をいただきます!

こうして出来上がった『名菓舌鼓』。つまむと、すぐに指の跡がついてしまうほどのやわらかさです。口の中で、とろけるような求肥と上品な甘さの白あんが混じり合い、思わず笑顔が溢れます。

当初『舌鼓』と呼ばれていましたが、時の総理大臣寺内正毅元帥が「このような美味しい菓子であれば、名菓舌鼓と改称した方がよかろう。」と感想を述べ、それから『名菓舌鼓』になったという逸話があります。これぞ、まさに名菓。舌鼓を打つほどの美味しさは、どんな方にも喜ばれる、最上の贈り物になります。

今もシンプルな素材と人の手から生み出される『名菓舌鼓』。長く人々に愛されてきた理由が分かりました。この小さな舌鼓に詰まった幸せを、あなたも味わってみてくださいね。


山陰堂本店
住所/山口県山口市中市町6-15
電話/083-923-3110
営業時間/9:00~18:00
定休日/無休
駐車場/無し、近隣のコインパーキングを利用
最寄り駅/JR山口駅から徒歩10分
JR山口駅までのアクセスはコチラ

瀬戸内Finderフォトライター 武井奈々

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武井 奈々

武井 奈々

武井奈々/フォトライター
大阪生まれ大阪育ち。
大阪、東京、バンクーバーを経て、祖母の家がある山口県へたどり着きました。
どこへ行っても「大阪っぽくない」と言われます。
今は山口の東側、瀬戸内海の小さな町におばあちゃんと二人暮らし。
写真を撮ったり記事を書いたり、種をまいたり海に浮かんだりする毎日。
周防大島に小さな宿を開くつもりで準備中です。
瀬戸内海ってほんとう気持ちのよいところです。

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